彼女のお母さんは現在、乳がんの手術待ちの状態です。

もうすぐ手術なのですが、なんと転んで足を骨折してしまいました。

災難が続いてしまったとしか言い様がないです。

 

ギプスをしました。そして、松葉杖はお年寄りには危険ですし、使いこなすことも難しいので、いったん車いすの生活になります。

僕は手術は延期になるだろうと思ったのですが、整形外科の医師と今回のお母さんの乳がんの手術をする担当医が話し合った結果、予定通り手術は行われるそうです。

(これを書いている今になって、お母さんの手術について、さらに不安になってきました。まだこのブログには書いてないかったのですが、お母さんの手術には今回の骨折の他にも不安要素があったのです。お母さんには慢性的な肝臓の病気があることと、お母さんに程度は不明ながらも膀胱炎があるらしいことが分かったことです。輸血しながら手術をするという話が出ています。)

非常に心配です。ですが、もう彼女も手術に合わせて実家に帰ることを決めましたし、おそらく彼女のまだ仕事をされているお父さんも予定を調整したはずです。

それに医師や病院側もスケジュールを組んでしまっているので、手術は予定通り行うしかないです。

 

仮に一つひとつの怪我や病気が乳がんの手術に影響がなかったとしても、それぞれは患者自身であるお母さんの精神的な負担になるはずです。

お母さんにとって苦しいことがいくつも重なった上での、望まざる乳がんの手術になってしまうわけです。

お母さんの精神状態がとても不安になります。

そして、彼女のお母さんは嫌なことを心にためて我慢するタイプの人ではないのです。このことは、お母さんの精神状態にとっては悪いことではないと思うのですが、今度は彼女がキツくなります。

もともと、彼女はお母さんの愚痴やわがままな発言を聞き流せない人です。

彼女はこの世に恐れるものはほとんどないのですが、唯一、彼女は自分のお母さんのことを畏怖しています。

その彼女が恐れる唯一の人間であるお母さんが精神的に非常に辛い状態になり、そのそばで彼女が乳がんの手術での入院中に終始看病することになるのです。

彼女のことも、とても心配になります。

本当に、彼女は信じられないくらい他人に対してものおじしませんし、自分の怪我や体調不良に対してもめげないのに、自分のお母さんにだけは異常に弱いのです。

 

お母さんが乳がんの手術をする病院はとても大きいがん拠点病院です。なので整形外科も併設されています。

手術の際はこの整形外科と連携を取ってくれるということなので、骨折の手術への影響ついては一応大丈夫のようです。

ただ、こちらの整形外科はがんセンターの整形外科なので、がんによる骨折の予防や治療をすることが主な診療らしいです。

普通の骨折についても、「手術時のサポート」はしてくれるらしいのですが、お母さんの骨折自体に対する診断や治療は、このがんセンターでは行わないようです。

微妙なところです。

 

僕は一度このがんセンターへ行って医師の話を聞いてきました。それだけです。それ以降はお母さんの診察や治療の手伝いは何もできない状態です。

彼女からお母さんの様子と医師の診断を聞いているだけです。

僕としては何もできないことが歯がゆい限りですが、彼女の母さんとお父さんが決めていることに口を出すわけにはいきません。そ

もそも、がんセンターの医師の決めることが正しいか間違っているかなどは、僕には分からないことです。

僕にできることは、彼女の話を聞くことだけのようです。

彼女が僕にいろいろなことを話すことによって、少しでも気が晴れてくれればいいのですが・・・

差支えなければ、お母さんとも積極的に電話で話そうと思っています。

 

 

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彼女のお母さんは現在、乳がんの手術待ちの状態です。

お盆休みに彼女は実家へ帰っていたのですが、そこに彼女のお母さんが手術の予約をしている病院から突然電話がかかってきました。

電話の内容は「手術の担当医が〇〇さんのMRI画像をもう一度見直したところ、見つかっている部分とは違う場所に、がんの可能性のあるしこりを見つけた」「そのしこりの検査をするので、病院に来て欲しい」とのことでした。

嫌な内容の電話です。

新たに見つかったしこりは、乳がんだと確定しているしこりとは、乳房の中で反対側になる位置らしいです。

 

