前回のブログを書いている最中に、テーマに関連して大病院の特徴について考えていました。
前回のブログで僕が言いたかったことは、積極的に治療することも、積極的に治療を最低限度におさえようとすることも、どちらも乳がん治療の選択肢として間違っていない、ということです。
僕と彼女は、治療を最低限度にする選択を取ろうとしています。だからと言って、積極的に効果の出る可能性のある治療を多くやっていくことを批判するつもりはありません。
(「過剰治療」などという言葉を使ってしまうと、すでに批判しているようなものなのですが・・・。しかし、患者がしっかりと理解した上で自ら望んで多く治療を受ける意味と、医者の勧めるがままに多くの治療を受けさせられてしまうのとでは、まったく違うと思います。僕は後者の危険性について「過剰治療」と言っているつもりです。)
やはり、どうしても大病院やがん専門病院では過剰治療に陥ってしまう可能性があるような気がしてなりません。
以前のこのブログで大病院のデメリットとして、大病院やがん専門病院では、治療が過剰気味になる可能性があるということを書きました。
そして、大病院では規模の小さい病院より治療が過剰になり、それはデメリットである!と主張してみたものの、よくよく考えると、それはそのまま大病院のメリットでもあるような気もしてきました。
そもそも僕は、患者の意思によって治療が平均的なものに比べて多くなることも少なくなることも、どちらも間違ってはいないと思っています。
ならば、積極的に治療を多目にしようと思っている患者にとっては、(仮に僕が言っていることが正しかったとして)大病院では積極的に治療を多くしてくれる傾向があるのであれば、それは願ったりかなったりです。
僕がこのブログで「大病院では過剰治療を押し付けてくる!」というように批判的になってしまったのは、そのままの意味で「押し付けてきた」からであって、勧められる治療事自体が多めか少な目かは問題ではなかったのです。
どうも見誤っていたようです。押し付けてきたのは、その医師個人の問題であって、大病院であることは関係ないと思った方がよいですね。そう思いたいです。
ただ、大病院では、一人の医師の失敗が病院全体の失敗に取られてしまう可能性があるので、医師各々が防衛的になってしまう可能性は高いかもしれません。
この場合は、失敗が少ない無難な治療法を押し付け気味になってしまいます。治療せずに、そのせいで「乳がんが進行してしまった」と患者に言われるよりは、多少多めの治療をして、治ればよし、治らなければ「最善はつくしました」と言う方が医師にも病院にも責任は発生しません。
そして、彼女は主治医に抗がん剤を結果として勧められたのに、その主治医は途中で一言も「抗がん剤を勧めます」とか「やった方がいい」などということは言わなかったです。
この不自然な現象は、「ルミナールAの乳がん患者に対してあの病院は抗がん剤治療を勧めたぞ!」などという過剰治療の噂を立てて欲しくないという事情と、なるべく多めに治療をしておいて、もし転移再発した時に「ここまでやってもらったのだから、再発はしたがあの医師と病院は悪くない」としてもらいたい事情がせめぎ合った結果だと思われます。そのくらい不自然な抗がん剤の勧め方でした。
この傾向を分かりやすく言うと、大病院ほど大人の事情が発生してしまう可能性が高い、ということです。
医師同士の関係性は、患者の健康には関係のないところで治療方針に影響を与えているはずです。その影響量は大病院の方が確実に多い。悪い意味で、医者同士が気の使い合いをしてしまう・・・
そして、大病院の方が、患者数が多くいろいろな症例があり、患者に訴えられる可能性は高い。それもあってどんどん防衛的になる。これも患者の健康とは関係のないことです。
こ、この当たりで止めときましょう・・・
気付けばまた大病院の悪いところばかりを書いていました・・・
訂正して、まとめます。
大病院のデメリットは治療が過剰になること、というのを訂正します。
なぜならば、治療が過剰かどうかは患者が判断すればいいことでした。当たり前ですが、患者は自分の治療が多すぎると思ったのならば断ればいいだけです。
多めの治療を望んでいる患者にとっては、それはむしろメリットです。
僕が大病院のデメリットだと思ったのは、治療が過剰になること自体ではなく、過剰気味の治療を無理矢理患者に押し付けてくる可能性があること、でした。
よくよく考えると当たり前ですよね。
大病院やがん専門病院、大学病院などは権威的です。そして、先進的でもあるはずです。その上、治療意欲の高い患者が集まってくる。
そのような環境なら、相対的に治療方針について患者の希望が通りにくくなる可能性も高まるはずなのですから。
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