彼女のお母さんの手術が無事に終わりました。

このブログを読んで下さっている方々には、大変ご心配をおかけしました。

今のところ、乳がんに対すること以外での(骨折、持病の肝臓への負担、血小板が少ないこと、膀胱炎の可能性での)問題は起きていません。

ただ、手術後に39度近くの熱が出たらしいです。

手術をした後に体温が上がることは普通のことですが、39度近くというのは少し高すぎる気がします。

解熱剤のようなものを使ったのかは、まだ聞けていません。

しかし、大きな問題がなく手術を終えられたことに、ひとまずは心から安心しました。

 

ですが、お母さんのこれからの健康状態について、問題はいくつも残っています。

骨折してしまっているので、術後に積極的運動することはできません。

また、手術前後の肝臓への負担によって、すぐにではなく、これから徐々に何か起こるかもしれません。

そして何より、術後の病理検査の結果こそが、乳がんの治療において一番重要です。

お母さんに肝臓の持病があることを考えると、抗がん剤や(下手をすると)ホルモン療法は受けられない可能性も残ります。

術後の治療を考えると、少しでも病理検査結果が良いことを願うばかりです。

 

彼女に、自分の乳がんの手術と比べて、お母さんの手術はどうだったかを聞いてみました。

彼女の印象は、「病院によって、雰囲気や治療の方針が随分違うものだ」ということでした。

お母さんは術前の各種の検査では、脇のリンパ節にはしこりは見つかっていませんでした。

ですが、(当然かもしれませんが)術中のセンチネルリンパ節生検を受けました。

その結果、リンパ節への転移はありませんでした。

とても喜ばしい結果なのですが、彼女がお母さんの脇の辺りを何度見ても、生検をしたようなキズがなかったのです。

彼女は、最悪「やり忘れたのでは?」と、少しあり得ない心配をしてしまったようです。

「お母さんの乳がんのしこりは脇に近く、さらにセンチネルリンパ節が乳がんのしこりに近かったので、しこりを取り出す時に、その切り口から同時に生検もした。」という話らしいです。

この話を彼女から聞いたのは、この文章を書いている直前です。そして、この話を彼女は主治医からではなく、お母さん本人から聞いたらしいです。

なので、もしかするとお母さんの勘違いかもしれません。

ですが、どうやら、センチネルリンパ節生検のための傷がないことは事実のようです。

 

また、お母さんはドレーンを一切入れなかったようです。

この病院では、乳がんの温存手術では基本的にドレーンは使わないとのことらしいです。

これは彼女が主治医から聞いた話です。

ドレーンを使わないので、手術した部分に体液がたまってきて、腫れて痛かったそうです。

この文章を書いているのは日曜日なのですが、日曜日は医師が来ないので、注射を使った体液の排出をしてもらえないそうです。

彼女が手術をした病院は、良くも悪くも本当に用心深い治療をする病院だったので、このようなお母さんに対する処置にはならないでしょう。

 

今までのお母さんの検査に関する話や、今回の彼女の話を聞く限り、お母さんが手術をしてもらった病院には、治療を最低限におさえる=不必要な治療はしない、という方針を感じます。

彼女もこのことには同意していました。

彼女が手術を受けた病院と、彼女のお母さんが今回手術を受けた病院は、両方ともその地区のがん拠点病院であり、公共の病院として担う立場はとても近いもののはずです。

ですが、病院としての方針が見事に違ったものになっていました。

彼女が乳がんの手術を受けた病院で、彼女は考え得る全ての治療法をフルコースで勧められました。

 

「治療は最低限にしよう」という考え方は、現在の医療では珍しくありません。

僕はこの考え方を支持しますが、しかし、こういったことは一概に言えることではありません。

特に癌のような治療と結果が確率でしか結びつかないような病気では、治療をどのくらいするかは簡単に決められることではありません。

患者と医師が話し合って、最終的には患者本人の意思で決めることです。

なので、彼女が手術を受けた病院と、今回彼女のお母さんが手術を受けた病院のどちらが良い病院なのか、という結論は出ません。

ただ、少なくとも、彼女にとっては今回お母さんが手術を受けた病院の方が合っていたと言えるでしょう。彼女は手術以外は基本的に無治療を望んでいました。

逆に、わずかにでも再発率を下げられる治療法は全て希望する患者ならば、今回お母さんが手術を受けたような病院の治療方針には耐えがたいものがあるかもしれません。

 

 

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