彼女のお母さんが乳がんの手術をする病院は、その地方のがん拠点病院で、非常に大きい病院です。

その病院のシステムでは、いくつもの検査の後に手術をすることが決まり、手術日などを決めた後で実際に手術をする医師が決まります。

乳がんの診断を出す医師と手術をする医師が違う訳です。

(ちなみに、彼女も違う地方のがん拠点病院で手術をしています。彼女の場合は乳がんの診断を受けてからその病院に転院したので、お母さんの病院と同じシステムなのかは分かりません。ですが、診察や検査を繰り返し、最後の最後に手術をする医師が決まったので、同様かそれに近いシステムだと推測されます。がん拠点病院では基本的にこのようなシステムなのでしょうか。)

手術を担当する医師が、その手術の準備のためにMRI画像を読影(画像からの診断)したところ、別の場所にしこりを発見したようです。

画像のダブルチェックをすることはよく聞くので、その結果「やはりもう一つしこりがあった」という結果になることは珍しくはないことなのかもしれません。

 

彼女は、電話があったその日の内にお母さんを病院に連れて行きました。

すぐにそのしこりの細胞診をすることが決まったらしいです。

そして、そのしこりに対して細胞診をしようとしたところ・・・

しこりがその場所に発見できなかった、らしいです。

細胞診はしこりに正確に針を刺すためにエコーを使うことが多いです。彼女もこのやり方で何度も細胞診をしています。

今回、お母さんの新たに発見されたしこりの場所を特定するためにエコーで調べたところ、そのようなしこりは発見できなかったらしいのです。

初めに使ったエコーでは発見できなかったため、(大病院の良いところですが)もう一つある精度の高いエコーを使ってさらに調べても、やはりしこりは発見できなかったらしいです。

 

MRI画像には白くしこりが映っているらしく、その大きさは8ミリと測定されています。

8ミリという大きさは、微妙ではあります。

ですが、病院に呼び出しまでかかるくらいは、はっきりとしている画像のはずです。

僕は一切その場にいなかったので、彼女から話を聞いただけなのですが、これは説明を詳しく聞きたいような話です。

 

いろいろあって、結局最後は「大勢には大きく関係しない」として、予定通り温存手術を行うそうです。

その新しくしこりが見つかった「らしき」場所は、「温存手術後の局所再発のための定期検査と同時に経過観察していく」らしいです。

 

なんとも歯がゆい限りの結果になってしまいました。

僕はこの一連の流れについてよく分からないです。

ただ、彼女の乳がんの手術の時に、がんのしこり以外にたくさん良性のしこりがあって、それを一つひとつ細胞診で良性だということを確かめていきました。

そういったことから予想すると、このような中途半端な状態で検査を止めてしまうことは、確率的な判断だと思われます。良性のしこりの可能性も考慮されているのでしょう。

エコーでまったく映らないということは、MRI画像での評価の8ミリという数字より小さい可能性が高いのかもしれません。

また、MRI画像からある程度は悪性の可能性を推測できているのかもしれません。

その場所によっても、がんが確定している場所と離れているならば、そのがんとは関係がない可能性が高いのかもしれません。(別の乳がんの可能性はあります。)

いろいろトータルで考えると、そのしこりの検査をこれ以上やることはバランスが悪いと判断したのではないでしょうか。

 

まあ、そもそも、そこにしこりなど最初からまったくなかった可能性もあるのかもしれません。

MRIでそういう風に映ってしまうことはあるのかも・・・

とても大きいがん拠点病院なのですから、この後も手術までにお母さんのMRI画像を他の医師や技師がチェックしてくれる可能性は高いです。

そういった訳で僕はこの一連の出来事と決定をそれ程大きなことだとは思いませんが・・・

しかし、やはり本人の身になって考えてみると、ちょっと考えられないくらい嫌な話だと思います。

しこりが新たに見つかって、病院まで呼び出されて、そのしこりの生検をしようとしたら「やっぱり無かったです」「気にせずに予定通り手術します」と言われたわけですから。

患者さんの性格によっては、夜も眠れなくなってしまうような出来事かもしれません。

彼女に聞く限り、幸いお母さんはそこまでこの出来事を気にしている様子ではないらしいです。

「そういうものなのだろうか・・」としか思えないような出来事だと思います。

 

 

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彼女のお母さんの乳がんについて医師から受けた説明は、全体として「可能ならば温存手術をした方がいい」という感じがありました。

乳房再建についての説明も受けましたが、それを勧めているようには僕には聞こえませんでした。

このような話になると、患者や患者の家族の主観的な気持ちが強く関係してきて、もしかすると医師はそんな風に説明しているつもりはないのかもしれません。

 

