昨日のブログは予約投稿をしていて、書いている時点では小林麻央さんがお亡くなりになったことを知りませんでした。

心よりお悔やみ申し上げます。

昨日はテレビでは麻央さんのニュースが流れ続けていました。そしてそれと同時に、このブログに恐ろしいほどの来訪者がありました。

確認をすると、このブログだけではなく、乳がんをテーマにしたブログ全てが、昨日は多くの人に読まれていたようです。

少し怖くなりました。

麻央さんがお亡くなりなったことにショックを受けた方が多いことは分かります。ですが、だからと言って僕が書くようなブログを読む気になるような人が増えるとは思えません。

いろいろ考えた結果、小林麻央さんの訃報を聞いて自分も乳がんが心配になった多くの方が、乳がんに関するブログを読んでいるのではないか、と予想しました。

それならば、あらゆる乳がんのケースのブログを読みたくなるのではないでしょうか。

もしその予想が多少なりとも当たっているのならば、僕がこのブログで今書くべきことは、乳がんが心配な人達が知っておけば少しでも役に立つことだと思います。

思い当たることを書いてみることにします。

 

まず、乳がんを心配している女性に一番知ってもらいたいことは、乳がんは正しい知識がないと必要以上に恐れてしまう可能性がある、ということです。

僕は彼女の乳がんの検査や治療に初めから付き合ってきましたが、その中で何度も強い不安におそわれた時期がありました。

しかし、今考えてみると、その不安の大部分は正しい知識があったならば不必要な不安でした。

その不必要な不安の筆頭は、乳がんの進行の速度についてです。

乳がんはがんの中でも進行が遅い部類のがんです。乳がんは数週間~数か月のような期間で「進行してしまうのではないか?」と不安になる必要はありません。

もちろん、治療をするのならば早いに越したことはないのですが、一刻を争って治療するよりも、自分が信頼できる病院や先生、納得できる治療法をしっかり決めてから治療に取り掛かるべきです。

彼女は乳がんの診断を受けてから、転院や手術待ちの期間があり、約4か月後に手術をしました。手術まで時間をかけてしまいましたが、遅くなったことに後悔はしていません。

治療前の検査などで乳がんの腫瘍の大きさが変わる場合があります。1か月以内の検査で乳がんの腫瘍が数ミリでも違っていると、それだけ進行してしまったのではないかと恐くなりますが、それは間違いなく、検査の精度の誤差です。

乳がんはそこまで速く進行するものではありません。

 

また、乳房内にしこりを発見して心配する人も多いかもしれません。ですが、乳房内のしこりの多くは(大部分は)良性のしこりです。

僕の彼女もがんの腫瘍以外に、良性の腫瘍がごく小さいものを入れると5つ以上発見されました。

良性のしこりは悪性(がん)にはなりません。良性のしこりはすべて安全です。

ただ、医者でも良性か悪性(がん)かの判断ができない場合はあります。

その場合は組織を取って検査をする、いわゆる生検をする場合もありますが、医者によっては「数か月様子を見て判断しましょう」と言う場合もあります。

乳がんを恐れる人にとっては「数か月様子を見る」というのは考えられないかもしれませんが、そういうことが行われるのが現状です。

そのくらい乳がんの進行は遅いということの裏返しです。

 

乳がんの患者はここ10数年で倍増していると言われています。その原因として、食事の欧米化や晩婚化などが挙げられています。

ですが、乳がんを見つける検査方法の精度が上がったことも、乳がんが増えている原因の一つです。過去の検査の精度ならば、発見されずに一生過ごされていた乳がんも、今は精密な検査によって発見される場合があるのです。

そして、それらのとても小さい内に見つかる乳がんは治る可能性が高いです。

少し分かりにくい話にはなってしまいますが、乳がん患者が増えていても、完治する可能性も上がっているので、乳がんで死亡する人はそこまでは増えていないことになるのです。

