おかげ様で、彼女のお母さんは、無事に入院で行う部分の放射線治療を終えることができました。

先日、退院しました。大学病院での入院でした。

入院中11回放射線治療をやったそうです。そしてこれに加えて、退院後に4回の放射線治療を通いで行うらしいです。それで終わりらしいです。

お母さんは乳房全体の照射に加えて、しこりらしき影が見えた場所にもブースト照射を行います。

短期照射(寡分割照射)によって、お母さんの放射線治療は通常の回数よりかなり少なくなっています。

通常、乳がんの温存手術後の局所再発予防の放射線治療では、1回2グレイの放射線の照射を25回行う場合が多いです。これに加えて、ブースト照射を行う場合はさらに5回行います。

なので、お母さんの放射線治療の回数は、通常の場合の半分の回数になっています。

 

これらの日程と回数は、彼女がお母さんから聞いたもののまた聞きです。

ただ、少し回数が合わないような気が・・・

手術後に渡された治療予定の紙の写メを見せてもらったのですが、たしかそこには、通常通り2グレイを25回行う場合(おそらくブーストの場合は、これに加えてさらに5回)と、短期照射で2.6グレイを15回で約40グレイ+ブースト2グレイを5回で合計20回の場合、の2通りの説明が書いてあったはずです。

ブーストを止めたのか、お母さんが勘違いしているかの、どちらかでしょうか。

 

まあ、いずれにせよ、お母さんは入院での放射線治療は終えました。

お母さんは足を骨折してしまったので、入院での放射線治療を受けていたのですが、現在はかなり歩けるようになったらしいです。

なので、たとえお母さんの勘違いで、あと4回+5回の放射線治療が残っていたとしても、それらを通いでこなすことは、それ程大変なことではないと思います。

 

今回、お母さんが入院での放射線治療を受けた話を逐一聞いていたのですが、非常にありがたい入院だったというお母さんの気持ちが伝ってくるものでした。

高齢者の乳がんでの放射線治療は、通院の労力が非常に大きくなります。高齢者が平日毎日を5週間も病院に通うのは、とても大変なことです。高齢者でなくとも、大きな負担になるはずです。

ましてや、彼女のお母さんの場合は、足を骨折して車いすでの生活中でした。

入院していれば、食事の準備をする必要がありませんし、身の回りのことも看護師さんに頼れます。(あまり頼り過ぎるのはマナー違反だと思いますが。)

入院費用の問題もありますが、そういった問題がクリアできるのであれば、高齢者の乳がんの放射線治療は、入院で行うことも検討してみる価値は大いにあると思います。

 

彼女のお母さんの場合は、入院で放射線治療を受けたことによるメリットが、他にもさらにありました。

彼女のお母さんは、乳がんの手術前の検査で、膀胱炎の疑いがあると診断されていました。この検査を、今回の入院中に行うことができました。

ついでというか、どうなのかは分かりませんが、膀胱がんの検査もおこなったらしいです。膀胱炎と膀胱がんの検査は同時にできるものなのでしょうか。いずれも大丈夫だったようです。

 

そして、お母さんは、入院中に整形外科にかかることにより、骨折のリハビリも行えたらしいです。

大学病院=総合病院に入院できたメリットを最大現に生かした結果です。

なんと言うか、お母さんにとっては、いいことづくめの大学病院での入院による放射線治療になりました。

 

お母さんにとって、今回の入院による乳がんの放射線治療はメリットの大きいものでしたが、おそらくこれは高齢者の乳がんの放射線治療で一般的に言えることだと思います。

高齢者の乳がんの治療では、がん細胞に対する治療以外にも気を付けなければならないことが多くなります。

まずは、手術に耐えうる体力があるのかを、慎重に確認する必要があります。

高齢者ならば、いったん手術が成功しても、その後に何等かの体の変調が出てくる場合もあるかもしれません。

また、抗がん剤治療は言うに及ばず、ホルモン療法や放射線治療でも、高齢者の場合は副作用が大きくなってしまう可能性があります。

入院して放射線治療が受けれらるのであれば、これらの体の変調を医師や看護師がすぐに察知できるかもしれません。変調が起こった時にも、入院していれば、すぐに対処ができるはずです。

 