乳がんの治療をする場合は、標準治療ならば基本的に手術をします。そして、全摘、温存(部分切除)、全摘+再建のうちのどれかの術式を患者の希望によって決めます。

術式に限らず、全ての乳がんの治療方法は基本的に患者の意思で決めるものです。

医師は患者の乳がんの状態をみて、どの術式でどの治療方法を選択するかを患者にアドバイスします。患者よりも乳がんについて知識の豊富な医師が、より適切な治療方法を患者に示すわけです。

しかし、困ったもので、乳がんの治療方法には絶対的な正解はないです。どの治療方法にも効果が期待される確率があるだけです。その上、それぞれの副作用も少なくないです。

また、乳がんの治療は美容的なことを含みます。

なので、乳がんの治療では他の一般的な病気と違い、医師が治療法を決定するというより、医師が患者の希望に沿って治療法を提案することになります。

 

こういった訳で、彼女のお母さんの乳がんの治療について、担当の医師は慎重に言葉を選らんだ上で、温存手術を勧めてに僕には聞こえたわけです。

どちらを勧める、というはっきりとした言葉は医師は使いませんでした。

ですが、全体の印象としては、医師は温存手術を勧めていたようです。

 

では、なぜ僕がそう感じたかと言うと、それぞれの手術や治療法を説明するたびに、お母さんが高齢であることを気にしていてくれたことがあります。

そして治療全体としては、温存手術をした方が治療の量が少なくなるという感じの説明でした。(お母さんは全摘手術をする場合は再建を希望していたので、温存と全摘+再建の手術を比べた場合の話です。)

温存手術の場合は、通常25~30回くらいの放射線照射のために病院に通います。

それは高齢者には負担になるのではないか?と尋ねたところ、医師ははっきりとは言いませんでしたが、治療自体の負担と通院の負担は別に考えるべきだという感じでした。

また、がんの取り残しがなければ、高齢者の温存手術では放射線の照射を省略する場合もあるという説明も受けました。

 

彼女のお母さんは穿刺吸引細胞診(一番細い針の生検)で乳がんの診断を受けて手術が決まったので、乳がんのタイプなどはまだ分かっていません。

なので、術後にどのような治療をするかは、まだ何も言えない状態です。そういう説明は受けませんでした。

つまり、手術の術式に関しての体への負担を考慮して、医師はお母さんに温存手術を勧めていました。

医師はお母さんの美容的な希望も丁寧に聞いてくれていましたが、そう言った希望もクリアーできるとふんで温存手術を勧めてくれていたはずです。(この辺りは僕の主観です。もしかすると、そういうことではないのかもしれません。心配です。)

しかし、医師の説明から温存手術と全摘手術の局所再発率の違いの説明は受けませんでした。

なので、乳房内再発した場合の説明も特別に受けていません。

この事実だけを取ると、少し医師の説明不足だと思えます。

ですが、おそらく説明はしていないだけで、この医師は局所再発も含む高齢者の温存手術のリスクと全摘手術+再建のリスクをトータルで比べているのではないかと思います。

 

一般的な乳がんになりやすい年齢(30代後半から50代前半)の患者と高齢の患者を比べた場合、乳がんの状態が全く同じだ仮定すると、おそらく医師は高齢の患者には若い患者と同じだけの量の治療は勧めないでしょう。

医師は乳がんの状態(ステージ、タイプ、悪性度など)が同じであるならば、若い乳がん患者の方が、多く(強い)治療を勧めるかもしれません。

相対的に、若い患者の方が副作用に対して強く耐えられるでしょうし、高齢者の方が大人しい乳がんの場合が多いことがあります。

失礼な言い方ですが、乳がんを完治させることは、残されている人生が長い若い人の方が受ける恩恵が大きいです。

がんの治療には絶対的な正解がなく、効果と副作用のバランスで治療法を決めるしかないので、相対的に考えると、どうしても高齢者の乳がんの治療は少なく(弱く)なります。

これは、おそらく乳がんに限らず、他のがんにも言えることです。

「歳を取っている方ががんの進行が遅い」というのは、実は一概には言えないことらしいのですが、そのことを抜きにしても、高齢者のがんに対する治療は、若い患者に比べると相対的に少なくなることが一般的のようです。

 

 

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