彼女が乳がんの温存手術(=部分切除手術)をしてから、約3ヶ月が経ちました。

あらためて、彼女の胸をよく観察してみました。

い、いやらしい意味ではないですよ。本当ですからね?・・・

 

僕の率直な感想は、よく治っていると思います。

手術後は乳房の所々が腫れていました。今はそういう腫れもほぼ引いて、乳房の形は以前と同じような感じになっています。

ただ、よく見ると乳房が少し小さくなっています。

よく見ないと分からないレベルですが、よく見るとはっきりわかるレベルです。

手術前の医師の説明通りになっているんだと思います。

温存手術は、乳房の大きさや切除する腫瘍の大きさと位置で、術後の乳房の状態を予想します。乳房全体のボリュームと取り出す腫瘍の大きさの兼ね合いを見ます。

温存手術をするか、全摘手術をするかの基準はいくつもあります。乳房内再発の可能性や、それを防止する放射線治療を受けるかどうか。全摘の場合は同時再建をするかどうか。それに手術後の見た目の予想を加えて、どちらにするか検討します。

いろいろありましたが、彼女の乳がんの条件ならば温存手術で行けるようだったので温存手術をしました。

 

彼女の乳がんの腫瘍の大きさは、最大径で1.8cmでした。これだけ聞けば、手術で取り出す量はわずかだったように聞こえますが、そうではないです。

その1.8cmの腫瘍から1~2cmくらい幅で周りを包み込むようにして腫瘍を取り出すのです。がんを取り残さないように、実際の腫瘍より大きく取るのです。

くり抜くように取り出すので、くり抜き手術とも言われることがあるようです。

なので、彼女の場合も一番長い辺が最低でも3cm以上のくり抜きをしたはずです。それを想像すると、現在の乳房の形はよく戻っていると思います。

(最大径1.8cmというのは、実はがん細胞が「浸潤」している部分の大きさです。乳がんのステージは浸潤している部分の大きさで決まります。彼女は浸潤していない腫瘍はほとんどなかったのだと思います。もし大きな非浸潤部があったのならば、彼女は温存手術が適用されなかった可能性もありました。)

 

医師の説明では、くり抜いただけではその部分がかなりへこんでしまうので、くり抜いた部分に乳房の他の部分の乳腺をもってくる、という風にしてくれたらしいです。凄いことができるのですね・・・

手術をして小さくなってしまった方の乳房が、少しブラジャーに合わないと彼女は言っています。何か専用の下着のようなものがあるのでしょうか。

さ、さすがにそれを調べるのは、彼女自身にやってもらおうと思います・・・

 

 

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前回のブログを書いていて、改めて彼女に手術の感想を聞いてみることにしました。

僕の感じた手術の感想と彼女の感想で同じだったところは、乳がんの手術は全体としては問題なく終わった、ということです。

彼女は乳がん以外にもいくつかの手術を経験しています。全身麻酔も何度も経験しています。

それぞれの病気やケガの程度にもよりますが、彼女が今まで経験してきた手術に比べて、手術前の準備や手術後の痛みや処置の手間など、楽だったと言っていました。

乳がんの手術は手術をした次の日には自分で歩けるのが一般的なようです。なので、乳がんは手術自体は比較的安全で健康面で大きな問題がないということは間違っていないようです。

ですが、はやり、女性にとって乳房にメスを入れるということは精神的につらいことです。彼女も手術の安全性自体はまったく疑っていなかったようですが、部分切除した後の乳房の形は非常に気になっていたようです。

当たり前ですね。例え乳房ではなくても、体のどこであったとしても、手術で形が変わるのならば、男女問わずそれが一番気になるところのはずです。

これに関して、彼女自身は納得できたようです。ですが、僕にはその気持ちを推し量ることはできません。もしかしたら無理をして自分を納得させているのかもしれません。

この他にも不安だった点は細かくいくつかあったと言っていました。しかし、それらはどれも大きな不安ではなかったようです。

手術の説明を非常に細かくされて、何枚もの同意書にサインをさせられたことが少し嫌だったと言っていましたが、これは今の病院の事情を考えれば仕方のないことです。

僕も手術の説明を受けた時に一緒に聞いていましたが、「こんなに患者に全ての了解を取らないと、患者に訴えられる可能性があるんだろうなあ・・」と思いました。

彼女が手術してもらった病院は、乳がんの治療の最先端を行く病院の一つです。最先端なのですから、当然他の病院ではやっていない基準のことをするわけで、それで悪い結果が出てしまったならば、裁判を起こされた時に分が悪いのかもしれません。

まあ、病院を信じて、同意書のサインくらいはいくらでも付き合ってあげましょう。

それと、手術の直前に家族と別れて手術室に向かっていき、手術台にのぼった時はとても不安だったと言っていました。全身麻酔の手術だからこそ、麻酔をするまでの時間が逆に緊張してしまうのかもしれません。緊張のために血圧が上がってしまって、しばらく間を置いたらしいです。

ですが、こちらの病院のスタッフさん達はみなさん親身で親切だったらしく、すぐに安心できたらしいです。麻酔担当の医師が手をさすってくれたらしいです。

また、5週間後に分かる病理検査の結果は、彼女も非常に心配しているとのことです。これは僕も心配ですが、今からいろいろ考えても仕方ありません。

場合によっては抗がん剤治療を省略できる場合があるので、それは期待しますが、期待しすぎずに待つことにします。

そして、彼女が今回の手術で嬉しかった点がありました。入院した部屋が4人部屋だったのですが、同室の人たちが全員彼女と同じくらいの乳がんだったらしく、励ましあったり、情報を交換できたりしたそうです。

