彼女のお母さんは乳がんの手術が終わり、今はまだ入院しています。

お母さんの希望で、できるだけ長く入院させてもらうことにしました。

お母さんは、手術直前に骨折してしまったことをはじめとして、乳がんの状態以外で心配するべきことがいくつもあります。

なので、大事をとって、なるべく長く入院させてもらうことは正解だと思います。

何かあった時に、すぐに医師に診てもらえる他、身の回りのことを看護師さんに助けてもらえることも大きいです。

 

乳がんの手術は、全摘手術よりも温存手術の方が入院期間が短くなることが多いようです。

また、病院によって入院期間には差があり、全摘か温存に関わらず、数日で退院できる病院もあるらしいです。

彼女が2月に乳がんの手術をした病院は、温存手術ならば5日~6日くらいが標準的な入院期間でした。

今回彼女のお母さんが温存手術をした病院も、通常ならば、そのくらいの入院日数です。

ですが、お母さんの希望により、そこから2~3日くらい入院を伸ばしてもらいました。

ベットの空き具合で伸ばせるかどうか直前になって決まるということでしたが、どうにかなったようです。

今、お母さんの入院している病院は、その地区のがん拠点病院にしてはかなり空いている期間だったらしいです。

手術が1~2ヶ月以上待ちということも珍しくないらしいのですが、お母さんは乳がんの診断を受けてから、1ヶ月経たずに手術を受けることができました。

彼女の時も、出来ればもう少し早く手術をして欲しかった・・・

彼女の乳がんの手術待ちの期間は、生きた心地がしなかったです。今思い返せば、焦ることは全くなかったのですが・・・

 

彼女は日曜日に東京へ帰ってきて、今週は仕事をしています。そして金曜日の夜には、またお母さんのお世話をするために、地元へ戻ることになっています。

彼女は今、仕事の方もとても忙しい状態です。

そして、タモキシフェンを服用中ですし、飲み始めてからまだ2ヶ月半くらいです。

もちろんお母さんのことも心配なので、いろいろしてあげるべきなのでしょうが、自分自身の体のことにも十分に気を使って欲しいところです。

タモキシフェンは飲み始めるとエストロゲンのバランスが変化して、それによって副作用が出る可能性のある薬です。

飲み始めて2ヶ月半くらいならば、まだまだ女性ホルモンバランスが安定していない可能性もあるはずです。

つまり、今まで出ていなかったタモキシフェンの副作用がこれから出てくる可能性のある期間です。

彼女がタモキシフェンを飲み始めた当初に出ていた、不眠や頭痛のような症状は、取りあえず収まっています。

ただ、タモキシフェンの副作用は、女性ホルモンのバランスの変化から来るものなので、全般的に他の体の不調と複合してしまう可能性があるはずです。

例えば、風邪を引いた時に虫歯や古傷が痛むような現象が、タモキシフェン服用時にも起きる可能性があります。

彼女はタモキシフェンの服用を開始してから、以前からある原因不明の指の痛みが増していると言っています。

 

少し話がそれてしまいました。

何が言いたかったかというと、彼女がタモキシフェン服用している状態で、過度に疲れるような生活の状態に置かれたならば、副作用の危険性が高まるということです。

彼女はもともととても体力と気力のある女性なので、自分が疲れていることに、あまり気付いていないように見える時があります。

「昔は仕事をして、さらに土日にもアルバイトをしていた」と武勇伝を披露してくれることがあるのですが、どうもそのノリが今でもあまり変わっていないように見えます。

自分の体力に自信があることは良いことなのですが、体力に自信があることと、自信の体のケアを怠ることは違います。

僕が健康について彼女に助言してみても、ほとんど右から左の状態です。

まあ、それはいつものことなのですが、今の彼女の状態は、いつものことで済ますのには少し危険です。

お母さんのことを心から心配している今だからこそ、彼女が自分の体のことをおろそかにしてしまう可能性がとても高くなるかもしれないのです。

そして、そこにタモキシフェンを飲み始めて、まだ日が浅いということが加わります。

話を聞いてくれないのがいつものことであっても、いつも以上に繰り返して、彼女に自分の健康に気を使ってもらうように言ってみることにします。

 

彼女のお母さんは今週中に退院する予定です。

退院後のリハビリはどうなるのか、僕にはまったく予想がつきません。

乳がんだけに関して言えば、手術後から、可能な範囲で動いた方がいいはずです。

ですが、お母さんは骨折しています。車いす生活です。

足の方も、ギプスを外した後は、少しずつ動かしていかなければならないはずです。

しかし普通に考えれば、乳がんの手術後は、極端に胸に力がかかることは避けるべきです。

しかし、骨折によるギプスを外した後は、やはり極端に足に力がかかることは避けるべきです。

リハビリはある部分に対してやるもので、そのリハビリをやるべき部分が2か所あったならば、一体どうしたらいいのでしょうか?

