前回のブログ(乳がんの放射線治療は遅れるとまずいのか)で、僕は彼女のお母さんの放射線治療が延期できるのではないかと考えました。

延期する理由は、現在お母さんが足を骨折していて、放射線治療のために頻繁に通院することが難しいかもしれないからです。

延期してもいいのではなかと思った理由は、いろいろ調べたところによると、どうやら乳がんの温存手術後の放射線治療は、術後5か月~半年くらいに行えば、効果が落ちないようだからです。

ただ、問題は他にもありました。

お母さんが手術で取り除いた腫瘍があった部分以外に、少し怪しい場所があり、その部分の経過観察も含めた通院予定になっていたからです。

僕は直接は聞いていないので、どういったニュアンスなのかは正確には分からないのですが、お母さんの主治医は「放射線治療が終わってから、1回目の術後の経過観察をしたい」と言ったらしいです。

 

僕の彼女の乳がんの治療の時は、彼女の主治医と術後の再発予防の治療について、かなりもめました。なかなか術後の治療方針が決まりませんでした。

それによって、彼女の術後の経過観察は、一般的な温存手術後の経過観察通りになっていません。

なので、お母さんの術後の定期検査と、彼女の術後の定期検査を比べるわけにはいきませんが、彼女が手術をした病院の規定の温存手術後の第一回目の定期検査は6ヶ月後でした。

これに比べると、お母さんが指定された「放射線治療が終わってから、1回目の術後の経過観察をする」というのは、明らかに早いです。

つまり、ただ単純に「放射線は半年以内にかければ大丈夫」という理由だけで、放射線治療を延期できない理由があるのかもしれません。

 

また、実際にどういう日程になっているのかを彼女に聞いてみたところ、10月の頭に、お母さんが、まず放射線治療のみを行う予定の病院に1回行ってみることになっているらしいです。

(お母さんが手術をしてもらったがんセンターは家からかなり遠いので、放射線治療はより近い病院で受けさせてもらうことが決まっています。近いと言っても、がんセンターまでの半分程度の通院時間で、30分くらいらしいです。)

実際に一回行くことにより通院の労力を測ってみて、平日5回×5週間の放射線治療をやり切れるかどうかを決めることを、主治医がお母さんにすすめたらしいです。

もちろん、その時に、そちらの病院の先生にも話を聞くことになっています。

これはギプスの状態で通院することが前提の話です。

もちろん、これがお母さんに可能であれば問題ありません。ですが、実際問題どうなんでしょうか・・・

 

彼女のお父さんは健在で、車の運転もされる方です。

お父さんがお母さんの通院を車で手伝ってあげることが理想なのですが、それも難しいです。

お父さんは70歳を越えても現役で仕事をなさっていて、しかも第一線で活躍されています。

お父さんがされている仕事は、お父さんがいないと完全に回らなくなってしまう仕事です。

なので、週に1~2回程度ならば、何とか車で送ってあげることはできるでしょうが、平日毎日を5週間にわたりお母さんの通院に付き合うのは無理です。

 

このブログにも一度書かせてもらいましたが(「彼女のお母さんが無事退院できました」)、お母さんが骨折を診てもらっている整形外科は、地元で評判の良い医院です。

いくら、お母さんが高齢で骨折の治りが遅れていると言っても、良い医者ならば、治るまでの期間のある程度の予想を立てられることでしょう。

ギプスを外せる時期から、松葉杖などの補助なしで歩けるようになる時期までの期間も予想してもらう必要があります。

お母さんの骨折が治って普通に歩けるようになるまでの予想を整形外科医から聞いた後に、放射線治療を行う病院に実際に一度車椅子で行ってみて、その労力を測った上で、がんセンターの主治医に放射線治療を計画通りに行うか、延期するかを考えてもらう必要があります。

 

 

最後までお読み頂きありがとうございます
よろしければ応援クリックお願い致します




にほんブログ村

彼女のお母さんは、乳がんの手術をする直前に足を骨折をしてしまい、手術が終わった現在でも、まだギプスをしています。ギプスをしたままでの乳がんの手術は、かなり苦労されたようです。

