彼女のお母さんの診察に付き合うことになりました。お母さんの次の診察は来週です。

彼女と二人で行きます。彼女の実家は少し遠く隣の地方になりますが、何とか日帰りで行って来ようと思っています。

 

前回までのブログに書かせてもらったように、僕は彼女のお母さんの乳がんの状態について、いろいろ確認したいことがありました。

お母さんと電話で話した時には、こちらから多く質問をするようなことはしませんでした。

全体としてはお母さんが自ら話すことを聞く感じにしておいて、一つ二つだけ重要だと思われることを聞きました。

手術の術式についても、針生検の有無についても、すでに決まっていることなのかどうかはっきりしない感じでした。

なので、とにかく僕か彼女かが主治医に話を聞くことが必要だと思っていました。

お年寄りが医師の説明をあまり理解できない時に、家族がしっかり聞いてあげるようなことは、乳がんに限らずよくある話だと思います。

(今回のことは、僕が家族ではないので話が少しややこしくなりました。もちろん僕が行かなかったとしても、彼女は一人で帰省してお母さんの診察に付き添います。その場合は僕が彼女に何を正確に確認すべきかを予め伝えておくつもりでした。ただ、彼女の乳がんの治療の際は僕が基本的に付き合っていたので、彼女は医師の話を聞くことを、ある程度僕に任せていた感があります。これは良くないことで、反省すべきですね。そういった経緯で、彼女は僕にも医師からのお母さんの乳がんの説明を聞いて欲しかったようです。また、このブログにも再三書かせてもらいましたが、彼女は乳がんの治療で主治医と信頼関係を築くことができませんでした。そういった理由でも、彼女はお母さんの乳がんの話を主治医とする時に、僕にもいて欲しかったのかもしれません。)

 

僕が行くことに関しては、話が順調に進みました。

ですが、少し事情が変わりました・・・

彼女が何度も電話をして、お母さんから少しずつ話を聞いていたのですが、最近になって非常に重要なことが一つ分かりました。

お母さんの乳がんのしこりは二つあり、一つは1.5cmくらいで、もう一つは小さいと聞いていたのですが、その小さい方のしこりも1cmくらいはあるらしいのです。

僕は「小さい」と聞いていたので0.5cmくらいだと想定してしまっていました。1cmのしこりは「小さい」とは言わない、と思っていました。

お母さんは「99%乳がんだろう」と、視触診とエコー、マンモの画像の検査の段階で言われていました。

なので、針生検をせずとも、細胞診で乳がんの確定診断となったのだろうと予想をしています。

細胞診だけでは1%以上の確率で擬陽性の判定が出てしまう可能性があるのですが、画像での診断の確度が高いことからの最終的な診断なのだと思います。

ですが、それは1.5cmの方のしこりの話です。

「小さい方のしこり」まで細胞診で確定の診断としてしまってよいのか疑問があったのです。

「小さい」ということは、画像からそのしこりが乳がんの特徴を備えているかは分かりにくいはずです。それに、そもそも小さい良性の腫瘍などはいくらでもあるはずで、しこりが小さければ小さいほど、一般的に良性の可能性が相対的に上がるはずです。

ですが、1cmとなると、そういったことはあまりないのかもしれません。

 

「乳がんの可能性が非常に高い1.5cmのしこりと、もう一つ小さいしこりがある」

という説明の言葉だけで、僕が勝手にいろいろお母さんにとって都合のいい方向に推測してしまっていました。

電話で話した時に、僕の勝手な推測をお母さんに語らなくてよかったです。

 

残念ですが、こうなると僕の役目はあまり多くないです。

このことも、前回までのブログで再三書かせてもらいましたが、僕はまず治療法の選択肢を全て確認して、それをお母さんに分かりやすく説明することが重要だと思っていました。

ですが、小さい方のしこりも1cmだとすると、温存手術の選択肢はないと思われます。

ごくわずかにですが、お母さんは手術をまったくしない選択肢を考えるかもしれませんが、その場合を除いて、お母さんが治療で悩む場面はあまり来ないと思います。

お母さんは美容に対する意識が高いので、全摘+再建を選択すると思います。多分全摘のみと迷うことはないでしょう。

 

術後の再発予防の全身治療に関しても、多分お母さんはあまり悩まないと思います。

やりたくない治療はやらないとすっぱり決める人です。おそらく抗がん剤治療は拒否するでしょう。

そして、今のお母さんの乳がんの状態からすると、例え抗がん剤が適用される乳がんのサブタイプであったとしても、医師も無理に勧めることはしないはずです。

 

なので、今回僕は医師の説明を覚える役目になります。

彼女と主治医のやり取りのような、何と言うか、酷いことにはならないでしょう。

お母さんがお世話になる病院も彼女が手術をしてもらったようないわゆるがん拠点病院です。その全体の雰囲気や、医師や看護師、技師の対応はどのようなものなのか、よく見て来ようと思います。

