突然ですが、彼女と別れるかもしれなくなりました・・
突然ですが、彼女と別れるかもしれなくなりました・・
昨夜、彼女と電話で乳がんのこれからの治療について話しました。
僕は建設的に話をしているつもりでしたが、彼女の方が責められているように感じたらしく、喧嘩をした後のような態度で話を打ち切りました。
僕が彼女に「発破をかけよう」としたことは事実です。それが彼女は嫌だったようです。
僕は前回のブログに書いたように、彼女と今後の治療方針を話し合うつもりでした。話し合うつもりの内容も、かなり具体的に決まっていました。
彼女の乳がんは比較的軽く、かつ一般的なルミナール型の乳がんでした。(HER2も陰性、浸潤径は1,5cmです。)なので、病理検査の結果を見て医師から提案される再発予防の治療方法は、おそらく次の三つのどれかのはずです。
2・放射線治療+ホルモン治療
3・ホルモン治療のみ
これは以前から何度か彼女に説明していて、理解はしていたようでした。上記の三つは、要するに治療の強さの順に1>2>3となっています。
医師の側は患者のがんの状態から丁度良い強さの治療を提案してくるはずです。
ここでは多くは語らないことにしますが(いずれこのブログで書いて行こうと思っていますが)僕はがんの治療はなるべく最小限にした方がいいと思っています。
その上で、病院ではできない、自分でやるがんの予防に力を入れるべきだと思っています。
その事はやはり何度か説明していて、彼女も同意してくれていたと思っていました。彼女は過去に「私も抗がん剤はやりたくない」と言っていました。「放射線治療もできればやりたくない」とも言っていました。
僕と同じ考え方で同じ気持ちなのだと解釈していましたが、どうやら、それが大きな勘違いだったようです・・・昨夜の話し合いで彼女は言いました
「私、ホルモン治療やりたくない」と。
あれ?
彼女がホルモン治療をやりたくないことは知っています。何度も聞いています。
(とりあえず、ここは言い切っておきます。)胸もかなり大きいです。なので、自分の女性的な魅力には自信があり、その長所を失うかも知れないことを、乳がんが発覚した時から悲しんでいました。
僕としても悲しかったですし、同情心もありました。だから、彼女がホルモン治療をやりたくないことは知っていましたし、そう発言するのも分かるのですが・・
昨夜の発言は、どうやらそういうのではない感じでした・・・
彼女は現実的に本気で医師に言ってホルモン治療を拒否することを考えてました。
ちょっと待ってくれよ・・・と
ホルモン治療(おそらくタモキシフェン)はルミナール型の乳がんの治療の中核部分のはずです。
ルミナール型の乳がんは女性ホルモンがある意味直接的な原因になっているがんなので、それを阻害する薬は「特効薬」とすら言えるはずです。
ルミナール型の乳がんでホルモン療法をやらないのならば、それはそもそも医者にかかる必要すらないのではないか?と思います。
残念だけれども、可哀そうだけれども、ルミナール型の乳がんなんだから、ホルモン治療はやらなければならないよね?という気持ちで同情していたのです。
僕は、できればいわゆる抗がん剤を使う化学療法はしない方が良いのではないか?と考えていますが、それは彼女の乳がんがまだ初期の段階であって、抗がん剤のメリットとデメリットを考えた上で、そう思っているのです。
そういうことは、本来は医者に任せるべきことなのでしょうが、がん治療に関しては医学的にまだわかってない部分もあり、医者や病院の間でも治療方針が異なっている部分があります。
なので、僕は「多くの医者や病院の方針として合意されている治療は確実に受け、医者や病院同士で完全に合意の取れていない部分の治療を最小限にしよう」と彼女に治療方法を提案していました。
その考え方に一番合致していたのが、今お世話になっているがん専門の大病院です。
なので、有名大学の大学病院の偉い先生に失礼を承知でお願いして転院の紹介状を書いて頂いたのです。
彼女は乳がんの温存手術を受けたのですが、温存手術の場合は術後に放射線治療をすることが、乳がん治療では常識です。
ですが、このがん専門病院は、手術の結果の病理検査を細分化して、再発リスクの低い患者には温存手術であっても放射線治療を省略する方針なのです。
このようなことは、非常に多くの乳がんの患者を治療した実績からくるデータをもっていて、かつ先進的な治療方針を模索している病院だからできる、本当に高度な医療だと僕は思っています。
まったく分かってもらえてなかったようです。
知識としては分かってくれていたのかも知れませんが、考え方、治療方針、治療姿勢、マインドという意味では伝わっていませんでした・・・
