病理検査の結果、彼女のお母さんの乳がんはトリプルネガティブでした

経過彼女のお母さん

彼女のお母さんの病理検査の結果が出ました。

まだ、正確な診断書やパソコン上のカルテを見せてもらったわけではないのですが、患者へ説明するための治療方針を書いた紙をメールで送ってもらい、それを見せてもらいました。

いくつか予想(というか願望)と違っている部分があり、その中で一番予想外だったことは、乳がんのタイプがトリプルネガティブだったことです。

事前に「高齢者の乳がんは女性ホルモン陽性のタイプが多い」という情報もありましたし、彼女がルミナール型の乳がんだったので、お母さんの乳がんもルミナール型の可能性が高いと、勝手に思い込んでいました。

 

病理検査の結果について、良い状態だったことと、難しい状態だったことに分けて書いてみます。

良かった部分は、病理検査の結果による正確な腫瘍の大きさが、二つの腫瘍のうちの大きい方の腫瘍で1.6cm×1cmだったことです。

これは事前の画像診断よりも、少し小さい値です。また、術中のセンチネルリンパ節生検によって、リンパ節転移に関しても無かったことが確認できました。

なので、ステージはⅠになります。

温存手術をしたので、切除断端も調べられますが、これは陰性でした。

これらのことが、今僕に分かっている、お母さんの乳がんの状態で良い情報です。

 

それに対して、病理検査の結果で分かった少し良くない部分もありました。

まず、エストロゲンレセプター(ER)が陰性で、かつHER2タンパクの発現も陰性だったので、乳がんのタイプはトリプルネガティブになります。

トリプルネガティブという用語は、乳がんの知識のある人ならば、それをとても大きな危険性だと認識してしまうかもしれません。

ですが、おそらく、トリプルネガティブという用語は、危険だという先入観が少し先走っていると、僕は思います。この辺りはこのブログでおいおい書かせてもらいます。

それと、もう二つ良くない結果が出ています。

がん細胞の核グレードが3でした。

それとki67が「20%以上」となっています。

この「20%以上」というのは、主治医にいずれ詳しく聞いてみます。

こちらの病院ではki67の閾値のような値(カットオフ値と呼ぶのでしょうか)を20%で分けているのでしょう。

ki67については、重要な指標であるにも関わらず、未だに病院間での扱い方が違うものです。

「20%以上」が、20%をちょっと超えただけのものなのか、大きく超えているのかで、評価を変える医療機関もあります。

そのどちらかなのかによって、ki67の値は心配要素になります。

 

また、何度かこのブログで書いていますが、彼女のお母さんは肝臓に持病があります。高齢なこともあり、抗がん剤治療は、本人も医師もやる予定はありませんでした。

これは、お母さんの乳がんのサブタイプがトリプルネガティブだと判明しても変わりませんでした。

なので、お母さんの乳がんに対する全身治療は無治療だということになります。

サブタイプがトリプルネガティブの乳がんの全身治療は、現在の標準治療では抗がん剤治療しかありません。

トリプルネガティブに対する新しい薬が発売されていることは聞いていますが、やはり高齢で肝臓の悪いお母さんに上手く効果があるかは微妙なところのはずです。

 

温存した乳房への放射線治療は医師が勧めていて、お母さんも受ける気になっているらしいです。

 

僕は、これからお母さんのような状態の乳がんについて、ある程度調べてみようかと思っています。

高齢者の乳がんの治療成績に関するデータはあまり多くありません。なので、知り得ることは少ないかもしれません。

一応調べてはみるつもりですが、知り得た情報をお母さんへ伝えることは、本人から聞いてこない限りは伝えることを控えようと思っています。

彼女には伝えようと思っています。

でも、どうなんでしょう。

お母さんの乳がんの状態から予想される転移再発率は、おそらく彼女の乳がんの状態から予想される転移再発率よりも高いです。

それをそのまま、娘である彼女へ伝えていいものなのか。

そもそも、僕自身がそれを詳しく調べてしまっていいものなのか。

 

彼女の乳がんの治療に関しては、僕は調べまくりましたし、治療方針について、彼女に口を出しまくりました。

それは選択肢がいくつもあったからです。

少しでも良い選択肢が取れるかもしれないと思ったゆえに、彼女に「もっと真面目に自分の治療のことを考えて」などと発破をかけたこともありました。

でも、今回の彼女のお母さんの乳がんの治療については、選択肢がないです。

トリプルネガティブの乳がんの全身治療は抗がん剤治療しかなく、お母さんの肝臓の状態だと、間違いなく抗がん剤治療は受けられないようです。

このような状態で、僕がお母さんの乳がんについてあれこれ調べることは、無意味どころか余計な精神的な苦痛をお母さんや彼女に与えてしまいかねないかもしれません。

まずは、その辺りのことを、彼女と話し合ってみようと思います。

 

 

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Posted by oomura


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