彼女のお母さん乳がんの治療について心配なことが多いのですが、彼女自身の乳がんのホルモン療法も始まったばかりで、大事な時期です。

彼女はタモキシフェン(ノルバデックス)を飲み始めてから、約3ヶ月が経ちました。

3ヶ月というと結構な期間なのですが、タモキシフェンによるホルモン療法は一般的に5年間続けるものなので、まだまだ始めたばかりとも言えます。

ホルモン療法によって、ホルモンのバランスは急激に変わる場合もありますが、ゆっくり変わっていく場合もあります。

タモキシフェン服用3ヶ月目ならば、まだエストロゲンを主体とする女性ホルモンのバランスは安定していない可能性があります。

 

最近彼女は不眠に苦しんでいます。

タモキシフェンの服用を開始してすぐに「寝つきが悪くなった」と彼女は言い始めていました。

服用開始直後は頭痛のような症状も多かったのですが(連絡を取らず強い副作用があったと後から聞く・・」)、それらは最近は収まってきているようです。

ですが、不眠に関しては、少しずつ強くすらなってきているように見えます。

 

不眠症はいろいろな原因で起こる可能性があるので、タモキシフェンの服用が直接の原因でない可能性もあります。

例えば、タモキシフェンの副作用としてうつ症状が出て、その結果として不眠になる可能性もあります。

また、乳がん自体を心配する気持ちがストレスになって、眠りづらくなる可能性もあります。

大きな意味では、心因性の不眠もタモキシフェンの副作用と言えるかもしれません。

抗エストロゲン薬のエストロゲンに対する直接の作用としての不眠と、ホルモンのバランスが変わったことが原因の精神的な作用としての不眠があるようなのです。

なんらかの薬で不眠の症状を解消しようとするならば、この二つの不眠では対処すべき方法が違ってくるのかもしれません。

ただ、生活習慣によって不眠を解消しようとするのならば、どちら経由による不眠であっても、「不眠解消に効果のある生活習慣」を身につけるだけで、同じことなのだと思います。

 

女性が妊娠すると、不眠になる場合があります。

これはエストロゲンが増加し、プロゲステロンが減少することが直接の原因の不眠らしいです。

この「エストロゲンが増加して、プロゲステロンが減少するから不眠になる」という単純な説明が、エストロゲンと不眠を関連付ける正しい唯一の説明になるのかどうかは、僕には分かりかねるところです。

この説明だと、エストロゲンと、エストロゲンレセプターの結合を抑えるタモキシフェンの作用は、不眠を抑えこそすれ、助長するようなものではないことになってしまうからです。

難しいところですが、とにかく「タモキシフェンによって女性ホルモンのバランスが変わった」ことが、不眠に影響しているとだけは言えると思います。

(SERMという言葉があります。これは「選択的エストロゲン受容体モジュレータ」の略で、タモキシフェンもこれに当たります。エストロゲンとレセプターの結合を「選択的に=選んで」ブロックする薬ということになります。なので、タモキシフェンは、乳がんに関わる部分では、エストロゲンをブロックする、不眠に関わる部分ではブロックしない、という解釈もできます。)

 

話が変わるのですが、不眠をなんとかしようと思った彼女が、「タモキシフェンを飲む時間を変える!」と言い出しました。

今までは、寝る直前にタモキシフェン飲んでいました。

ど、どこかで聞いたことのある話です・・・

僕は以前にこのブログで「タモキシフェンの服用時刻によって、副作用を緩和することは不可能です」と書きました。(「タモキシフェンを何時に飲むべきか」)