そして、「彼女のお母さんが無事退院できました」の回のブログで書いたのですが、お母さんは高齢なこともあって、骨折の治りが少し遅れているようです。

温存手術後の放射線治療を開始する予定の日までには、骨折は完治しないようです。

ただでさえ、高齢の方には、放射線治療のために平日5日間を5週間も病院に通うのは大変な苦労です。

その上、お母さんはギプスをしている状態なので、通院の労力は倍増するかもしれません。

松葉杖は高齢なお母さんには危険だという理由と、乳がんの手術直後に胸の辺りに松葉杖をあてるのは良くないという理由で、使っていません。

基本的に車いすで移動しているらしいです。

 

こういう話を彼女から聞いているのですが、考えてみると、放射線治療を少し後回しにするという選択肢もあるのかもしれないです。

彼女の乳がんの治療を考えていた時に、術後の放射線治療はどのくらいまでに行えば平気なのかを調べたことがありました。

このブログのコメントでアドバイスをもらったこともあります。

僕の記憶が確かならば、術後おおよそ5か月~半年後くらいまでに放射線治療を行えば、効果は下がらないはずです。

もう一度調べ直してみました。

 

まず、いつもお世話になっている、某ネット上で乳がん患者の質問に答えている先生の発言に、「5か月以内に開始で十分」というものがありました。

そして、詳しく調べていくと、日本乳癌学会のガイドラインに術後の放射線を受ける期限についての記述がありました。

放射線療法は術後早期に開始することが勧められ,特に術後20週を超えないことが勧められる。

という内容の記述で、推奨グレードはBです。(推奨グレードBならば、ほとんどの医師が支持するレベルの内容です。)

また、このブログのコメントでアドバイスを下さった方の内容は「部分切除なら手術から半年以内に放射線をしたほうがいい」と、その方の医師が言っていたとのことです。

これらのことから、術後、大体5か月~半年くらいまでの間に、放射線治療を始めれば問題ないようです。

また、逆に術後20週を越えると、放射線治療の効果が下がってしまうという内容の記述もありました。

 

そういったわけで、僕は、お母さんは骨折が完治してから、放射線治療を開始した方がいいと思います。

ただ、お母さんの乳がんの手術には、手術直前に手術した場所とは別の個所に、MRIによってしこりらしき影が映っていたという、嫌な経緯があります。

その影については、結局何も対処をできていない状態です。MRIでは映るのに、エコーでは何度検査しても映りませんでした。(「MRIの再読影でもう一つしこりが見つかる」)

こういったこともあって、もし術後の放射線治療を延期してもらうことを希望しても、お母さんの主治医の判断は、ただ単に「術後5か月~半年までなら遅らせても大丈夫」とはならないかもしれません。

お母さんの主治医は、そのしっかりと確認できなかったしこりらしき影と、術後の局所再発に関する検査を、両方同時に「経過観察」として行っていくと説明していました。

 

まあ、お母さんの主治医がどういった考えだったとしても、取りあえず放射線治療を遅らせるという選択が可能かどうかを相談してみるべきだと思います。

お母さんの主治医は熱心な人で、お母さん本人とでは少し話がはっきりとしない部分を、娘の彼女に電話で聞いてくれます。

彼女の方も、重要なことは直接お母さんの主治医に電話で報告しています。また、先生が忙しい時には、代わりに乳腺科の看護師が電話で彼女の話を聞いて、後で先生に伝えて置いてくれることもあります。

このような状況なので、近々彼女からお母さんの主治医の先生に電話をしてもらい、お母さんの放射線治療を延期することが可能なのかどうかを聞いてもらうと思っています。

 

 

最後までお読み頂きありがとうございます
よろしければ応援クリックお願い致します




にほんブログ村

前回のブログは、少し冷静さを失って書いてしまいました。

彼女の主治医の言いようがあまりに酷かったと思い出しながら書いてしまいました。

しかし、医者を批判しても何も生まれません。取りあえず、冷静に温存手術後の放射線照射のメリットとデメリットを考えてみます。

(取りあえず、頭を冷やすために今回は冷静に治療に関する内容だけを書こうと思いますが、あの医者についてはまた書くつもりです・・・)

 

温存手術後の放射線治療のメリットは、乳がんの局所再発率を下げることです。約三分の一に下げることができます。このことは強いエビデンスがあるので確定していることと考えられます。

はっきり言って、放射線治療のメリットはこれだけです。当たり前です。唯一にして最大のものです。いくら局所再発が余命(命の危険)とは関係ないと言っても、乳房にがんが何度もできることは耐えがたいはずです。なので、局所再発率を約三分の一にまで下げることができる術後の放射線治療は基本的に受けるべきです。

ではなぜ彼女と僕は術後の放射線治療を受けない選択肢も考えているのか?

