彼女がタモキシフェンを飲まないかもしれない
昨日は彼女と映画を見たあと、家に帰ってから乳がんの治療方針を彼女と話し合うことができました。
再発率などの数字は、数字のまま言われてもイメージすることが中々難しいです。なので紙に棒グラフとして書いてみました。
彼女は少し衝撃を受けるくらい、数字で書かれたイメージと違っていたようです。
僕も棒グラフを見ると、改めて彼女がかかっているがん専門の大病院の説明が不誠実だということを感じました。
その病院で説明された数字を、意図的に並べ替えたりせずに、そのままをグラフにして患者に説明したら、抗がん剤をやりたくなる人は激減するのでは?と思えるくらいの印象の違いでした。
この数値とグラフはいずれ整理してこのブログにのせようと思います。
彼女との話し合いの中で、僕としては意外なことを彼女が言っていました。
「あなたは私にホルモン療法や放射線治療をやって欲しいと思っていて、やりたくない私を説得しようと心の中では思っているのでしょう?」と。
僕としては、ちょっと驚きました。僕はそんなつもりは一切なかったですし、そんなつもりはないと、彼女に何度も言っていました。
ですが、彼女から見れば(もしかすると、このブログを読んで下さっている人から見ても)、僕は心の底ではそういう風に考えているように見えたのかもしれません。
僕は以前、彼女がタモキシフェンは飲みたくないと言った時に怒ってしまいました。
それは、彼女が自分の病気に対してあまりに無関心な態度だと感じたからです。(余談ですが、そこまで本人が無関心なものを、他人の僕が支えるのはもう無理だ、と感じました。)
僕としては、彼女が自分の病気に関心がなく、まったく知識を得ようとしていないところがいけないと思っただけで、しっかりと効果や副作用の知識を得た上で、それでもタモキシフェンは飲みたくないと言うのならば、それは尊重します。
どうやら、僕も彼女も、お互いが乳がんの治療法についてどう思っているのかを、まだまだ理解できていなかったようです。
彼女の方の誤解は、僕がなるべく治療をやって欲しいと思っている、というものです。これは丁寧に説明すれば誤解は解けるものだと思います。
少しやっかい話なのですが、仮に僕が女だったとして、乳がんになって彼女と同じくらいの状態ならば、タモキシフェンは飲むと思います。
ですが、それと僕が彼女にやって欲しいと思う治療法は必ずしも一致はしません。僕は彼女に後悔して欲しくないだけです。
彼女の性格は一般的な女性の性格よりはるかに豪気なものなので、彼女の基準での後悔を僕が測るのは難しいのです。
なので、とにかく彼女なりによく考えてもらうしかないのです。そうしてくれれば僕は満足です。
そして、僕の方が彼女のことを勘違いしていたことは、どうやら彼女がタモキシフェンを飲みたくないと言っているのは、無関心や知識の不足からきていることではないようだ、ということです。
もっと女性として本質的な心の問題のようなのです。
僕が調べた限りでは、タモキシフェンは副作用の個人差が大きいようです。
なので、もし僕が彼女の立場ならば、例え副作用が心配だったとしても、まずある程度の期間を試しに飲んでみます。それで副作用が小さければ続ける、副作用が大きければ止めるか検討する、という方法を取ると思います。
取りあえず飲んでみるという方法を、以前から彼女に提案はしていました。しかし、昨日の彼女との話し合いで、彼女にとってはそういうことではないと強く感じました。
がんに限らず病気全般について、僕はあらゆる治療は最小限にすべきだと考えています。そう考える理由はいろいろありますが、ここでは語らないことにします。僕の話は長いので・・・
病気の治療は最小限にする、とは言ったものの、がん治療に関しては話が別なのではないか?と彼女ががんの告知を受けてから考えていました。命に係わることなのですから。
突き詰めると、その答えを出すことが僕が彼女のがん治療のサポートとしてできることのすべてだと思います。
彼女が心理的なことから治療を拒否するかもしれないこととは全く違う視点から、僕は治療を受けないことの意味を探ろうとしています。
現時点では彼女がタモキシフェンを飲まないという選択肢を、僕は現実的にあってもよいものだと思っています。ホルモン療法を一切やらない選択肢です。
具体的な僕としての考えは、このブログで少しずつ書いて行こうと思います。
こういう話は、このブログを読んで下さる人が一人でもいる限り、慎重に誤解のないように書かなければならないことです。
「自己責任です。僕の言うことを信じるのは自己責任でお願いします」というのは簡単なことですが、そんな風に割り切ることは誠実ではないと思います。
