彼女と小林麻央さんの訃報について話をしました。
彼女は麻央さんのブログを読んでいたようです。
麻央さんについて聞いてみたところ、彼女は明石家さんまさんが好きで「恋のから騒ぎ」を初代(?)から見ていて、麻央さんは姉妹で出演していて~・・
と、思い出のようなことをたくさん語ってくれました。
麻央さんについて、彼女はいろいろ詳しい様子でした。
彼女は麻央さんのニュースによって自分の乳がんの恐怖が増しているというようなことは、少なそうでした。
もともと、彼女は自分の乳がんについて無治療を望むような豪胆な人なので、今回の麻央さんのニュースで、自分の乳がんの再発に過敏になってしまうようなことはないのかもしれません。
僕としては、そのことで取りあえず安心できました。
このブログで何度か書いていることなのですが、どうやら彼女が乳がんになったことを恐れてしまったのは、彼女自身よりも僕の方だったようです。
彼女は自分の体の怪我や病気などに耐える力が異様に強いところがあります。
なので、彼女自身があまり乳がんを恐れていなかったせいもあって(?)、彼女本人よりも僕の方が乳がんを恐れて、その結果として、僕は乳がんに関する知識を必死に集めました。
前回のブログ「乳がんを心配する方へ」でも書いたことですが、乳がんは正しい知識をつけることによって、不要な不安の大部分が解消されます。
それを僕は身をもって体験したのですが、元々精神的に強い彼女には、それを体験する機会はなかったようです。
彼女が乳がんの診断を受けた時期とほぼ同時期に、僕の母は肺がんの疑いがあり、いくつかの病院で肺がんの検査をしていました。
最終的に彼女が手術してもらった病院で、僕の母も肺がんの検査をしています。結果は、母は肺がんではなく、肺炎でした。
彼女と母は、それぞれ地元で最寄りの医院から始まり、いくつもの病院でいくつものがんの検査を受けました。
トータールで10人以上の医師から検査の結果の所見や、がんの検査や治療に対する話を聞きました。僕はそれらの大部分に付き合いました。
それらについての僕の感想は、必要以上に患者を不安にさせるようなことを言う医者が予想外に多かった、ということです。
乳がんは、乳がんの可能性のある腫瘍から細胞の一部を太い針などによって取り出して、それを顕微鏡で実際に見て、がん細胞があると確認されるまでは確定診断は出ません。それが生検と呼ばれるものです。
現在ではマンモグラフィーやエコー、CTやMRIなどあらゆる画像での乳がんの検査が可能ですが、画像だけでは乳がんだとは診断はされません。それらはあくまで針で生検をするまでの予想に過ぎません。
これは乳がんだけでなく、僕の母の場合も含む、すべてのがんに共通することです。
ですが、画像による検査の段階でも、結果は医師から知らされます。エコーやマンモグラフィーの画像を医師と患者が一緒に見ながら、医師が可能性の範囲で所見を述べます。
乳がんに関してあまり知識がない人ならば、医師が視診や触診をして、エコーやマンモグラフィーの画像を見れば、それで乳がんかどうかの判断はできるのでは?と思うはずです。
ですが、この段階では医師には乳がんの可能性がどの程度あるのかの予想をすることしかできず、そのどの程度あるかの予想ですら、まったく合っていない可能性もあるのです。
僕は母の検査の時も、彼女の検査と診察の時も、医師の不必要に不安を煽る説明によって不快な思いを何度もしました。
これについて、後にいろいろ考察してみました。どうやら医師側としては「大丈夫でしょう」と言って実際には大丈夫でなかった場合は責任問題が発生してしまうことを回避しようとしているのではないか?という結論になりました。
逆に「危険な状態です。最悪の事態もありえます。」と説明しておいて、実際には大丈夫だった場合に、医師の責任が問われるような大きな問題が起きるとは思えません。
あなたがもし乳がんが心配で、今まであまり乳がんの検査を受けたことがなかったが、これからは受けてみようと思っているのであれば、こういったことが起こってしまう可能性もあると覚えておいた方がショックが少なくて済むと思います。
責任が発生することを恐れて、医師は患者の病状や乳がんである可能性を少し重く見積もろうとする場合がある、ということです。
お互いに何度も顔をあわせる主治医になった医師や、地元で開業をしていて何かとお世話になる開業医ならば、そういったことは少ないかもしれません。
ですが、1年や2年に一度だけ、乳がんの検診だけをする側とされる側の希薄な関係性の中でならば、こういったことは起きやすいかもしれません。
「私はあなたが乳がんの可能性が高いことをちゃんと指摘しました。この後どうするかはあなたの責任です。私の責任ではありません。」と言わんばかりに冷たい口調で、再検査をした方がよい旨の説明を受けると、自分は絶対に乳がんだと多くの人は確信してしまうと思います。
そして、落ち込むこともあるかもしれません。
ですが、そのような過度の心配はまったく必要のない場合があります。
万一乳がんの診断が出たとしても、乳がんは多くのステージやタイプやその他細かい状態に分けられ、大部分の乳がんは命にはかかわらない病気なのです。
画像の診断の時点で心配をする必要はまったくありません。
乳がんで命の心配をするのは、画像診断が全て終わり、針生検やマンモトープ検査で乳がんだと確定診断が出て、その後に手術を受けてがんの腫瘍をメスで取り出し、その取り出したがん細胞の病理検査からがんの状態や手術の状態が全て判明した、その後でいいと思います。
そこまで行かない限り、(余程確実な転移巣を発見するなどを除けば)乳がんでの命の危険性など絶対に分からないはずなのです。
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