前回のブログは、何が言いたいのかよく分からない内容になってしまいました。

僕自身がどうしたら良いのかを決め切れていない状態で書いていたので、内容もそのようになってしまったようです。

申し訳ありませんでした。

あれから色々と考えてみたのですが、やはり、僕としては彼女のお母さんの乳がんの状態について、情報を集めて行くことしかできないように思いました。

僕自身が、現状を詳しく知ることによって、安心できるタイプの人間だからです。

彼女はそういうタイプでもないのですが、彼女にもお母さんの乳がんについて詳しく知りたい気持ちはあります。

彼女はお母さんの乳がんについて、ある程度「覚悟しておきたい」と言っていました。

 

今のところ、僕が調べられた範囲では、お母さんの乳がんは悲観するようなレベルではありません。

ただ、乳がんのタイプがトリプルネガティブであるのに、一切抗がん剤が使えない状態であることは、少し苦しい状態です。

いつもお世話になっている、ネット上で乳がん患者の質問に答えていらっしゃる某先生のサイトを参考に見積もってみると、お母さんの予想される再発率は、20%~40%の間になると思います。

もう少し情報を集めていけば、数字の範囲は狭まると思います。

そして、これは間違いないことだと思いますが、トリプルネガティブの乳がんなので、再発するまでは早いです。

再発するなら、多くの場合は3年以内のようです。これは高齢者でも変わらないようです。

つまり、3年間転移再発なしで経過すれば、転移の心配はほぼなくなるようです。

これは、彼女のルミナールAタイプの乳がんとは、ほぼ正反対の特徴です。

彼女の乳がんはルミナールAタイプなので、5~8年後くらいに再発することが多いです。

そして、10年無再発で経過しても、まだそれ以降もわずかにですが、再発の危険は残ります。

 

こういった乳がんについての情報を、僕の口からお母さんに伝えるかどうかは、微妙なところです。

一応、僕は彼女の乳がんについて色々調べて、治療に対して助言もしていたので、お母さんからは、乳がんに詳しい人だと思ってもらっています。

そして、電話でならお母さんとお話する機会はよくあります。

なので、お母さんと電話でお話する時は、乳がんの話が出ないことは不自然です。

お母さんから、お母さんの乳がんの状態を僕がどう思うかを聞かれた場合に、どう答えればいいのか、本当に悩むところです。

 

僕は彼女の乳がんに対しては、全ての情報を数字で示して、彼女自身に治療法を選択してもらうことを求めました。

そうすべきだと思ったからしていたのですが、今考えると、これはある意味で僕には楽なことでした。

彼女のお母さんに対しては、予想される正確な再発率などを数字で示すべきではないように感じます。

僕はそこまで高い数字だとは思いませんが、数字をどうとらえるかは、人それぞれです。

僕が主観的に「大丈夫だ」と思っていたとしても、何の根拠も示さずに大丈夫だと言うのはおかしいと思いますし、その根拠となる数字をすべてお母さんに告げるのも、少しためらいます。

 

また、放射線治療に関しても、お母さんに僕がどう言うかは難しいです。

お母さんはホルモン療法や抗がん剤治療ができない代わりに、放射線治療はしっかりやる気になっているようです。

手術をしてもらった病院は、彼女の実家から車で1時間くらいかかる距離です。

そこに、放射線治療のために平日5日間を5週間通うのはとても大変なので、その病院よりは近い病院で放射線治療を受けられるように手配をしてもらったらしいです。

放射線治療をやる気になっているお母さんに対して「放射線治療は局所治療で、全身に対する治療ではないから、余命や再発率には関係ないですよ。」と、事実を告げることは苦しいです。

別に、そういったことをわざわざ言う必要はないのですが、お母さんの性格からすると「放射線治療をしっかりやったから、もう大丈夫ですよね?」と聞いてくる可能性は結構高いです。

その時に僕はなんと答えるべきなのか・・・

どう答えるべきかは、放射線治療を始める後と、終わった後では変えるべきなのか・・・

こういったことでほとんど悩む必要のなかった彼女の乳がんへの対し方は、今考えると凄まじいものだったと思い返されます。

彼女は乳がんの治療を放り出して、引っ越しを始めましたからね・・・

しかも、大家と不動産屋がムカつく、という理由で・・・

 

 

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彼女のお母さんの乳がんについて、彼女と少しずつ話し合っています。

彼女は自分のお母さんの乳がんについて、知り得ることはなるべく知りたいようです。

まあ、彼女の何事にも動じない性格からすると、それは当然のことかもしれません。

僕は、少しずつではありますが、高齢者の乳がんについてと、トリプルネガティブの乳がんについて、情報を集めようとしている状態です。

 

お母さんの乳がんについて、一つ分かったことがあります。

前回のブログで書いた「良くない結果」の、核グレードが3であることと、ki67が20%以上であるということは、どうやらあまり気にする必要がないことが分かりました。

この2つのことは、乳がんのタイプがトリプルネガティブならば、特に珍しいことではないらしいのです。

トリプルネガティブではki67が高いことが多いらしく、核グレードはki67が高ければ、それに引きずられて高くなる可能性があります。

なので、「トリプルネガティブの上にki67も核グレードも高い」とは考える必要がないようです。

 