と同時に、乳がんの標準治療において、ルミナール型の乳がんの場合、何も言わずにタモキシフェン(もしくは同等のホルモン剤)を絶対にやらなければならないものとして、医者が必ず処方するのも誠実ではないと思います。
タモキシフェンは使われた歴史が古くエビデンスも豊富で、ルミナール型の乳がんはタモキシフェンがあるから治りやすいんだ、とすら言える薬だと思います。
そのことを常に念頭に置いて、彼女がタモキシフェンを飲まない選択肢を探っています。
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コメント一覧
はじめまして。
手術から局所再発、再手術に抗がん剤、ホルモン治療と経験して思うことが、ここで(そうなのよ!)という納得できる話を聞けた思いです。
抗がん剤では、TC(3週間隔で点滴と1週飲んだら3日休む飲み薬とどちらにするか、次回まで決めてと言われた)治療を受けるときに聞いた%は30%でした。こちらから聞いた以外なんの説明もありませんでした。
もっと驚いたのは、手術前の説明の時に、私は一番再発リスクの少ない「全摘出のつもりです。」と言ったのに無視されたことです。
そして、温存手術になありましたが、その手術の方法に全くの素人で初めての乳がんの私でも、そんなことでいいの?と思うことがありました。後に担当医を変えた理由にもなりましたが、乳頭3センチ以内の場合は、乳頭は残さないという世界でのルールがあるにも関わらず、乳頭を結索しますと説明されました。
あり得ない方法ですよね。
血液に乗って転移する乳がんです。
でも、結索したら血が通わないので乳頭はいずれ、死んでしまいませんか?緩ければ癌は流れるでしょう?
案の定、1年過ぎたころには、局所再発(移動したということでしょう)していました。不信感だらけです。再手術後担当医を変えました。 元担当医との話し合いのときに、「おお~怖い。」と言われましたが、医師は言ってやるだけ、患者は痛みから不安から時間から、お金まで引き受けなければなりません。おお~怖いはこちらが言いたいです。
はじめて、ここで言えました。しっかり考えて相談できる方がおられて羨ましいです。
全摘を希望したのに医者に無視されて、そして再発してしまったのですか。それはあり得ないくらい酷いですね。
あまり適当なことは言えませんが、それはもはや医療訴訟を起こしていいレベルなのでは・・・
僕は掲示板などで「がん治療はセカンドオピニオンが必須だ」のような書き込みをよく目にします。
本当にそう思います。がん治療は医者選び、病院選びがとても重要ですね。
夏ちゃんさんは同じ病院内で担当医を変えたようですが、もしその担当医にも不信感を抱くようなところがあったのなら
転院を検討してみることをお勧めします。
僕の彼女も某超有名大学病院から転院していますが、まったく問題はおきませんでした。
そういう部分では、今のがん医療はオープンになっているようです。
返信をありがとうございます。
手術前説明は手術の2日前の夕方でした。
それまでは、検査結果も聞いていませんで、ただ、再発リスクの少ない方法は全摘出なので、始めに言ったのですが、かなり長い時間不機嫌そうに無言でした。
そして説明を始めたのは、温存手術の方法でした。患者の話には一言も触れませんでした。 部屋を出られるときに、「全摘出なら早く言ってくれよな!」の捨て台詞に聞こえる小さな言葉でした。
温存手術ありきの話でしたが、まだセカンドオピニオンなど言われはじめのころで、その時間もない手術日設定でした。
再発と言われてから情報を調べると、世界のガイドラインではない手術だったこと、国内の名だたる医師もそう発言していました。
知らない怖さを感じました。
医院を変えずに担当医を変えたのは、案外選んで転院するのも、地理的に難しいとか、理由は一つではありません。
が今は伝えたいことは、恐れずに話しています。
ぜひ、納得のいく方向での治療を選んでください。
2度目のコメントありがとうございます。
酷い医者に当たってしまいましたね。
医者がおかしいことを言っている時点で、正しい知識をこちらが持っていないと中々反論するのは難しいですよね。
当たり前ですが、医者の方が詳しいのですから、そこに突っ込むためには相当な知識が必要です。
かといって、診察と検査が終わってから自分の状態が分かるわけですから、それ以前に詳しい情報を調べるにしても、どの情報を調べるのか絞り込めませんし・・・
乳がんのような進行のゆっくりな病気は、慎重に医師と話を進めるべきですね。
心配して下さってありがとうございます。