(日本全体の平均年齢も変わって行くので、この辺りの話はさらにややこしくなりますが・・・)

要するに、日本の乳がん患者数が倍増しているといっても、実際に乳がんで命を落とす人はそこまでは増えていないということになります。

 

小林麻央さんの訃報はとてもショッキングで、闘病生活の詳細は痛ましいと感じるかもしれません。

ですが、乳がん患者全体を平均してみると、乳がんは治りやすいがんと言えますし、進行も遅いがんだとも言えます。

現在乳がんは、がん細胞の種類によりタイプが分けられ、それぞれに有効な治療法や薬もあります。

なので、乳がんは過度に心配するべき病気ではないと、僕は思います。

もちろん、最低限度の検診や自己検診はやるべきですが。ですが、それは他の病気や他のがんでも同じではないでしょうか。

 

 

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彼女と喧嘩をして、約二日間連絡を取らずにいました。その後に連絡を取ると「昨日すごく強い頭痛だった」と言われました。

かつてないくらい強い頭痛で、「夕飯を食べると吐いてしまうだろうと確信したから、食べずに寝た」と言っていました。

「過去にここまで強い頭痛に襲われたことはない」、とまで言っていました。

心から情けなく思いました・・・

こういうことが起こった時に何も力になれないのなら、なんのために、僕はいろいろ乳がんについて調べたり、彼女の診察について行ったりしているのでしょうか・・・

 

頭痛が彼女にとってのタモキシフェンの副作用になるかもしれないことは、以前から予想していました。

そう、彼女に言ったことも何回かあります。彼女は生理中に頭痛が出る傾向にありました。

そして、もともと生理の時に体の変調が大きい人に、タモキシフェンの副作用が出やすいという情報があったのです。(その逆に、生理が軽い人はタモキシフェンの副作用が出にくいようです。)

なので、彼女のタモキシフェンの副作用として頭痛を一番心配していたのです。

 

彼女がタモキシフェンを飲み始めた日から、彼女の頭痛は気にしていました。喧嘩をした日までは、頭痛は出ていなかったのですが・・・

彼女の頭痛は僕と喧嘩をしたせいなのでしょうか・・・

 

しかも、彼女は非常に強い頭痛だったにも関わらず、頭痛薬などを一切飲まなかったのです・・・飲み合わせが心配だったようです・・・

そういう人なんですよ、彼女は・・・

あれだけタモキシフェンの副作用が嫌だ何だと言っておきながら、いざ飲んで副作用が出たら耐える・・・

タモキシフェンとロキソニンやバファリンなどの頭痛薬の飲み合わせの問題はないです。

そのことは言ったと思っていたけれど、言ってなかったのか・・・

彼女には自力でそれをネットで調べて頭痛薬を飲んで欲しかった・・・

いや、飲み合わせが心配ならば、頭痛を感じた時点でタモキシフェンを一時中断して欲しかった。

そういうことを僕が事前に言っていなかったのが失敗だった。

「頭痛が出たら言ってね」と言っておいたので、その時になって僕がいろいろ言えばいいと思い、そこまで念を押して頭痛が出た時の対処方法を彼女に伝えていなかった・・・そして喧嘩をしていたから、彼女は僕に頭痛を知らせなかった・・・

その結果、あり得ないくらい強い頭痛が出て、それに何も対処せずにただ耐えるというあり得ない結果になりました・・・

 

彼女はタモキシフェンを服用する以前から、生理の時に頭痛がありました。なので頓服用として、ロキソニンを常に携帯しているはずです。

飲んでも大丈夫、飲んだ方がいい、と言えなかった。

一番大事な一言が、一番大事な時に、彼女に言えなかった。

多分、一生忘れられない僕の失敗の一つになると思います・・・

 

 

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前回の「転移再発とタモキシフェンの関係」を少し補足します。