多分、このことはトリプルネガティブの乳がんについてある程度調べたことがある人ならば、知っている可能性が高いことなんだと思います。

僕は彼女の乳がんについて色々調べていた時に、なるべく彼女の乳がんの状態以外のことも調べようとはしていたのですが、あまり頭に入っていなかったようです。

ただ、今は乳がんについてある程度の知識があるので、新しい乳がんについての情報を理解して覚えることは、以前よりも早いような気もします。

ですが、前回のブログでも書きましたが、お母さんの乳がんの治療には選択肢がほとんどありません。

僕が何を調べて、どんなに新しい知識をつけようとも、お母さんの治療の結果には全く影響がありません。

彼女はどうやらお母さんの病状のありのままを知りたいようなので、そのために、僕はトリプルネガティブの乳がんや高齢者の乳がんについて調べています。

と、そういうことにさせてもらうことにします。
そうでないと、知識欲が先行し、彼女のお母さんの心配よりも、トリプルネガティブや高齢者の乳がんについて調べることが目的になってしまいそうになります。

 

彼女の乳がんについて調べていた時は、夜は眠れず、手も震えました。

彼女のお母さんは、彼女ほど胆力があるわけではないので、あの時の僕と同じ思いをしているかもしれません。

今僕が調べるべきことは、乳がんの治療法の効果や再発率の数字などではないのかもしれません。

 

 

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彼女のお母さんの病理検査の結果が出ました。

まだ、正確な診断書やパソコン上のカルテを見せてもらったわけではないのですが、患者へ説明するための治療方針を書いた紙をメールで送ってもらい、それを見せてもらいました。

いくつか予想(というか願望)と違っている部分があり、その中で一番予想外だったことは、乳がんのタイプがトリプルネガティブだったことです。

事前に「高齢者の乳がんは女性ホルモン陽性のタイプが多い」という情報もありましたし、彼女がルミナール型の乳がんだったので、お母さんの乳がんもルミナール型の可能性が高いと、勝手に思い込んでいました。

 

病理検査の結果について、良い状態だったことと、難しい状態だったことに分けて書いてみます。

良かった部分は、病理検査の結果による正確な腫瘍の大きさが、二つの腫瘍のうちの大きい方の腫瘍で1.6cm×1cmだったことです。

これは事前の画像診断よりも、少し小さい値です。また、術中のセンチネルリンパ節生検によって、リンパ節転移に関しても無かったことが確認できました。

なので、ステージはⅠになります。

温存手術をしたので、切除断端も調べられますが、これは陰性でした。

これらのことが、今僕に分かっている、お母さんの乳がんの状態で良い情報です。

 

それに対して、病理検査の結果で分かった少し良くない部分もありました。

まず、エストロゲンレセプター(ER)が陰性で、かつHER2タンパクの発現も陰性だったので、乳がんのタイプはトリプルネガティブになります。

トリプルネガティブという用語は、乳がんの知識のある人ならば、それをとても大きな危険性だと認識してしまうかもしれません。

ですが、おそらく、トリプルネガティブという用語は、危険だという先入観が少し先走っていると、僕は思います。この辺りはこのブログでおいおい書かせてもらいます。

それと、もう二つ良くない結果が出ています。

がん細胞の核グレードが3でした。

それとki67が「20%以上」となっています。

この「20%以上」というのは、主治医にいずれ詳しく聞いてみます。

こちらの病院ではki67の閾値のような値(カットオフ値と呼ぶのでしょうか)を20%で分けているのでしょう。

ki67については、重要な指標であるにも関わらず、未だに病院間での扱い方が違うものです。

「20%以上」が、20%をちょっと超えただけのものなのか、大きく超えているのかで、評価を変える医療機関もあります。

そのどちらかなのかによって、ki67の値は心配要素になります。

 

また、何度かこのブログで書いていますが、彼女のお母さんは肝臓に持病があります。高齢なこともあり、抗がん剤治療は、本人も医師もやる予定はありませんでした。

これは、お母さんの乳がんのサブタイプがトリプルネガティブだと判明しても変わりませんでした。

なので、お母さんの乳がんに対する全身治療は無治療だということになります。

サブタイプがトリプルネガティブの乳がんの全身治療は、現在の標準治療では抗がん剤治療しかありません。

トリプルネガティブに対する新しい薬が発売されていることは聞いていますが、やはり高齢で肝臓の悪いお母さんに上手く効果があるかは微妙なところのはずです。

 

温存した乳房への放射線治療は医師が勧めていて、お母さんも受ける気になっているらしいです。

 

僕は、これからお母さんのような状態の乳がんについて、ある程度調べてみようかと思っています。

高齢者の乳がんの治療成績に関するデータはあまり多くありません。なので、知り得ることは少ないかもしれません。

一応調べてはみるつもりですが、知り得た情報をお母さんへ伝えることは、本人から聞いてこない限りは伝えることを控えようと思っています。

彼女には伝えようと思っています。

でも、どうなんでしょう。

お母さんの乳がんの状態から予想される転移再発率は、おそらく彼女の乳がんの状態から予想される転移再発率よりも高いです。

それをそのまま、娘である彼女へ伝えていいものなのか。

そもそも、僕自身がそれを詳しく調べてしまっていいものなのか。

 

彼女の乳がんの治療に関しては、僕は調べまくりましたし、治療方針について、彼女に口を出しまくりました。

それは選択肢がいくつもあったからです。

少しでも良い選択肢が取れるかもしれないと思ったゆえに、彼女に「もっと真面目に自分の治療のことを考えて」などと発破をかけたこともありました。

でも、今回の彼女のお母さんの乳がんの治療については、選択肢がないです。

トリプルネガティブの乳がんの全身治療は抗がん剤治療しかなく、お母さんの肝臓の状態だと、間違いなく抗がん剤治療は受けられないようです。

このような状態で、僕がお母さんの乳がんについてあれこれ調べることは、無意味どころか余計な精神的な苦痛をお母さんや彼女に与えてしまいかねないかもしれません。

まずは、その辺りのことを、彼女と話し合ってみようと思います。

 

 

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