彼女がこのブログを読んでも怒らない理由

雑記乳がんの彼女

彼女は現在、乳がんの温存手術を終えて、術後の再発予防のための治療方法を悩んでいる状態です。

僕と彼女の治療方法選択の話し合いは難航しました。

話し合いが難航するさなか、彼女が引越しをすることを決めました。

僕にとって乳がんの治療方法を決めることはとても重要です。それを後回しにして、引っ越しのような大掛かりなことに打ち込むのは気が乗りませんでした。

ですが、とても大事なことだからこそ、いったん気晴らしをして、違う気持ちで向き合うことも必要なのではないかという考えにいたりました。

 

彼女の乳がんはルミナールタイプです。ルミナールタイプの乳がんが再発するのは5年~10年後のような長期戦になることが多いようです。

一週間や一か月という単位で焦って彼女の納得のできない治療方法に決めてしまった方が、長期的にみるとまずいことなのかもしれない。

タモキシフェンを飲むのならば、一般的には5年間飲みます。5年間という時間は、簡単に想像できないくらい長い期間です。

そのくらいの長い期間タモキシフェンを飲み続けて、それで乳がんの再発の可能性を彼女の場合は10%くらい下げるというのがホルモン療法です。ゆっくり時間をかけて、やるかどうかを考えることもありなのではないでしょうか。

 

そういった訳で、僕は今は彼女のサポートとして乳がんの情報を集めることをいたん止めています。そして彼女の住みたい地域の物件情報などを検索することが多くなりました。

良さげな物件を見つけると彼女に教えます。そうすると、これがまた面白いくらいに、乳がんの治療法選択の時と同じ構図の会話になってしまうのです。

どうしても僕のアドバイスが彼女に耳に入らない。

もはや、仮にまったく同じ物件だとしても、僕が彼女に教えた物件ならば気に入らないで、自分で見つけたら魅力的な物件に見えるのではないか、というレベルです・・・

彼女は人の話を聞かない。いや、聞かないというか、聞いているのだけれども、聞き入れない。

 

僕は別に自分がその物件を気に入ったから彼女にお勧めしているわけではないのです。僕が自分で住むのなら、もっと違う基準で物件を探します。

彼女の希望を聞いて、それになるべく沿える物件を探す。でも、完全に希望を満たす物件は値が張る。だからいろいろ妥協した物件を彼女に勧めてみる。そうすると、その妥協した部分が気に入らないと却下になる・・・

結局、その妥協部分を彼女が決めるわけで、妥協部分を僕が決めると却下なのです。

そ、それなら、最初からその妥協部分を、探す基準の中に入れて置いてもらわないと探せないですよね・・・

でも、それはできないのです。だって妥協する部分はその時の彼女の感性で決めているようなのですから。

探す基準はあってないようなものなのです・・・

 

と、このように、いつもこのブログは、彼氏が書く彼女の愚痴ブログになって行くのです。

このブログの本来のコンセプトは「乳がんの女性を支える彼氏が、闘病やそのサポートについて、どう感じるのか?どう行動をおこすべきなのか?」を、他の同じような境遇の人に読んでもらって参考にしてもらおう、というものです。

今のところ、彼女の法外な性格による法外な乳がんへの対し方によって僕が右往左往しているだけで、あまり参考になるブログにはなっていないような気がします・・・

僕は基本的にありのままを文章にしているだけです。それだけなのですが、一般的な感性の人から見ると、「そんな女性が本当にいるのか?この人の妄想の彼女なのでは?」と思われても仕方のないレベルだと思っています。

また、僕がブログを読んでもらうために、あらゆる話を「盛って」いるように思えてしまうかもしれません。

自分で読んでも「こんな女の人は他にいないかもな・・」と思ってしまうレベルです。

こういう部分は、僕の書く文章の彼女の性格や態度以外の部分のリアリティーで払拭するしかないと思っています。

精進して行こうと思っています。

 

最後に、彼女がなぜ僕がこのブログで彼女の愚痴(を通り越した悪口?)を書いていても、怒ったり、訂正を求めたりしないのかを話します。

普通の女性ならば、たとえ真実だとしても(むしろ真実だとしたら)、このようなブログで自分の良くない部分をあげつらわれることを嫌うとことでしょう。

ありがたいことに、このブログは僕にとっては出来過ぎなくらい、多くの人に読んでもらえています。

そして、彼女は何を思ったのか、このブログの存在を知人友人に教えているのです。URLを教えて「暇なら読んでね」と触れ回っているのです。

そのブログの中で、僕が(彼氏が)彼女の言動によって、のたうち回って「もう別れるかも!」と口走ったりしているのです。

普通の女性ならば、間違いなく検閲することでしょう。そこは書かないでね、とか。そんなことないから、ここは訂正してね、とか。

彼女はそういうことをまったくしないです。

なぜなのか?

なんと、彼女はこのブログを斜め読みしているのです。

適当にしか読んでいないのです。

「今日も文章が長いわねえ。ご苦労なことねえ。」と。

僕の感覚からすると、あり得ません。

自分の知り合いや友人の多くと、見知らぬ100人の単位の人に、自分の愚痴が日々拡散されていると思うと、発狂しそうです。

その自分に対する愚痴を斜め読みするのです。

凄まじい胆力としか言いようがないです。

見るのも嫌だから、一切読まない。というのなら、まだ理解できます。

適当に読んで、軽く流しているのです。信じられません。

 

まあ、こういう豪胆さは彼女の魅力の一つでもあります。

僕はこのブログを書かせてもらっていることを、素直に彼女に感謝しておくことにします。

しかし、本当に理解できません・・・

 

 

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雑記乳がんの彼女

Posted by oomura


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