また、高齢者ならば、通いなれない病院へ平日毎日通うことで、体力的にも精神的にもまいってしまうかもしれません。

通院時間にもよりますが、通院の労力をカットできるだけでも、高齢の乳がん患者にとっては、ありがたいものだと思います。

こういった理由から、高齢者の知り合いなどで、乳がんの手術をする予定の方がいる場合には、術後の治療を始める前に、放射線治療を入院で行う選択肢もあることを教えてあげることをおすすめします。

 

 

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彼女のお母さんの放射線治療をどうやって行うかについて、紆余曲折がありましたが、なんとか入院しての放射線治療にこぎつけることができました。

このブログのコメントでアドバイスをして下さった方々には、深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

最終的に、手術を受けたがんセンターではない、より家に近い大学病院での入院+放射線治療になりました。

 

どうせ入院するのならば、お母さんの乳がんの治療の主治医のいるがんセンターで入院するのが良いのでは?と悩んだようです。

ですが、がんセンターの主治医は、放射線治療に関して、お母さんの乳がんの心配をするよりも、お母さんの他の持病(主に肝臓の持病)の方が心配だったらしく、何かあった時には、肝臓に関してはがんセンターよりも大学病院の方が詳しく診れると思ったらしいです。

まあ、お母さんのように、手術後の化学療法やホルモン療法、分子標的治療など、薬による全身治療を一切やらない場合ならば、それらの副作用も気にしなくてもいいわけです。

それよりも、元からある肝臓の持病の方を気にしなければならないことは、当然だということになります。

 

放射線の機械は、がんセンターのものの方が新しく良い機器のようでした。

お母さんもそのことは気にしていて、主治医にもその旨を伝えましたが、それはさほど大きな差にはならない、とのことです。

僕も、このことは少し心配でしたが、こればかりは仕方ないです。

大学病院では「放射線治療室」として、放射線治療専門の部署があるようなので、技師の技術は高そうではあります。

 

前回のブログに書かせてもらいましたが、お母さんは放射線治療で短期照射(寡分割照射)を行うことになりました。

短期照射を行うデメリットはあまり無いようで、病院に通う(入院する)期間が短くなる大きなメリットがあります。

短期照射は最近行われ始めたことなので、これから少しずつ広まっていく放射線治療の方法かもしれません。

 

今のところ、お母さんは放射線治療での重い副作用は出ていないようです。

「少し体がだるいような気がする」と言っているらしいです。

お母さんは物事をかなりはっきり言う人なのですが、そのお母さんが「気がする」と言っているということは、本当に気がするだけなのかもしれません。

 

入院して放射線治療を受けることは、お母さんが強く望んだことだったので、それがかなって満足しているようです。

そのおかげで気分良く放射線治療を受けられているのならば、それに越したことはないです。

ただ、たとえ入院していても、実際に放射線の照射を受ける時間は、10分程度のはずです。

なので、1日の大部分が暇になってしまうはずで、そのことについてどう言っているのか彼女から聞いたところ、「暇だからと言って、それほ嫌ではない」とのことらしいです。

実はこれは驚くべきことです。

お母さんは、なんというか・・・少し自分勝手な部分があるらしく、自分から入院を希望して、その結果暇な時間が多くなってしまった場合でも「暇だ!」と周りに文句を言う可能性がありました。

僕はお母さんに「入院して放射線治療を受ける」ということを勧める時に、唯一、問題として、入院中お母さんが相当暇になってしまうことを考えていました。

なので、お母さんが暇だと彼女に文句を言っていなことは、僕にとってはいい意味で驚きです。余程、入院しての放射線治療を望んでいたのでしょう。よ、良かったです。

 

それと、入院中でも、土日は外泊許可をとって家に帰ることができるらしいです。

なんというか、至れり尽くせりですね。

 

放射線治療は平日毎日を5週間、合計25回病院に通うのが一般的です。ですが、短期照射(寡分割照射)ではそれが短縮できます。

また、彼女のお母さんのように、条件が合えば入院して放射線治療を受けることができる病院もあります。

もし、これから乳がんの治療を行う人が身近にいる場合は、一言耳に入れてあげると良い情報だと思います。

 

 

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彼女のお母さんは、乳がんの手術をする直前に足首を骨折してしまい、術後の放射線治療を入院で行いたいと病院側にかけあっていました。

