すみません。以前僕は彼女が手術を受けたがん専門の大病院について思うところがあって、「大病院のデメリット」と題して2回ブログを書きました。

そして3回目を書いてこの題材についてはシメようかと思っていたのですが、ちょっと彼女と喧嘩をしてしまって予定が狂ってしまって・・・

「大病院のデメリット3」として文章はほぼ出来上がっていたのですが、投稿する機会を逃していました。

唐突に投稿しますが、読んでいただければ幸いです。

 

以前の投稿は以下です。

大病院のデメリット
http://karenyuu.net/information/major-hospital/

大病院のデメリット2
http://karenyuu.net/information/major-hospital2/

 

大病院のデメリット3

病院の規模が大きければ大きいほど、その病院は防衛的になり、その結果として治療が過剰になる可能性がある、というのが前回までの僕の主張です。

それとは別に、もう一つ、治療が過剰になる大きな理由が大病院にはあると思います。

それは、わざわざ大病院を選んで治療を受けにくる場合は、そもそも患者自身の治療意欲が高い場合が多いのではないか、ということです。

大病院では、そもそも患者側の要望として、多くの治療がなされる可能性があります。

その結果、病院全体としての流れで大病院ではどの医師も治療が過剰になるのかもしれません。

彼女が入院したがん専門の大病院には、他県や他地方から来た人も居たようです。

わざわざ良い噂を聞きつけて遠くから来て入院する患者さんは、効果のある治療を少しでも多くしてもらおうと希望する可能性が高いと思われます。がん専門病院ならなおさらのはずです。

ただ、治療意欲が高いことは素晴らしいことですが、効果と副作用のバランスをしっかりと見据えて、不必要な治療は受けない勇気が必要だと僕は思います。

 

それと病院も客商売なので、経営的な意味で、過剰な治療になる可能性もあると思います。ですが、そういったことが大病院だと小さい病院に比べて強くなるのかは僕には確実には推測できません。

 

以上、大病院が過剰な治療をする可能性があると批判ばかりしてきましたが、大病院にももちろんメリットは少なからずあります。

 

まずメリットとして一番に考えられるのは、検査や治療に使う機材が最新のものであったり、高価で感度の良いものであったりする可能性が高いことです。確率的な推測ですが、基本的にこれは間違いないことです。

それに彼女が入院したがん専門の大病院では常時二人の乳腺エコー技師がいたらしく、エコーでの乳房の腫瘍の検出力がすさまじかったです。彼女の両乳房に、小さな良性の腫瘍がポコポコ見つかりました・・・それはそれで嫌でしたが・・・

 

それと、患者数が多いので、医師が手術をたくさんこなしていて、上手である可能性も高いです。彼女が手術をしてもらった医師も、一年間に非常に多くの手術をこなす医師でした。

 

また、これは手術が終わった直後のブログに書いたことですが、彼女の入院の感想として、大病院のメリットがありました。

彼女が入院した病室には、彼女と乳がんの状態の近い患者さんが、次々に入院してきました。その方たちと乳がんについての情報や心情を共有できたことが、彼女にとってとてもありがたいものでした。

近い病状の患者さん同士の意見や情報の交換から生まれる共感は、彼女にとって他では得られない貴重なものだったようです。

 

結局のところ、大病院やがん専門病院にはメリットもデメリットもあると考えるべきだと思います。

「大病院だから、がん専門病院だから、最高の医療が受けられるだろう。全て任せよう。」という考えは、乳がん治療に関しては危険だと思います。

乳がんの治療はやればやるほど良い、というものではないからです。

大病院だから、がん専門病院だからこそ、自分で良く考えて上手く立ち回る必要があるのではないでしょうか。

 

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前回のブログで挙げたタモキシフェン使用についての情報を調べています。そして、モロに間違っていたことに気付きました。

オンコタイプDXでは無治療での再発率などのデータは出ないのですね・・・

ということは、タモキシフェンを飲むかどうかの判断にはまったくつながらないことになります。彼女は術後の再発予防として、無治療かホルモン療法をやるかで悩んでいるわけですから。

オンコタイプDXは、主に初期のルミナールタイプの乳がんの人が抗がん剤治療をやるかどうかの判断に使うもののようです。それは聞いていたのですが、まさか完全にタモキシフェン使用の前提だったとは・・・

やはり、ルミナールタイプの乳がんの場合に抗がん剤治療をやるかやらないかは、多くの人が迷うところのようですね。そしてルミナールタイプでタモキシフェンの使用を迷う人は少ないということなのでしょうか。

 

タモキシフェンとは関係ないことなのですが、オンコタイプDXについて検索していて、一つ驚いたことがあります。

オンコタイプDXをやる場合に患者から提出するデータに、がんの腫瘍の大きさのデータがないらしいのです。

オンコタイプDXは乳がんの(転移)再発率の予測をするものです。つまり、オンコタイプDXを行うアメリカの会社(Genomic Healthというらしいです)は再発率を予測する上でがんの腫瘍の大きさは関係ないと考えているということです。

この事実は大きいと思います。おそらく世界で一番有名で信頼されている乳がんの遺伝子検査を行うメーカーが、乳がんの腫瘍の大きさ(≒乳がんのステージ)と転移再発率は無関係だと言っているわけです。

僕と彼女がセカンドオピニオンを受けてきた、がん放置療法で有名な某医師の言っていることと一致します。日本の乳がんの標準治療とは大きく矛盾することです。日本の乳がんの標準治療は、基本的に早期発見と早期治療を目指すものなのですから。

これについては、別の機会で僕の考えを詳しくまとめようと思います。

取りあえず、今はタモキシフェンに関する情報を集めねば。

 

前回のブログで挙げた遺伝子検査のもう一つはCYP2D6という酵素に関する遺伝子の検査です。

これはタモキシフェンを代謝する酵素に関する遺伝子の変異を測ろうとするものです。簡単に言えば、タモキシフェンの効き具合を測る検査です。

つまり、タモキシフェンを飲むかどうか迷っている彼女にとっては、これ以上ないくらいに重要な検査なわけです。

そうなのですが、実際は微妙なところです・・・

いわゆる医学的なエビデンスが少ないのです。原理的にCYP2D6はタモキシフェンの効果に直結する酵素であることは確実なのですが、それが臨床的にタモキシフェンの効果=再発率に直接結びついているというデータがまだあまりないのです。まったくないわけではないようなのですが。

日本乳癌学会のガイドラインでは以下のようになっています。

CYP2D6 の遺伝子多型をタモキシフェンの治療効果予測検査として調べることは勧められるか
http://jbcs.gr.jp/guidline/guideline/g1/g10410/

「海外では効果あるっていう意見と効果ないっていう意見といろいろあるよ。でも日本ではほとんど議論されてないよ。」ということです。

原理的にCYP2D6とタモキシフェンの効果が関係のあることは事実ですが、どの程度関係しているのか未知数、ということです。

まあ、彼女が最後までタモキシフェンの使用を迷った時に、どちらにするにせよ、背中を押す要素にするためにこの遺伝子検査を受けてみる価値ならばあるのかもしれません。

ですが、その場合も中間的な数値が出てしまったら判断要素にはなりません。

一定以上高いか、一定以上低いか、どちらかの場合のみ参考にしようかと思います。

 

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