それがとても励みになったそうです。

病状や手術の程度が同じだったとしても、それに対する感じ方は人それぞれです。回復の速さや痛みの程度もそれぞれのはずです。

それらを共有できたことは、彼女にとって一番大きかったようです。これはがん専門の大病院だったからなのかもしれません。

乳がんの状態の近い人たちと多く接することができたようです。

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手術から約1週間経ちました。

今はメスを入れた痕に医療用のテープを貼っていて、これを半年くらい続けるらしいです。2~3日置きにテープを貼りかえるらしいです。

傷跡はまだ少し熱をもっていますが、これは普通のことらしく、特別な問題は起きていません。

(追記・訂正・僕が勘違いしていたことが後から分かりました。正しくは、退院から退院後最初の診察までの約一週間くらいは特殊なテープをはがさずに貼り続け、その診察以降は三日間の間隔で自分で貼り変えるテープに変更し、それを半年間続けるらしいです)

 

彼女の乳がんの手術に付き添って、感じたことや、知っておくと安心できることなどの感想をまとめてみます。

彼女が手術をしてもらった病院は本当に素晴らしい病院だったので、もしかしたら恵まれた環境ゆえのお気楽な感想になってしまうかもしれませんが、率直に書いてみます。

 

手術を受ける前からある程度予想はしていましたが、乳がんの手術自体は他のがん程に心配するような手術にはなりません。

手術の成功や失敗によって、患者の身が危険に陥るといったことはほぼないはずです。

彼女の手術の経過でも、全身麻酔以外は危険なことは全くありませんでしたし、全身麻酔も今の医療技術ならば危険なものではないと思います。

入院時や入院中に気を付けるべきポイントはそれぞれお世話になる病院によって違うと思われます。僕の視点から見て、彼女が特別困っていることはぼぼないように見えました。

ですが、よくよく考えてみると、改めては彼女に入院時の感想を詳しくは聞いていないので、次回のブログは彼女にもう一度よく入院時の話をよく聞いてみて、それをまとめてみたいと思います。

とりあえず、今回は僕の視点でまとめておきます。僕の視点で見て、気になったことは、大きく分けて3つです。

〇手術後の乳房の形
〇リンパ節転移の有無
〇取り出したがん細胞の病理診断の結果

です。

手術後の乳房の形については・・・
なんというか、これについても、僕が言及できることは少ないです。

僕には彼女が健康でいてくれることが一番なので、美容的なことについてまであまり考えが及びません。

ですが、彼女自身や、他の多くの乳がんの患者さん達には大きな問題なのだと思います。彼女のお母さんも、とても気になさってました。

温存を選ぶか全摘を選ぶか。どの病院で手術してもらうか。手術の前にいろいろ決めなければならなかったのですが、彼女は結果としてとても良い選択を出来たようです。

以前にも書きましたが、温存手術をすることは医師と患者が話し合って決めます。その時に、医師が患者の乳房の大きさや形、乳がんの大きさや位置などを考慮して温存手術をした方がいいか全摘手術にした方がいいかアドバイスをします。

つまり手術をした後の状態を先に予想してアドバイスをくれるのです。そしてその上、その手術をしてくれるのもその医師です。医師の経験と腕ですべてが決まります。

信頼できる病院の信頼できる先生に手術をしてもらえたならば、幸運だと言えます。

 

リンパ節の転移については、僕の彼女の場合は、ほぼ大丈夫だろうと思っていました。ですが、どんな乳がんの手術でも、必ず脇のリンパ節転移の有無は確認します。

手術の前からリンパ節に転移があることが分かっている場合のことは、今回の彼女の手術では分かりませんでした。なので、あるかどうか分からない場合の手術のことを書きます。

脇のリンパ節の転移の有無を調べるために「センチネルリンパ節生検」をしました。これは今はどこの病院でもやることで、保険が適用される検査らしいです。手術中にやります10分~15分くらいで結果が出てしまうものらしいです。

手術の前日に乳がんがある部分の近くにマーカーとなる注射をしておいて、それを頼りに手術中にその部分から最初にリンパ液が流れ着くリンパ節(センチネルリンパ節)を見つけて、そのリンパ節にがん細胞がないか生検します。センチネルリンパ節にがん細胞がなかったならば、乳房のがん細胞を切除して手術は終わります。

リンパ節にがん細胞が見つかったならば、脇のリンパ節の「郭清」をします。脇のリンパ節は乳がんが一番転移しやすい場所なので、一昔前はそういった生検をせずに最初から取り除くことが多かったらしいです。

ですが、現在ではなるべく体に負担をかけないように、メスを入れる部分を最小限にするために、センチネルリンパ節生検が手術中にでるようになっているのです。

彼女の場合も、この生検をしてもらったおかげで、脇のリンパ節はほぼ何もせずに残されたわけです。

 

取り出したがん細胞の病理診断の結果については、約5週間後に分かることになっています。いわゆる、がんの「顔つき」などと呼ばれたりする、悪性度のようなものが、詳細に調べられます。

それによってこれからのがんの治療方針が決まります。彼女の場合は、手術の前の針生検で「増殖能が高い」となっていました。それが気がかりです。

ですが、それ以外は一般的な乳がんでした。この辺りがどうでるのか心配です。できれば、抗がん剤治療を省略できるくらいの結果だと良いのですが・・・

 

彼女はもう退院していますが、退院日から一週間後にメスを入れた部分の傷の状態を確認するための診察を受けることになっています。それ以外は特に必要な治療はなく、とりあえず病理検査の結果を待つだけです。

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