やはり、患者が多くとても忙しい感じなのでしょうか。

 

 

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前回のブログ「温存か全摘+再建か」で、僕は客観的に、彼女のお母さんに対して僕がしてあげられることを書いたつもりでした。

ですが、どうも僕の文章が至らないせいか、「全摘手術よりも温存手術の方が優れている」というように読める文章になってしまったようです。

申し訳ありません。そんなつもりはないです。

いくつか話が混ざってしまいました。

少し整理してみます。

 

まず、乳がんの具体的な治療法の話以前に、お母さんが医師の説明をあまり理解できていないかもしれないことがあります。

お母さんの乳がんの診断以降、僕もお母さんと電話で話をしましたし(その時はあまり突っ込んだことを聞くことは控えたつもりです)、彼女も何度もお母さんと電話で話をしています。

どうやら、お母さんが分かっていないことは少なくないようです。

乳がんの治療では、患者は医師と信頼関係を築けないと、非常に苦しい状態になります。彼女はそれでとても苦労しました。

医師の話を患者が理解して、患者が知りたいことを医師が答えることは、信頼関係を築く上で一番の基本的なことになるはずです。

まずは、お母さんの次回の診察に付き合って、お母さんの乳がんの状態を正確に把握し、お母さん本人に分かりやすく噛み砕いて説明してあげる必要があると思います。

その役割が僕になるのか、娘である彼女になるのか、その他の人間になるのかは分かりませんが、誰かがそうする必要があると思います。

 

まず、しっかりと医師の話を確認して、それをお母さんの分かるように説明するべきです。そうしないと、本来は、お母さん本人の乳がんの手術に対する希望も決まらないはずです。

温存手術をするにしても、全摘手術をして再建をするにしても、乳がんの状態やその他の条件によって、それぞれの手術に対する適正が変わってくるはずです。

お母さんの場合は、そもそも温存手術が適応(可能)な状態なのかが、話を聞く限りでははっきりしないのです。

(おそらく、医師もその辺りのことをはっきりと言っていないのではないでしょうか。彼女の乳がんの手術の時にも経験しましたが、悪い結果が出た時に医師は責任を取らなくていいように説明をする傾向があります。温存手術自体は患者が希望すればやってくれることでしょう。ですが、そこでがん細胞を取り残す可能性については保証できない、という話なのではないでしょうか。つまり、「温存手術可能」とは言わずに「希望すれば温存手術もする」という説明をしたと推測します。)

乳がんの状態がはっきりせず、どんな選択肢があるのかも分からないまま、手術に及んでしまうなどあり得ないことです。

 

まず、医師の話をしっかり理解し、整理して、お母さんが分かるように説明する。

そしてその次に、お母さんの希望を聞くべきです。お母さんが理解していない状態の希望を聞いても、意味がないです。意味がないというか、それは非常に危険です。

間違った情報から来る思い込みで、自分の考えを固めてしまう可能性があります。

温存か全摘+再建か、どちらの術式をお母さんが希望するにしても、それぞれのデメリットの説明がなされるべきです。

 

ここまでのことは、非常に当たり前のことだと思います。

医師の話を説明する人が他にいなければ僕がやります。もしくは、彼女と一緒にやります。お母さんが望めば僕がやりますし、お母さんが望まなければ僕はやりません。

そこはこだわりませんが、そういう説明がされないまま、お母さんが手術をしてしまうことはないようにしたいと思っています。

 

話が長くなってしまいましたが、ここまでは温存か全摘+再建かの話以前の問題でした。本題に入ります。

僕は乳がんの温存手術と全摘手術を比べて、どちらが優れているか、などは考えたことはありません。

というか、条件によってどちらが適しているかが決まると思っているので、条件を考えずに温存と全摘の話をしても意味がないと思っています。

(条件なしに温存か全摘かの話をするのならば、逆にそれは「条件の話」になります。)

温存手術、全摘手術、全摘+再建手術、の3つの選択肢の話です。

それらのどの術式が、患者がどういう場合に最適なのか?という話になるのではないでしょうか。再建をしない全摘手術が最適な場合も多いはずです。

この場合の「条件」は患者本人の希望も大きいです。まったく同じ乳がんの状態でも、患者の希望によっては違う術式が選ばれてしかるべきです。

 

僕は彼女のお母さんの「条件」を考えた場合に、もし可能であるならば、全摘+再建手術よりも、温存手術の方が適しているのではないかと思っています。

一般的な話で、温存手術と全摘+再建を比べているわけではないです。あくまで彼女のお母さんの条件です。

 

僕が彼女のお母さんの手術では温存が適していると考えた理由は

〇彼女の温存手術の経過を全て見ているお母さんが、同じ治療を望んでいたから
〇彼女のお母さんは彼女と体系がある程度似ています。彼女の話では乳房も大きく形も似ている。彼女の温存手術後の乳房の形はまずまず良いので、同じようにできる可能性があること
〇高齢者は温存手術の適応が高いこと