相変わらず、僕のブログは斜め読みな彼女です。彼女が題材のブログなのに・・・

場合によっては、もし彼女がタモキシフェンを何時に飲んだら不眠が解消されるのかをネットで検索したら、僕のブログがヒットしますよ・・・

これを聞いた時に、僕は彼女にツッコミを入れることをぐっとこらえて、「特に変わらないと思うよ。」とだけ言っておきました。

たとえ飲む時間を変えたことによって、薬の血中濃度がまったく変わらなったとしても、プラセボ効果は起こる可能性があるからです。

ましてや、先ほど書いたように、不眠には心因性のものも多いわけですから、プラセボ効果は強く影響する可能性があります。

また、彼女は自分が思いついたことを人の意見で思い直すことは稀なので、僕が「変わらない」と言っても、やるものはやります。

3~4日後に、予想通り「タモキシフェンを昼間に飲んでみても変わらなかったよ」と言ってました。

彼女の性格からすると、昼にタモキシフェンを飲んだ日の夜には「今日は眠れるだろう」と強く思い込んで布団に入ったはずです。

なので、彼女の不眠症は、心因性の可能性は少ないだろうという情報が得られました。

 

 

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前回のブログ(乳がんの放射線治療は遅れるとまずいのか)で、僕は彼女のお母さんの放射線治療が延期できるのではないかと考えました。

延期する理由は、現在お母さんが足を骨折していて、放射線治療のために頻繁に通院することが難しいかもしれないからです。

延期してもいいのではなかと思った理由は、いろいろ調べたところによると、どうやら乳がんの温存手術後の放射線治療は、術後5か月~半年くらいに行えば、効果が落ちないようだからです。

ただ、問題は他にもありました。

お母さんが手術で取り除いた腫瘍があった部分以外に、少し怪しい場所があり、その部分の経過観察も含めた通院予定になっていたからです。

僕は直接は聞いていないので、どういったニュアンスなのかは正確には分からないのですが、お母さんの主治医は「放射線治療が終わってから、1回目の術後の経過観察をしたい」と言ったらしいです。

 

僕の彼女の乳がんの治療の時は、彼女の主治医と術後の再発予防の治療について、かなりもめました。なかなか術後の治療方針が決まりませんでした。

それによって、彼女の術後の経過観察は、一般的な温存手術後の経過観察通りになっていません。

なので、お母さんの術後の定期検査と、彼女の術後の定期検査を比べるわけにはいきませんが、彼女が手術をした病院の規定の温存手術後の第一回目の定期検査は6ヶ月後でした。

これに比べると、お母さんが指定された「放射線治療が終わってから、1回目の術後の経過観察をする」というのは、明らかに早いです。

つまり、ただ単純に「放射線は半年以内にかければ大丈夫」という理由だけで、放射線治療を延期できない理由があるのかもしれません。

 

また、実際にどういう日程になっているのかを彼女に聞いてみたところ、10月の頭に、お母さんが、まず放射線治療のみを行う予定の病院に1回行ってみることになっているらしいです。

(お母さんが手術をしてもらったがんセンターは家からかなり遠いので、放射線治療はより近い病院で受けさせてもらうことが決まっています。近いと言っても、がんセンターまでの半分程度の通院時間で、30分くらいらしいです。)

実際に一回行くことにより通院の労力を測ってみて、平日5回×5週間の放射線治療をやり切れるかどうかを決めることを、主治医がお母さんにすすめたらしいです。

もちろん、その時に、そちらの病院の先生にも話を聞くことになっています。

これはギプスの状態で通院することが前提の話です。

もちろん、これがお母さんに可能であれば問題ありません。ですが、実際問題どうなんでしょうか・・・

 

彼女のお父さんは健在で、車の運転もされる方です。

お父さんがお母さんの通院を車で手伝ってあげることが理想なのですが、それも難しいです。

お父さんは70歳を越えても現役で仕事をなさっていて、しかも第一線で活躍されています。

お父さんがされている仕事は、お父さんがいないと完全に回らなくなってしまう仕事です。

なので、週に1~2回程度ならば、何とか車で送ってあげることはできるでしょうが、平日毎日を5週間にわたりお母さんの通院に付き合うのは無理です。

 

このブログにも一度書かせてもらいましたが(「彼女のお母さんが無事退院できました」)、お母さんが骨折を診てもらっている整形外科は、地元で評判の良い医院です。

いくら、お母さんが高齢で骨折の治りが遅れていると言っても、良い医者ならば、治るまでの期間のある程度の予想を立てられることでしょう。

ギプスを外せる時期から、松葉杖などの補助なしで歩けるようになる時期までの期間も予想してもらう必要があります。

お母さんの骨折が治って普通に歩けるようになるまでの予想を整形外科医から聞いた後に、放射線治療を行う病院に実際に一度車椅子で行ってみて、その労力を測った上で、がんセンターの主治医に放射線治療を計画通りに行うか、延期するかを考えてもらう必要があります。

