以前このブログで書きましたが、彼女の乳がんはステージⅠだったのですが、それでも全摘手術か温存手術かを患者自身の彼女が決めることになりました。素人考えだと、乳房を一部分だけ手術する温存手術で済む場合は、全摘手術は普通はしないのでは?となるはずです。ですが現状の乳がんの事情は違っていました。
いろいろ分かったことをまとめてみます。
思った以上に温存にはデメリットがあり、全摘のデメリットが少なかったです。ですが、まずもって一番重要だと思われる「健康面」の、いやな響きである「~年生存率」には、どちらの手術をしてもなんとほぼ変わらないという研究結果がでているらしいです。
がんは全身に転移しなければ、命に係わるような危険なものではありません。そして乳がんは温存・全摘どちらの手術方法でも他の臓器に転移する可能性(=命の危険)はほぼ同じらしいのです。
確かによくよく考えてみると、それも当然なのかもしれません。乳がんの手術後に他の臓器への転移が見つかったとしても、それは手術の前にすでに転移していたものだと考えるのが妥当です。
手術をした後は、密に再発の検査をするはずです。その検査で、例え温存した乳房や手術した乳房と反対側の乳房に新たな乳がんが見つかったとしても、それが手術で摘出した乳がん以上の大きさになっているとは考えにくいです。
例えば手術で2cmの乳がんの腫瘍を摘出したとして、そして手術後1年経って別の1cmの乳がんが見つかったとして、そしてその後に別の臓器への転移が見つかったとします。その時、別の臓器へ転移したがんの転移元はおそらく2cmの乳がんのはずです。1cmの乳がんから転移したものだとすると、2cmの乳がんからは転移していなかったとなります。同じ人、同じ部位のがんで2cmのものが転移しないのに、1cmのものが転移するのは考えにくいのではないでしょうか。がんの転移リスクは腫瘍径と大きな関係があります。血管に触れている部分が大きければ大きいほど、血液を介して転移する可能性が高くなります。
乳がんの他の臓器への転移(=命の危険)は、その転移したがんが手術をした前に転移していたものならば、手術方法と転移は関係なかったことになります。
手術後に乳房内で乳がんが再発し、そしてそのがんが他の臓器へ転移した場合のみ、手術方法で(命の危険)が変わってくるはずです。
全摘がまったく再発の危険性がないものだと仮定しても、温存=部分切除した場合に切除した腫瘍の大きさ以上の大きさの乳がんが再発しない限り、温存=部分切除より全摘の方が(命の危険)=多臓器への転移の可能性が低くなるとは言えないです。そしてそれは原理的にはほぼないはずです。
がんは免疫力との兼ね合いなので、上に書いたことは絶対とは言えないでしょうが、臨床で全摘でも温存でも~年生存率(=命の危険)には変わりがないことが分かっているようです。
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