大きく分けると、この3つが理由です。

ですが、これらの条件は「今のところ」です。2つある乳がんのしこりの場所と離れ加減が最重要なはずです。

最初に発見した大きい方のしこりの場所は、話を聞く限りでは温存手術に適している場所だと思います。

もう一つのしこりが、最初のしこりとどれだけ離れていて乳頭にどれだけ近いかで、温存手術をした後の乳房の形が変わってきます。

 

彼女のお母さんは美容的なことをかなり意識しているようです。そういったことを第一の基準にするのならば、乳がんのしこりの状態によって答えは意外とはっきりと出るのかもしれません。

ただ、いずれにせよ、二つあるしこりの小さい方のしこりが鍵になってきます。

そちらの方のしこりも、細胞診だけで乳がんの確定診断となったのか、まずはそこをしっかりと確認することが必要です。

 

 

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彼女のお母さんと電話で話すことができました。

やはり、どうも細胞診のクラスなどは理解していないようでした。

とにかく医師に2か所とも乳がんだと言われたということでした。

彼女はとても気丈な人なのですが、彼女に言わせると彼女のお母さんはそこまで精神的に強い人ではないらしいのです。

僕と話している分には、そのような部分は感じませんでした。

ですが、実際のところ、どのくらいショックを受けているでしょうか。

僕には分かりかねるくらい、僕と普通に話してくれました。

 

前回のブログから、また少し調べてみました。

細胞診だけでは、なかなか確定診断には至らないことは間違っていないようでしたが、視触診や画像などと合わせてトータルで乳がんの疑いが非常に濃い場合は、組織診なしで医師が乳がんの診断を出す場合もあるようです。

電話でお母さんに針生検について聞いてみましたが、「太い針を刺すやつはどうだったかしら・・」という感じでした。

やらないとも、これからやるとも、分からない様子でした。

まあ、針生検と穿刺吸引細胞診の違いは分かりにくいですし、乳がんだと診断された直後に、医師の話を全て正確に覚えていられる方が普通ではないと思います。

他にも、乳がんのことや治療のことでお母さんが理解できていないことがあるかもしれません。

やはり一度僕が主治医から話を聞くためにお母さんの病院へ行ってみるべきですね。

 

2つしこりがあって、一つは1.5cmくらいあり、場所や画像からとても乳がんの可能性が高く、かつ細胞診でも(今のところ)クラスは不明ながら乳がんの可能性を示唆する結果になったわけです。

それならば、僕は今まで知りませんでしたが、針生検をせずとも乳がんだと診断されるのも特別珍しいことではないのかもしれません。

ただ、もう一つの小さい方のしこりも細胞診だけで乳がんだと診断されてしまうことが、僕には少し気になります。

両方ともクラス5なのでしょうか。

小さい方のしこりも確実に乳がんであるかを確認することが、温存手術をするか全摘手術をするかに影響が出てきます。(生存率には関係ないです。)

電話でお母さんと温存手術か全摘手術かの話も少しだけしましたが、彼女が言っていたように、お母さんはすでに全摘+再建の手術をするような感じで話していました。

お母さんは乳がんについて知らないこともまだ多いと思うので、温存手術と全摘手術のそれぞれのメリットとデメリット全て把握した上で全摘+再建を望んでいるのかどうか心配です。

電話でそれらを説明しようと思いましたが、止めておきました。それ以前にお母さんの乳がんの状態が温存手術の適応範囲なのかが、お母さんの話からはっきりしなかったからです。

小さい方のしこりも乳がんだったのであれば、もしかすると温存手術の適応ではないのかもしれません。医師からされた温存手術の話が、細胞診の結果の前なのか後なのかで変わるはずです。

もし温存手術の適応範囲ではないのならば、温存手術のメリットや全摘手術のデメリットをわざわざ言う必要はないと思います。

 

少し話が変わりますが、高齢者の乳がんについて情報を集めています。

以前のブログでも少しふれましたが、やはり高齢者の乳がんについて悪い話はあまりありませんね。

エストロゲン感受性がある場合が多く、その場合はアロマターゼ阻害薬やタモキシフェンやトレミフェンのような抗エストロゲン薬が効きます。

高齢者の乳がんは全体的に大人しい乳がんの可能性が高いらしいです。

ただ、乳管内進展が少ない場合が多く、体への負担の考慮からも温存手術が推奨される場合が多い、という情報が結構あるのですが、彼女のお母さんにはこれが当てはまらないことになってしまうのかも知れません。

このことは、お母さんがまだしこりを見つけたくらいの段階で、僕がお母さんに言ってしまっていました。

「もし乳がんだったとしても、〇〇さん(彼女)と同じように温存手術で治る可能性が高いですよ」と。

お母さんは上手く温存手術ができた彼女の乳房をよく見ているわけです。

もしかすると、お母さんはそうなることを期待して裏切られた気持ちになっているかもしれません。

申し訳ないことをしてしまいました。

 

 

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