彼女のお母さんの乳がんの手術日はもうすぐです。

手術前の準備の一環として、お母さんの手術を行うことになった先生が、お母さんのかかりつけの肝臓を診てもらっている医師と電話で話してくれたそうです。

お母さんは慢性的に肝臓が良くない状態です。

話をした結果、かなり微妙な状態だと思われたらしいです。もう一度話して、手術ができるのかどうかを決めるようです。

僕はお母さんの肝臓の状態をあまり立ち入って聞いていないのですが、どうも肝硬変になりつつある状態のようです。

そのような状態の乳がんの患者を手術する経験が豊富にある医師などは、あまりいないでしょう。

お母さんが骨折してしまったことと合わせて、乳がんの状態以外で心配しなければならないことがとても多い状態です。

 

話が少し変わりますが、お母さんは乳がんの温存手術をすることに決まったあとで、がんだと確定したしこりとは別の場所に、新たなしこりらしき影がMRIで発見されました。

そのしこりの細胞診をしようとしてエコーで場所を探したところ、なんとしこりらしきものは一切発見されませんでした。

ここまでのことは、前々回のブログで報告させてもらっています。

その後に、このしこりらしきものがあったところを、医師がもう一度エコーで見てくれました。

やはりエコーでは何も確認できないらしいです。

MRIでは脂肪の塊なども白く映ってしまうことがあるらしく、そういったものではないかという医師の話らしいです。

 

MRI検査はとても大変なもので、気軽に何度も繰り返すわけにはいきません。また、MRIは精度の高い検査であり、乳がんの診断が出て手術が決まってから、そのがんの腫瘍の広がりを正確に測定するための検査です。

「エコーの検査では見逃されてしまうような小さいしこりまでMRIでは発見できる」と考えると、今回のお母さんの出来事は不安になります。

ただ、エコーで白く映った場所は、当たり前ですが確定しています。

そこに向けて集中的に医師がエコーをあててみても、一切何も見えないレベルということは、たとえそこにしこりがあったとしても、少なくとも、とても小さいしこりであることは間違いないです。

非常に小さい悪性か良性かが不明のしこりは、彼女の乳がんの手術前の検査でもたくさん見つかりました。

彼女が手術をした病院は、(失礼な言い方をすれば、とても用心深い病院なのですが)その全てに対しては細胞診をやりませんでした。

乳がんだと確定しているしこりと関係のありそうな場所にある小さいしこりに対してだけ、細胞診をやりました。

これと同じような原理で、お母さんの主治医は、正体不明のしこりをこれ以上追跡しないことを決めたのではないでしょうか。

場所や大きさによってしこりの危険度が変わります。

エコーで何度見ても何も見えないということは、仮に存在したとしても、MRIでの評価よりもはるかに小さいしこりであり、それならばしこりの場所とも合わせて、そこまで危険性のあるものではないという判断だと僕は予想します。

 

もう一つ違う話になりますが、お母さんには輸血をしながら乳がんの手術をするという話です。

僕が勘違いしていたことなのですが、これは肝臓とも膀胱炎の可能性があることとも関係がありませんでした。

手術前の検査の結果、お母さんには血が固まりにくいという結果が出ていたようなのです。血小板が少ないそうです。

これもお母さんには以前からあったことらしいです。

これについても、大丈夫なのか心配なところです。

 

お母さんの年齢はこのブログでは伏せておこうかと思っていたのですが、大体70前後くらいとだけ書いておきます。

最近はこのくらいの年齢で乳がんの手術をする人は珍しくはないのでしょうが、一昔前ならば、あまり手術はしない年齢だったのかもしれません。

日本乳癌学会のガイドラインにも「高齢者の乳がんの手術を勧める」という記述があります。

わざわざ「高齢者にも乳癌の手術を勧める」という記述があるということは、高齢者には乳がんの手術をしないという考え方が過去には存在したということです。

乳がん自体のリスクは年齢が上がると低下しますが(例外はあります)、手術をすることのリスクは年齢が上がれば必ず高まります。

医師がお母さんに温存手術を勧めてきたことも、多分こういった背景からです。

 

僕はこのブログで、「乳がんの手術自体はまったく危険なものではない。手術後の病理検査の結果を見て、術後の全身治療をどうするかが重要だ。」と何度も書いてきました。

高齢者の乳がんの場合は、このことはあまり当てはまらないようです。

 

 

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