手術をしてもらった乳腺科の医師と、骨折を診てもらった整形外科の医師に話し合ってもらうしかないのでしょうが、それで良いリハビリ方法がすぐに出てくるとも思えません。

どうなるのか、本当に心配です。

 

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彼女のお母さんの手術が無事に終わりました。

このブログを読んで下さっている方々には、大変ご心配をおかけしました。

今のところ、乳がんに対すること以外での(骨折、持病の肝臓への負担、血小板が少ないこと、膀胱炎の可能性での)問題は起きていません。

ただ、手術後に39度近くの熱が出たらしいです。

手術をした後に体温が上がることは普通のことですが、39度近くというのは少し高すぎる気がします。

解熱剤のようなものを使ったのかは、まだ聞けていません。

しかし、大きな問題がなく手術を終えられたことに、ひとまずは心から安心しました。

 

ですが、お母さんのこれからの健康状態について、問題はいくつも残っています。

骨折してしまっているので、術後に積極的運動することはできません。

また、手術前後の肝臓への負担によって、すぐにではなく、これから徐々に何か起こるかもしれません。

そして何より、術後の病理検査の結果こそが、乳がんの治療において一番重要です。

お母さんに肝臓の持病があることを考えると、抗がん剤や(下手をすると)ホルモン療法は受けられない可能性も残ります。

術後の治療を考えると、少しでも病理検査結果が良いことを願うばかりです。

 

彼女に、自分の乳がんの手術と比べて、お母さんの手術はどうだったかを聞いてみました。

彼女の印象は、「病院によって、雰囲気や治療の方針が随分違うものだ」ということでした。

お母さんは術前の各種の検査では、脇のリンパ節にはしこりは見つかっていませんでした。

ですが、(当然かもしれませんが)術中のセンチネルリンパ節生検を受けました。

その結果、リンパ節への転移はありませんでした。

とても喜ばしい結果なのですが、彼女がお母さんの脇の辺りを何度見ても、生検をしたようなキズがなかったのです。

彼女は、最悪「やり忘れたのでは?」と、少しあり得ない心配をしてしまったようです。

「お母さんの乳がんのしこりは脇に近く、さらにセンチネルリンパ節が乳がんのしこりに近かったので、しこりを取り出す時に、その切り口から同時に生検もした。」という話らしいです。

この話を彼女から聞いたのは、この文章を書いている直前です。そして、この話を彼女は主治医からではなく、お母さん本人から聞いたらしいです。

なので、もしかするとお母さんの勘違いかもしれません。

ですが、どうやら、センチネルリンパ節生検のための傷がないことは事実のようです。

 

また、お母さんはドレーンを一切入れなかったようです。

この病院では、乳がんの温存手術では基本的にドレーンは使わないとのことらしいです。

これは彼女が主治医から聞いた話です。

ドレーンを使わないので、手術した部分に体液がたまってきて、腫れて痛かったそうです。

この文章を書いているのは日曜日なのですが、日曜日は医師が来ないので、注射を使った体液の排出をしてもらえないそうです。

彼女が手術をした病院は、良くも悪くも本当に用心深い治療をする病院だったので、このようなお母さんに対する処置にはならないでしょう。

 

今までのお母さんの検査に関する話や、今回の彼女の話を聞く限り、お母さんが手術をしてもらった病院には、治療を最低限におさえる=不必要な治療はしない、という方針を感じます。

彼女もこのことには同意していました。

彼女が手術を受けた病院と、彼女のお母さんが今回手術を受けた病院は、両方ともその地区のがん拠点病院であり、公共の病院として担う立場はとても近いもののはずです。

ですが、病院としての方針が見事に違ったものになっていました。

彼女が乳がんの手術を受けた病院で、彼女は考え得る全ての治療法をフルコースで勧められました。

 

「治療は最低限にしよう」という考え方は、現在の医療では珍しくありません。

僕はこの考え方を支持しますが、しかし、こういったことは一概に言えることではありません。

特に癌のような治療と結果が確率でしか結びつかないような病気では、治療をどのくらいするかは簡単に決められることではありません。

患者と医師が話し合って、最終的には患者本人の意思で決めることです。

なので、彼女が手術を受けた病院と、今回彼女のお母さんが手術を受けた病院のどちらが良い病院なのか、という結論は出ません。

ただ、少なくとも、彼女にとっては今回お母さんが手術を受けた病院の方が合っていたと言えるでしょう。彼女は手術以外は基本的に無治療を望んでいました。

逆に、わずかにでも再発率を下げられる治療法は全て希望する患者ならば、今回お母さんが手術を受けたような病院の治療方針には耐えがたいものがあるかもしれません。

 