 

 

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彼女のお母さんは、乳がんの手術をする直前に足を骨折をしてしまい、手術が終わった現在でも、まだギプスをしています。ギプスをしたままでの乳がんの手術は、かなり苦労されたようです。

そして、「彼女のお母さんが無事退院できました」の回のブログで書いたのですが、お母さんは高齢なこともあって、骨折の治りが少し遅れているようです。

温存手術後の放射線治療を開始する予定の日までには、骨折は完治しないようです。

ただでさえ、高齢の方には、放射線治療のために平日5日間を5週間も病院に通うのは大変な苦労です。

その上、お母さんはギプスをしている状態なので、通院の労力は倍増するかもしれません。

松葉杖は高齢なお母さんには危険だという理由と、乳がんの手術直後に胸の辺りに松葉杖をあてるのは良くないという理由で、使っていません。

基本的に車いすで移動しているらしいです。

 

こういう話を彼女から聞いているのですが、考えてみると、放射線治療を少し後回しにするという選択肢もあるのかもしれないです。

彼女の乳がんの治療を考えていた時に、術後の放射線治療はどのくらいまでに行えば平気なのかを調べたことがありました。

このブログのコメントでアドバイスをもらったこともあります。

僕の記憶が確かならば、術後おおよそ5か月~半年後くらいまでに放射線治療を行えば、効果は下がらないはずです。

もう一度調べ直してみました。

 

まず、いつもお世話になっている、某ネット上で乳がん患者の質問に答えている先生の発言に、「5か月以内に開始で十分」というものがありました。

そして、詳しく調べていくと、日本乳癌学会のガイドラインに術後の放射線を受ける期限についての記述がありました。

放射線療法は術後早期に開始することが勧められ,特に術後20週を超えないことが勧められる。

という内容の記述で、推奨グレードはBです。(推奨グレードBならば、ほとんどの医師が支持するレベルの内容です。)

また、このブログのコメントでアドバイスを下さった方の内容は「部分切除なら手術から半年以内に放射線をしたほうがいい」と、その方の医師が言っていたとのことです。

これらのことから、術後、大体5か月~半年くらいまでの間に、放射線治療を始めれば問題ないようです。

また、逆に術後20週を越えると、放射線治療の効果が下がってしまうという内容の記述もありました。

 

そういったわけで、僕は、お母さんは骨折が完治してから、放射線治療を開始した方がいいと思います。

ただ、お母さんの乳がんの手術には、手術直前に手術した場所とは別の個所に、MRIによってしこりらしき影が映っていたという、嫌な経緯があります。

その影については、結局何も対処をできていない状態です。MRIでは映るのに、エコーでは何度検査しても映りませんでした。(「MRIの再読影でもう一つしこりが見つかる」)

こういったこともあって、もし術後の放射線治療を延期してもらうことを希望しても、お母さんの主治医の判断は、ただ単に「術後5か月~半年までなら遅らせても大丈夫」とはならないかもしれません。

お母さんの主治医は、そのしっかりと確認できなかったしこりらしき影と、術後の局所再発に関する検査を、両方同時に「経過観察」として行っていくと説明していました。

 

まあ、お母さんの主治医がどういった考えだったとしても、取りあえず放射線治療を遅らせるという選択が可能かどうかを相談してみるべきだと思います。

お母さんの主治医は熱心な人で、お母さん本人とでは少し話がはっきりとしない部分を、娘の彼女に電話で聞いてくれます。

彼女の方も、重要なことは直接お母さんの主治医に電話で報告しています。また、先生が忙しい時には、代わりに乳腺科の看護師が電話で彼女の話を聞いて、後で先生に伝えて置いてくれることもあります。

このような状況なので、近々彼女からお母さんの主治医の先生に電話をしてもらい、お母さんの放射線治療を延期することが可能なのかどうかを聞いてもらうと思っています。

 

 

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