彼女は、ルミナール型の乳がんにとってホルモン治療の有効性や、その医学的なエビデンス、そして、その副作用の大きさなどを、自分で調べたり、主治医や他の専門家に聞いたこともないはずです。
乏しい知識の中で、「女らしさが減る」というイメージのみで、「ホルモン治療をやりたくない」と言っているのです・・・
というか、「抗がん剤治療(ここでは=科学療法)をやりたくない」「放射線治療もやりたくない」と言っているので、結局「治療はやりたくない」と言っていることと同義です・・・
あまりに危機意識というか、治療意欲というか、考え方が僕と違うので、これから一緒に彼女と治療を続けていけるのかどうか分からなくなりました。
ホルモン治療をやらないならば、もはや手術もせずに乳がんを完全放置した方が合理的な行動だったのではないかと僕は思います。
そういった、がんの「放置療法」を提案している有名な医者がいて、僕はその医者の考え方も一応は分かっているつもりです。
まあ、彼女が自分の体の危険に対して鈍感というかおおらかなのは、実は長く付き合って知っていました。そして、それが原因で喧嘩をしたことも、今回が初めてではないです。
それは彼女の欠点ではありますが、良いところでもあるとも思っています。
ですが、彼女の恐怖心が薄い部分が、必ずしも悪い部分とは言えなかったとしても、今回の乳がんに関して、もう僕の心がついていけないレベルまで来ている感じがします・・・
おそらく・・・いや、間違いなく・・・今のまま彼女が考えを変えないならば、これからもしタモキシフェンを処方してもらったとしても、彼女は飲みません。
まず間違いなく、毎日欠かさず飲むという行為を怠ります。さぼります。忘れもします。意図せず飲まなかったり、意図的に飲まなかったりします。そうなった時に、僕の心が耐えられないかもしれません。
ホルモンの量を(正確にはレセプター側の操作ですが)調整する薬ですので、飲んだり飲まなかったりして良い分けがありません。
下手をすると逆に爆発的にホルモン量が増える可能性すらあるはずです。もちろんホルモンに関係する薬でなくても、用量用法を守らなくて良い分けがないのですが。
ただ単純に彼女の身が危険にされされるだけで、僕は苦しくなります。その上、それが本来なら避けえた危険だったとしたら、なおさら我慢できません。
ましてや、その原因が彼女の稚拙な勘違いや単純な怠慢などだったとしたら、本当に僕の心は耐えきれなくなっておかしくなるかもしれません。
何故、どうして、僕は彼女に乳がんの再発予防のための大切な薬を飲んでもらうための説得が出来なかったんだろう、と。
彼女は非常に頑固なのです。人の理屈はあまり聞きません。というか、僕が正論を言えば言うほど、それに反発する感じの人です。
また、自分の感性を優先する人です。自分の考え方に人の考え方を取り入れるのが下手な人です。
なので、僕は今本当に切羽詰まった状態になっています。もしかしたら、もはや、僕は彼女にもう何も言わない方がいいのかも知れません。
僕が言うことが正しければ正しいほど、僕の言うことに反発して、それ以外の治療方針を取るからもしれません。
むしろ、今まで僕が乳がんのことをいろいろ調べて、彼女にいろいろ忠告をしてしまったせいで、逆に彼女が正しい治療を受けなくなってしまった、という結末が待っているかも知れません。
ここまで読んで下さった方には、極論に聞こえることを僕は言っているかもしれません。
ですが、彼女がタモキシフェンを毎日ちゃんと飲まない可能性と、そのことに対して僕が心から絶望する可能性は、もう昨日の彼女の発言の段階で、相当に高いものなのです。
それは僕が彼女と長年付き合ってきた経験上、間違いのない事実なのです。
彼女は彼女自身の健康について、彼女の責任だと思っていることでしょう。
彼女がもしタモキシフェンを飲まずに日々を過ごし、数年~十数年後に乳がんが再発しても、それは彼女自身は自分の責任だと思うことでしょう。
ただ、僕はそれは僕の責任だとも思います。
彼女の健康を案じている彼女の周りのすべての人も多少なりとも責任を感じると思います。「もっとちゃんと言ってあげれば」と。
彼女は、彼女の周りの彼女の健康を心配してくれている人達に対して、自分自身をいたわる義務があると思います。
彼女が、彼女を心配してくれている彼女の周りの人達の心を簡単に裏切るのであれば、僕は彼女と付き合い続けることはできません。
(追記・訂正・すみません、この記事を読んで下さった方のほぼ全員が気付かれたと思いますが、タモキシフェンとハーセプチンを書き間違えていました。タモキシフェンもハーセプチンも彼女との会話の中で数十回は出てきていた単語でした。何故間違えたのか、間違えに何故気づかなかったのか、本当に情けない限りです。)
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