 

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彼女のお母さんの乳がんの手術日はもうすぐです。

手術前の準備の一環として、お母さんの手術を行うことになった先生が、お母さんのかかりつけの肝臓を診てもらっている医師と電話で話してくれたそうです。

お母さんは慢性的に肝臓が良くない状態です。

話をした結果、かなり微妙な状態だと思われたらしいです。もう一度話して、手術ができるのかどうかを決めるようです。

僕はお母さんの肝臓の状態をあまり立ち入って聞いていないのですが、どうも肝硬変になりつつある状態のようです。

そのような状態の乳がんの患者を手術する経験が豊富にある医師などは、あまりいないでしょう。

お母さんが骨折してしまったことと合わせて、乳がんの状態以外で心配しなければならないことがとても多い状態です。

 

話が少し変わりますが、お母さんは乳がんの温存手術をすることに決まったあとで、がんだと確定したしこりとは別の場所に、新たなしこりらしき影がMRIで発見されました。

そのしこりの細胞診をしようとしてエコーで場所を探したところ、なんとしこりらしきものは一切発見されませんでした。

ここまでのことは、前々回のブログで報告させてもらっています。

その後に、このしこりらしきものがあったところを、医師がもう一度エコーで見てくれました。

やはりエコーでは何も確認できないらしいです。

MRIでは脂肪の塊なども白く映ってしまうことがあるらしく、そういったものではないかという医師の話らしいです。

 

MRI検査はとても大変なもので、気軽に何度も繰り返すわけにはいきません。また、MRIは精度の高い検査であり、乳がんの診断が出て手術が決まってから、そのがんの腫瘍の広がりを正確に測定するための検査です。

「エコーの検査では見逃されてしまうような小さいしこりまでMRIでは発見できる」と考えると、今回のお母さんの出来事は不安になります。

ただ、エコーで白く映った場所は、当たり前ですが確定しています。

そこに向けて集中的に医師がエコーをあててみても、一切何も見えないレベルということは、たとえそこにしこりがあったとしても、少なくとも、とても小さいしこりであることは間違いないです。

非常に小さい悪性か良性かが不明のしこりは、彼女の乳がんの手術前の検査でもたくさん見つかりました。

彼女が手術をした病院は、(失礼な言い方をすれば、とても用心深い病院なのですが)その全てに対しては細胞診をやりませんでした。

乳がんだと確定しているしこりと関係のありそうな場所にある小さいしこりに対してだけ、細胞診をやりました。

これと同じような原理で、お母さんの主治医は、正体不明のしこりをこれ以上追跡しないことを決めたのではないでしょうか。

場所や大きさによってしこりの危険度が変わります。

エコーで何度見ても何も見えないということは、仮に存在したとしても、MRIでの評価よりもはるかに小さいしこりであり、それならばしこりの場所とも合わせて、そこまで危険性のあるものではないという判断だと僕は予想します。

 

もう一つ違う話になりますが、お母さんには輸血をしながら乳がんの手術をするという話です。

僕が勘違いしていたことなのですが、これは肝臓とも膀胱炎の可能性があることとも関係がありませんでした。

手術前の検査の結果、お母さんには血が固まりにくいという結果が出ていたようなのです。血小板が少ないそうです。

これもお母さんには以前からあったことらしいです。

これについても、大丈夫なのか心配なところです。

 

お母さんの年齢はこのブログでは伏せておこうかと思っていたのですが、大体70前後くらいとだけ書いておきます。

最近はこのくらいの年齢で乳がんの手術をする人は珍しくはないのでしょうが、一昔前ならば、あまり手術はしない年齢だったのかもしれません。

日本乳癌学会のガイドラインにも「高齢者の乳がんの手術を勧める」という記述があります。

わざわざ「高齢者にも乳癌の手術を勧める」という記述があるということは、高齢者には乳がんの手術をしないという考え方が過去には存在したということです。

乳がん自体のリスクは年齢が上がると低下しますが(例外はあります)、手術をすることのリスクは年齢が上がれば必ず高まります。

医師がお母さんに温存手術を勧めてきたことも、多分こういった背景からです。

 

僕はこのブログで、「乳がんの手術自体はまったく危険なものではない。手術後の病理検査の結果を見て、術後の全身治療をどうするかが重要だ。」と何度も書いてきました。

高齢者の乳がんの場合は、このことはあまり当てはまらないようです。

 

 

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