前回のブログを読んで下さった方の中には、突っ込みどころが多いと感じられた方もいるかもしれません。

僕が書く文章はどうしてもだらだらと長くなってしまう傾向がるので、前回のブログではあれ以上補足的なことを書く余裕がなくなってしまいました・・

な、なるべく簡潔に言いたいことをまとめるように努力していこうと思っています。すみません。線虫も途中で出てきます・・

 

まず、前回のブログではタモキシフェンはがん細胞を直接的には殺すことが出来ない、ということを前提に書きました。ですが、がん細胞を直接的には殺すことが出来なかったとしても、間接的にはがん細胞を殺すことはできるかもしれません。

タモキシフェンの効果の説明として、「がん細胞の栄養となるエストロゲンとの結合を阻害する」というような表現がされる場合があります。栄養が届かなくなるわけですから、それだけでがん細胞が消滅する可能性もありますね。

ただ、腫瘍を形成してしまったような乳がんが、タモキシフェンの効果だけで消滅することは稀なようです。

もしかすると、「微細な転移巣」ならば、微細の度合いによって、タモキシフェンだけで消滅するのかもしれません。微細な内にタモキシフェンなどのホルモン療法で増殖を止めれば、その人の免疫系などの攻撃でがん細胞が消滅する可能性もあるのかもしれません。

その辺りのことはまだ分かっていませんが、そういう効果も含めた数字が、タモキシフェンの公式に発表されている転移再発率を下げる数字なのでしょう。

 

もし、転移巣が小さい内にタモキシフェンを飲めばその転移巣が消えるということが分かれば、タモキシフェンの重要度が今よりもさらに上がるはずです。

逆に、転移巣の大きさに関わらず、タモキシフェンはがん細胞の増殖を抑えるだけで、がん細胞を殺すことはないと分かれば、「タモキシフェンを転移してから飲み始める」ということが現実的に選択肢としてあり得ることになるかもしれません。

今よりも小さい段階でがん細胞の腫瘍が発見できる技術が確立されれば、以上のようなことが分かるかもしれません。期待するところです。

 

この「微細ながんの腫瘍まで発見できる技術」ですが、少し前にニュースになっていました。九州大学から派生したベンチャー企業と日立製作所の共同研究で、患者の尿のにおいに線虫が反応するかしないかで、体内のがん細胞の有無を知ることができる、というものらしいです。

これはがんの腫瘍がどこにあるかは分からないのですが、どこにもないという判定はできるはずです。この検査の精度が高ければ、原理的に乳がんの手術後に微細転移があるかないかの判定ができるはずです。

そうすれば、乳がんの手術後に、抗がん剤治療もホルモン療法もやらなくてもいい患者の割合が増えるはずです。

100%の精度でなかったとしても、ある程度の高い精度で実現できれば、現在よりも、抗がん剤治療やホルモン療法をやった時の効果が高いと予想される患者と、効果が低いと予想される患者がはっきりするはずです。

「微細転移がある患者に対してだけ、抗がん剤治療やホルモン療法などの全身に対する治療をやる」という理想の状態に近くなるはずなのです。

 

また、手術の時点で微細転移がある=すでに転移している患者についても、それがはっきりと分かると大きなメリットがあります。現在の標準治療よりも、副作用も効果も高い強い治療を初期の段階から行えることになります。

現在の乳がんの標準治療では、すでに微細転移があるかないかが分からず、その微細転移がある可能性の大小で、予防的治療の強さを決めている状態です。

微細転移の有無が分かれば、確率的にではなく、100%か0%で、治療を行うか行わないか、はっきりできることになります。

がん細胞の転移が微細な内に抗がん剤治療やホルモン療法などを行うメリットは大きいはずです。逆に、転移が一切ないのに、抗がん剤治療やホルモン治療を行ってしまうデメリットは大きいはずです。

その二つの体の中のごくわずかな差を判別できると、乳がんの治療方法は大きく変わる可能性があります。

 

 

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