彼女は乳がんの手術をした直後から、傷口に医療用テープを貼るテープ療法を行っていました。

手術をした部分にテープを貼っておくと、傷口が自然に治りやすいということらしいです。

手術をしたのが今年の2月の後半で、それ以降約半年の間貼り続けていました。

 

9月に入ってから、テープを貼り続けて半年経ったということで、テープ療法を終わりにしたのですが・・・

テープ療法を終了してから1ヶ月以上経った最近になって、傷口が少しずつ盛り上がってきたらしいです。

体にメスを入れる手術をすると、上手に手術をしてもらった場合であっても、のちにメスを入れた個所は、大なり小なり「瘤」になります。少し硬くなるアレです。

(余談になりますが、この瘤と乳がんの局所再発の見分けがつきにくい場合があって、局所再発の発見が遅れる場合もあります。これを判断するためには、医師の経験が重要になります。彼女は現在信頼できる病院に転院することを考えているは、こういったことが理由でもあります。)

 

メスが入った個所が全体的に盛り上がってきたので、局所再発とは関係がないと思われます。

一応、現在の病院の医師の触診も受けているので、その意味では大丈夫でしょう。

ですが、そういった現象があることに、彼女と僕は驚きました。

これは一般的なことなのでしょうか・・・

 

そもそも、僕は「テープ療法」というもの自体を、彼女の乳がんの治療で初めて知りました。

何度確認しても、確認する度に驚いてしまうことなのですが、テープ療法に使うテープは、普段包帯やガーゼを固定するためのテープと同じものです。

医療用テープというくくりになっていて、皮膚に優しく切りやすい、というだけの、固定目的のテープです。

そういった、いわゆる「サージカルテープ」と呼ばれるものを、ひたすら術後の傷口に貼り続けるだけで、最終的な傷口の治りが自然になるらしいのです。

2~3日に1回変えるだけでオーケーです。少し重ねるように貼ることがポイントです。

 

まあ、よくよく考えてみると、ただのテープを貼っているだけなので、そのこと自体に傷を治癒させる効果はないはずです。

ただ、医療機関が推奨することではあるので、治癒を阻害してしまって、傷の治りが遅くなることは絶対にないはずです。

そのことと、メスを使った手術の後は大なり小なり瘤ができることを考え合わせると、テープ療法の目的は「手術痕(瘤)が皮膚の外側に向かって形成されないようにする措置」ということになると思います。

じゃあ瘤が内側に向かって形成されているのか?や、そもそも瘤自体が形成されにくくなるのか?と言えるかどうかについては、調べてもそれらしい説明は見つけられませんでした。

 

メスが入った部分は、ある意味で怪我をしたと言えます。人間は怪我したら、その部分では細胞分裂が盛んになり、どんどんその部分を補う細胞(組織)が増えていきます。

テープ療法は、テープを貼ることによって、皮膚の外側に必要以上に細胞(組織)を増やさないようにするためのものと言えそうです。

出来上がった細胞(組織)に、後から手を加えて変化させようとすることは難しいことですが、治って行く過程で、治る方向を決めてやることは意外と簡単にできることだということなのかもしれません。

少し無理矢理気味になってしまいましたが、僕はこういう結論を出しました。なぜかというと、彼女が「盛り上がってきたから、またテープを貼る!」と言い出したからです。

先ほどの原理だと、いったん終わったテープ療法をまた始めるというのは、良くないことのように思えます。

テープを貼って治る方向を補助することと、治った後でテープを貼ってひっこめる?ことは違います。

 

せっかくキレいに治っていた手術部分が、テープを貼ることを止めたとたんに盛り上がってきたら、それは悲しいことだとは思います。

ですが、また貼ったからといって、それがまたキレいになるかどうかは分かりません。

おそらく、テープ療法をやって良い期間の長さと、中断していた期間の長さが問題になると思います。

「止めておいた方がいいよ。」「少なくても、医者か看護師に聞いてからやった方がいいよ。」と彼女の忠告しているのですが・・・

聞く耳を持たない可能性が高いです・・・

 

 