それは、彼女の乳がんの温存手術が断端陰性になり、何もしなくても局所再発率が低いからです。(「断端」とは温存手術時に腫瘍を含めて乳房から取り出したものの周りのことです。これが陰性だというのは、取り出したものの周りにがん細胞がなかった=がん細胞を取り切れた可能性が高い、ということです。)

予想される局所再発率は、彼女の場合は9%です。そう主治医が言いました。

放射線治療で得られるメリットは局所再発率の低下です。局所再発率は患者の手術時にがん細胞の取り切れたかどうかで決まってきます。

つまり、放射線治療をすることで得られる価値は、患者の手術後のそれぞれの状態によって大きく違うのです。

温存手術では腫瘍径の大きさや乳房内でのがん細胞の広がり具合により、場合によってはがん細胞を取り残してしまう可能性があります。断端によって、取り残しは評価されます。

それらの材料から、術後の局所再発率が高いと予想される場合は、放射線治療を受ける価値が高くなります。

逆に、あまりいい言い方ではないのかもしれませんが、彼女のように手術の断端が陰性の場合は、放射線治療を受ける価値が相対的に低くなります。

そして、どのちらの場合でも、副作用は一定なのです。

 

乳がんに限らず、どんな病気であろうと、医療行為はメリットとデメリットをよく考えて受けるべきです。

特に乳がんの場合は、これから病状がどうなるかが何一つ確定していることはないのです。全ての乳がんに対する医療行為は現在までの臨床データからくる確率的な予想でしかないわけですから、なおさらメリットとデメリットのバランスで治療を選択すべきです。

過度の恐怖や過度の楽観で治療方針を決めるべきではないのです。

 

そもそも、前回のブログでも書きましたが、局所再発の可能性が低い場合に放射線治療を省略するという方針は、今彼女がかかっている病院の方なのです。僕が考え出したことではないです。

そして僕はこれをメリットとデメリットのバランスが取れていることだと思います。

それなのにその病院の医師が、ステージⅠでリンパ節転移なし、手術の断端陰性だった彼女に対して「放射線をかけないと、局所再発してリンパ節転移して全摘するかもしれないぞ!」と脅しをかけてきやがったのです!

・・・

す、すみません。今回は冷静に書こうと決めたのでした・・・

き、気を取り直して。

とにかく、同じ放射線治療でも、人によって期待できる効果が大きく違います。そして、副作用は全ての人で一定です。

術後の局所再発予防の副作用はそこまで大きいものではないですが、ないわけでもないです。

日本乳癌学会のガイドラインに放射線治療の副作用について載っています。(ここにリンクを貼ろうとしたのですが、転載禁止となっていました・・・興味のある人は検索してみて下さい。Q33です。ただし温存手術限定の話ではないです。)

 

それと、温存手術後に局所再発予防の放射線治療をした場合は、実際に局所再発してしまった場合に、二度目の手術は全摘の選択肢しかないです。

一度目の手術で放射線を照射しなかった場合は、二度目の温存手術を受けられる可能性が残ります。二度目の温存手術で放射線をかける選択肢も残ります。一度目に放射線をかけた場合は、二度放射線をかけることはできません。

これらは局所再発自体と天秤にかけるほど大きな事実ではありません。ですが、患者が放射線治療を受けなかった場合のメリットの一つにはなり得ます。

 

そして、患者が放射線治療を受けるコストは大きいです。医療費も大きいでしょうが、彼女の場合は病院に通うことが大変だと言っています。

週5回で5週間、25回病院に通うことになります。今の病院で放射線治療を受けるならば、彼女は仕事を一時休まなければならなくなります。

彼女の場合は放射線治療を受けようとするならば、夜間に放射線治療だけをやってもらえる病院を他に探すことが現実的だと思います。

 

以上のことをすべて考慮して、術後の放射線治療は受けるか受けないかを決めるべきです。

今一度、彼女の全ての条件を復習してから、受けるかどうかを話し合ってみます。

 

 

最後までお読み頂きありがとうございます
よろしければ応援クリックお願い致します




にほんブログ村

PAGE TOP