その結果、なんとか病院側から許可が出たようで、近々放射線治療のために入院することが決まりました。

このブログのコメントでいただいた通りすがりさんのアドバイスによって、このような運びになりました。感謝いたします。

 

放射線治療のために入院する病院は、手術をした病院ではない、彼女のお母さんの家(彼女の実家)により近い大学病院になりました。

お母さんが手術をうけたがんセンターの方が、放射線治療を行う設備が新しいものでしたし、お母さんの乳がんの治療全体をみてくれているがんセンターの主治医の監視下で放射線治療を受けた方が安心でした。

ですが、病院間(医師間)で話し合った結果、お母さんは大学病院の方で入院することになりました。

まあ、がんセンターで入院して放射線治療を受ける場合も、大学病院でそうする場合も、どちらにもメリットとデメリットがありましたし、それぞれの病院にもベットの空きなどの都合があったはずです。

こちらの希望はすべて両病院の医師に伝わっていて、考慮してもらえたはずですから、これで良しとするつもりです。

 

ただ、彼女がもう一つ気になることを言っていました。お母さんは今回の乳がんの放射線治療で、いわゆる「短期照射(寡分割照射)」を受けるようです。

短期照射とは、1回で(1日で)受ける放射線の量を多くして、その分放射線治療を受ける日数を減らすものです。

普通に考えれば、標準の照射よりも短期照射の方が急性の副作用が強く出てしまうような気もしますが・・・

 

調べてみると、短期照射は、乳がん自体に対する治療効果は変わらないことには、確かなエビデンスがあるようです。

日本乳癌学会のガイドランでは

 全乳房照射において通常分割照射と同等の治療として寡分割照射は勧められるか

が、推奨グレードBとなっています。推奨グレードBだと「ほぼ確実」とのことです。

なので、乳がん自体に対する効果は問題ないと思うのですが、副作用の方はどうなるのか調べてみると・・・

なんと、強い線量で短期に照射した方が、副作用はむしろ少ないということが、最近の研究で言われているようなのです。倦怠感などが少なくなると報告されているようです。

特に早期乳がんの場合や、抗がん剤による全身治療をしていない場合に、短期照射は勧められるようです。(抗がん剤治療のありなしで、副作用が変わってくるということでしょうか。)

彼女のお母さんはこれらの条件に完全に該当するので、標準の照射よりも、むしろ短期照射の方が適していることになります。

また、高齢のお母さんにとっては、一般的な40代~50代の乳がんの患者よりも、通院や入院の苦労が大きくなります。足を骨折しているので、なおさらです。

なので、放射線治療が少しでも短くなってくれることは、とてもありがたいことです。

どうやら、お母さんが放射線治療を受ける場合は、短期照射以外には考えられないくらい、最適な方法のようです。

 

一般的に、高齢であればあるほど、人の放射線の感受性は下がります。

2011年の原発事故の際に、放射能の影響を受けてしまうのは、主に子供だと言われていたのはこのためです。

病院で行われるCT検査などによる医療被曝も、必ず年齢が考慮されます。若い人間に対しては、医療被曝を伴う検査は慎重に行うかどうかを決めます。

なので、非常に大雑把に言えば、高齢であればあるほど、放射線治療の効果も副作用も小さくなるのでは?と思ってしまうところです。

ですが、おそらく、これはそんな単純な話にはならないはずです。

がん細胞が増殖するかしないかは、放射線の影響のみを受けているわけではありません。免疫力の強さなども関係します。

また副作用にしても、治る速度が速ければ、副作用が出ているようにも見えないかもしれません。

要するに、人間が放射線を受けた時にどうなるか、ということは、一概には言えない部分が大きいのです。

 

高齢のお母さんが、標準より大きい放射線量を一度にかける短期照射(寡分割照射)をしたら、副作用も大きくなってしまうのでは?と思い、心配になりました。

ですが、そういうことは、理屈で一概に分かることではなく、実際の臨床や統計的な研究でしか分からないことです。

医者が下す判断は、主にそういった臨床的にどれだけ患者に効果があったかの統計をもとにしているので、感覚的には錯覚が起こってしまうような場合もあるようです。

彼女のお母さんの乳がんの場合は、一度にかける(1日の)放射線量を増やした方が、体に優しいようです。

 

 

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