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彼女のお母さんの放射線治療をどうやって行うかについて、紆余曲折がありましたが、なんとか入院しての放射線治療にこぎつけることができました。

このブログのコメントでアドバイスをして下さった方々には、深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

最終的に、手術を受けたがんセンターではない、より家に近い大学病院での入院+放射線治療になりました。

 

どうせ入院するのならば、お母さんの乳がんの治療の主治医のいるがんセンターで入院するのが良いのでは?と悩んだようです。

ですが、がんセンターの主治医は、放射線治療に関して、お母さんの乳がんの心配をするよりも、お母さんの他の持病(主に肝臓の持病)の方が心配だったらしく、何かあった時には、肝臓に関してはがんセンターよりも大学病院の方が詳しく診れると思ったらしいです。

まあ、お母さんのように、手術後の化学療法やホルモン療法、分子標的治療など、薬による全身治療を一切やらない場合ならば、それらの副作用も気にしなくてもいいわけです。

それよりも、元からある肝臓の持病の方を気にしなければならないことは、当然だということになります。

 

放射線の機械は、がんセンターのものの方が新しく良い機器のようでした。

お母さんもそのことは気にしていて、主治医にもその旨を伝えましたが、それはさほど大きな差にはならない、とのことです。

僕も、このことは少し心配でしたが、こればかりは仕方ないです。

大学病院では「放射線治療室」として、放射線治療専門の部署があるようなので、技師の技術は高そうではあります。

 

前回のブログに書かせてもらいましたが、お母さんは放射線治療で短期照射(寡分割照射)を行うことになりました。

短期照射を行うデメリットはあまり無いようで、病院に通う(入院する)期間が短くなる大きなメリットがあります。

短期照射は最近行われ始めたことなので、これから少しずつ広まっていく放射線治療の方法かもしれません。

 

今のところ、お母さんは放射線治療での重い副作用は出ていないようです。

「少し体がだるいような気がする」と言っているらしいです。

お母さんは物事をかなりはっきり言う人なのですが、そのお母さんが「気がする」と言っているということは、本当に気がするだけなのかもしれません。

 

入院して放射線治療を受けることは、お母さんが強く望んだことだったので、それがかなって満足しているようです。

そのおかげで気分良く放射線治療を受けられているのならば、それに越したことはないです。

ただ、たとえ入院していても、実際に放射線の照射を受ける時間は、10分程度のはずです。

なので、1日の大部分が暇になってしまうはずで、そのことについてどう言っているのか彼女から聞いたところ、「暇だからと言って、それほ嫌ではない」とのことらしいです。

実はこれは驚くべきことです。

お母さんは、なんというか・・・少し自分勝手な部分があるらしく、自分から入院を希望して、その結果暇な時間が多くなってしまった場合でも「暇だ!」と周りに文句を言う可能性がありました。

僕はお母さんに「入院して放射線治療を受ける」ということを勧める時に、唯一、問題として、入院中お母さんが相当暇になってしまうことを考えていました。

なので、お母さんが暇だと彼女に文句を言っていなことは、僕にとってはいい意味で驚きです。余程、入院しての放射線治療を望んでいたのでしょう。よ、良かったです。

 

それと、入院中でも、土日は外泊許可をとって家に帰ることができるらしいです。

なんというか、至れり尽くせりですね。

 

放射線治療は平日毎日を5週間、合計25回病院に通うのが一般的です。ですが、短期照射(寡分割照射)ではそれが短縮できます。

また、彼女のお母さんのように、条件が合えば入院して放射線治療を受けることができる病院もあります。

もし、これから乳がんの治療を行う人が身近にいる場合は、一言耳に入れてあげると良い情報だと思います。

 

 

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彼女のお母さんは、乳がんの手術をする直前に足首を骨折してしまい、術後の放射線治療を入院で行いたいと病院側にかけあっていました。

その結果、なんとか病院側から許可が出たようで、近々放射線治療のために入院することが決まりました。

このブログのコメントでいただいた通りすがりさんのアドバイスによって、このような運びになりました。感謝いたします。

 

