彼女の乳がんにとって非常に重要な病理検査結果が昨日出ました。
一夜明けて、一緒に説明を聞いた僕の印象を率直に言うと「納得できない」となります。
僕にとって昨日の病院でのやり取りはとても大きな出来事でしたので、まだ自分自身の考えを整理し切れていないかもしれません。
少し感情的になっているのが自分でもわかるので、気持ちを抑えながら書き進めて行きたいと思います。
コーヒーでも飲みながら書こうと思います。
1杯のコーヒーなど、すぐに飲み干してしまう状況なのですが・・・
お、おかわりしながら、書いて行きましょう・・・
まず、昨日の病理検査の結果自体にはまったく問題ないです。何も違和感を感じません。良い結果だったと思います。
具体的に言うと、病理検査の結果として、ステージⅠは変わりません。硬がん・ホルモン陽性・Her2陰性・リンパ節転移なし・浸潤径の最大は1.8cmです。
これらの大まかな要素は針生検とその他の手術前の検査の結果とほぼ同じです。
これに加えて、針生検ではki67がhighとなっていて、核グレードが2となっていました。この二つを考慮すると、ルミナール型でもBに相当し、抗がん剤治療の必要性も予想されました。
ですが、昨日出た病理検査の結果によると、ki67の値はそれほど高いものではありませんでした。ki67はかなり詳しく調べられていましたが、最終的に平均14.7%となっていました。
このki67の値は以前の回のブログで集めた知識によると、中間値~低値くらいと言えそうです。むしろ低い値です。
これは今回の病理検査の結果として好材料です。
悪い方に出てしまったと考えられる要素は、今回の結果で脈管侵襲が中程度ある、となったことです。
ですがこの、脈管侵襲という指標は、ネットで調べてみると、乳がん治療の方針決定において大きな影響を及ぼしていないようです。同様の旨は医師からも説明がありました。
他には核の異型度が2となっていました。これは1でも3でもないですし、針生検での核グレード2であったことを考えると、今回の結果での好悪の材料にはならないと思われます。
そして、最後に手術の断端、つまり「取り残し」の評価は非常に良好だったようなのです。きれいに乳がんの腫瘍が取り切れていました。
これらの評価を聞いた段階では、主治医の先生とお世話になった病院にこころから感謝し、嬉しい気持ちになっていたのですが・・・
次にこれらの結果からの、病院としての治療方針の説明を受けました。
ごにょごにょもごもご、いろいろな言葉であやふやな説明を受けた挙句、ホルモン治療と放射線治療と抗がん剤治療をすすめられました。つまり、Hre2陰性ルミナール型乳がんの治療のフルコースです。
いや、「すすめ」られてはいないのかもしれません・・・
実際に、抗がん剤治療に関して「やった方が良い」という言葉は説明で一回も使われませんでした。でもなぜか、やった方がいい、むしろやらないとだめだという気分にさせられました。
彼女も説明後にそれに近い感じになっていたと思います。
今思い出すと、僕は軽い詐欺にかかったような気分です。
いやいや、いいじゃないですか。抗がん剤を勧めても。病院の治療方針として勧めても、医者の所見として勧めても、いいじゃないですか。
普通に「勧めます」と言って欲しかったです。
そう言わない(言えない)のなら、「患者さんの希望を尊重します」とでも言ってもいいと思います。病院としては、微妙なラインなのでどちらとも言えません、ということをはっきり言って欲しかったです。
僕は主観的には抗がん剤はあまりやりたくないですが(彼女にはやって欲しくないですが)、医者が抗がん剤を勧める行為自体はいいと思います。勧めなくてもいいです。どちらも医者の仕事です。
昨日の説明では、そのどちらもしていなかったです。医者としての役割をまったく果たしていなかった。
薬なんて、どんなものでも、必ず副作用があるのですから、最終的に飲むか飲まないかは患者本人が判断することです。
手術だって同じです。病巣を取り除くのと同時に、正常組織に傷をつけるのですから。手術は患者にとって良い作用と悪い作用の複合です。
医者や病院は、その薬や治療法に関するなるべく多くの情報を患者に提供すべきです。そして患者にとって明らかにメリットが多いと判断される薬や治療法は「お勧め」すればいいですし、メリットとデメリットの割合が微妙な場合は、その旨を伝えて、患者に選択させればいい。
昨日は、医師としてまた病院としての責任を、まったくまっとうしてくれなかった治療方針の説明を受けたと感じました。
抗がん剤に関しては、はっきりとお勧めもしてくれませんでしたし、患者にゆだねる旨の発言もしっかりしてくれなかったように感じました。
その根拠の一つに、放射線治療は、はっきりと「おすすめ」してくれたことがあげられます。
放射線治療に関しては、語気も、使われた言葉も、お勧めする理由と理論も、根拠となる数字も、すべてはっきりしていました。しっかりお勧めしてもらいました。
お勧めとは本来そういうもののはずです。根拠があるはずです。その根拠を言えばいいだけです。
じゃあ、なんで抗がん剤はおすすめしてもらえないんでしょうか・・・
おすすめしないのなら、やらなくていいと言えばいいじゃないですか・・・
そうとも言えないのなら、どちらともいえない、とはっきり言えばいいじゃないですか・・・
一体なんで、「やった方がいい」とも「やらなくていい」とも「どちらともいえない」ともはっきりと言われていないのに、
僕と彼女は、抗がん剤をやった方がいい、むしろやらないとダメだ、と思わされたんでしょうか・・・
恐いですね・・・印象操作・・・
具体的なことは次回以降に書きます。数字の使い方にトリック的なことがあったと確信しています。
見た目が凄く真面目そうに見えて、話し方が丁寧で、たくさん手術の経験を積んでいる乳がん専門の主治医の先生です。
そんな先生から、昨日のような説明があれば、抗がん剤について特別な嫌悪感を持っているような人以外はすべての人が、抗がん剤治療を受け入れるのではないでしょうか。
そして、医師も病院も抗がん剤を無理にお勧めしたという事実は残りません。
以前書いた「大丈夫だろう」と言ってくれる医者は良心的だ、という僕の考えと真逆の状態になってしまいました・・・
おそらく、彼女の乳がんの状態は、この病院の治療方針としては、抗がん剤を使うかどうかが微妙なことろなのは事実なのでしょう。
それはいいですし、僕は専門家ではないですから、その基準に対して文句を言う立場ではないです。
基準は基準であって、それを受け入れるかどうかは彼女と僕なのですから。
ただ、患者側の人間として、その基準をこちらに明確に示してくれなかったことは、納得がいかなかったです。
基準を明確に示さないまま、印象操作だけで抗がん剤治療に持ち込もうとされたことに、今思い出すと怒りすら感じます。
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