放射線治療のために入院する病院は、手術をした病院ではない、彼女のお母さんの家(彼女の実家)により近い大学病院になりました。

お母さんが手術をうけたがんセンターの方が、放射線治療を行う設備が新しいものでしたし、お母さんの乳がんの治療全体をみてくれているがんセンターの主治医の監視下で放射線治療を受けた方が安心でした。

ですが、病院間(医師間)で話し合った結果、お母さんは大学病院の方で入院することになりました。

まあ、がんセンターで入院して放射線治療を受ける場合も、大学病院でそうする場合も、どちらにもメリットとデメリットがありましたし、それぞれの病院にもベットの空きなどの都合があったはずです。

こちらの希望はすべて両病院の医師に伝わっていて、考慮してもらえたはずですから、これで良しとするつもりです。

 

ただ、彼女がもう一つ気になることを言っていました。お母さんは今回の乳がんの放射線治療で、いわゆる「短期照射(寡分割照射)」を受けるようです。

短期照射とは、1回で(1日で)受ける放射線の量を多くして、その分放射線治療を受ける日数を減らすものです。

普通に考えれば、標準の照射よりも短期照射の方が急性の副作用が強く出てしまうような気もしますが・・・

 

調べてみると、短期照射は、乳がん自体に対する治療効果は変わらないことには、確かなエビデンスがあるようです。

日本乳癌学会のガイドランでは

 全乳房照射において通常分割照射と同等の治療として寡分割照射は勧められるか

が、推奨グレードBとなっています。推奨グレードBだと「ほぼ確実」とのことです。

なので、乳がん自体に対する効果は問題ないと思うのですが、副作用の方はどうなるのか調べてみると・・・

なんと、強い線量で短期に照射した方が、副作用はむしろ少ないということが、最近の研究で言われているようなのです。倦怠感などが少なくなると報告されているようです。

特に早期乳がんの場合や、抗がん剤による全身治療をしていない場合に、短期照射は勧められるようです。(抗がん剤治療のありなしで、副作用が変わってくるということでしょうか。)

彼女のお母さんはこれらの条件に完全に該当するので、標準の照射よりも、むしろ短期照射の方が適していることになります。

また、高齢のお母さんにとっては、一般的な40代~50代の乳がんの患者よりも、通院や入院の苦労が大きくなります。足を骨折しているので、なおさらです。

なので、放射線治療が少しでも短くなってくれることは、とてもありがたいことです。

どうやら、お母さんが放射線治療を受ける場合は、短期照射以外には考えられないくらい、最適な方法のようです。

 

一般的に、高齢であればあるほど、人の放射線の感受性は下がります。

2011年の原発事故の際に、放射能の影響を受けてしまうのは、主に子供だと言われていたのはこのためです。

病院で行われるCT検査などによる医療被曝も、必ず年齢が考慮されます。若い人間に対しては、医療被曝を伴う検査は慎重に行うかどうかを決めます。

なので、非常に大雑把に言えば、高齢であればあるほど、放射線治療の効果も副作用も小さくなるのでは?と思ってしまうところです。

ですが、おそらく、これはそんな単純な話にはならないはずです。

がん細胞が増殖するかしないかは、放射線の影響のみを受けているわけではありません。免疫力の強さなども関係します。

また副作用にしても、治る速度が速ければ、副作用が出ているようにも見えないかもしれません。

要するに、人間が放射線を受けた時にどうなるか、ということは、一概には言えない部分が大きいのです。

 

高齢のお母さんが、標準より大きい放射線量を一度にかける短期照射(寡分割照射)をしたら、副作用も大きくなってしまうのでは?と思い、心配になりました。

ですが、そういうことは、理屈で一概に分かることではなく、実際の臨床や統計的な研究でしか分からないことです。

医者が下す判断は、主にそういった臨床的にどれだけ患者に効果があったかの統計をもとにしているので、感覚的には錯覚が起こってしまうような場合もあるようです。

彼女のお母さんの乳がんの場合は、一度にかける(1日の)放射線量を増やした方が、体に優しいようです。

 

 

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