先週、彼女は乳がんの手術後初めてとなる、1年目の定期検査を受けました。

1年の定期検査ではありますが、正確には10カ月くらいでの検査です。いろいろあって、少し検査時期がずれ込んでしまいました。

術後に傷口が正常に治っているかどうかを診てもらったことはありますが、乳がん自体の状態を検査するのは、これが術後で初めてになります。

 

その検査の日、僕はというと・・・

風邪で寝込んでました・・・

検査を受ける病院に一緒に行く予定だったのですが、止めておきました。

マスクをするとはいえ熱のある病人が、検査を受ける本人でもないのに、がんセンター内をウロウロするのは迷惑この上ないような気がしました。

がんセンターには、抗がん剤治療などで免疫力が下がっている方も大勢いるわけですから。

直前まで行こうか悩んでいました。

ですが、そういった他の方の迷惑になる可能性があります。

また彼女の話からすると、どうやら今回の検査では主治医との面談はなさそうなので、それだと僕がついて行く意味も多少低くなります。

今回はおそらく完全に検査だけをして終わりで、次回の1月の予約の時に、その検査の結果や評価を主治医から聞くようです。

そういったことからも、今回僕は彼女の検査に付き添うことは控えておくことにしました。

 

結果から言うと、やはり今回は主治医の面談や診察はなかったです。採血、エコー、マンモの検査を技師の方がしてくれただけだったらしいです。

「何か特別なことはあった?」と彼女に聞いてみたところ、検査自体は滞りなく終わったらしいのですが、エコーで何か所も撮影されたことを気にしていました。

気の強い彼女でも、こういったことは気になるようです。まあ、彼女の場合はそういうのが「恐い」という風にはならず、「面倒くさいことが増えそう」という発想になるのですが・・・

エコーで良性の腫瘍までたくさん映ってしまうことはよくあることですし、それが検査されている方にとっては非常に嫌なものであるのは、ご存知の方も多いと思います。

特に、今彼女が通っているような病院で、主治医がエコーをかけるのではなく技師がエコーをかける場合は、「これは良性だろうから大丈夫だ」という判断をしながらエコーをかけるわけにはいかなくなるので、おのずと撮影回数は増えるはずです。

そして、彼女が通っているがんセンターの設備は、最新で高価な設備が整っているので、精度が高く映る影も多くなるはずです。

彼女がエコー検査でたくさん撮影されるのは必然的であるのかもしれません。

 

そもそも、彼女には乳がんの術前の検査でも、良性の腫瘍がたくさん認められています。

良性かどうかの確認のために、手術したしこり以外に細い針での細胞診を2か所行っています。

また、医師の判断で「これはおそらく良性で大丈夫だろう」と言われたしこりも、それ以外にいくつもありました。

そういった、術前に良性だと判断されたしこりも、一応、念のため今回もエコーでの撮影はされるはずです。

そうすると、その場所だけでも5~10か所以上は撮影されるわけで・・・

 

彼女の話だと、手術部分は局所再発を慎重に見るためか、それまでとは違う技師がダブルチェックという形でエコーをかけ、撮影をしたそうです。

エコー検査だけでも本当に大変ですね。

さらに、これは手術した方の左乳房だけの話で、右乳房もエコーをかけ、何度も止まって撮影したそうです。

検査する方もされる方も、本当にお疲れ様ですね。

 

話が変わりますが、彼女のお母さんも彼女が検査をした日とまったく同じ日に、乳がんの手術後の検査を受けたそうです。かなりの偶然ですね。

彼女のお母さんは、手術後約4か月になります。

お母さんは採血と視触診だけをしたそうです。

そして、「もし再発するのならば、3年間が勝負だ」と、主治医から言われたらしいです。

これは僕にとって衝撃です。

彼女のお母さんの乳がんのタイプはトリプルネガティブなので、もし再発するのならば、早い時期になる可能性が高いことは分かっていました。

3年間という数字も、今まで僕は何度も目にしていまいしたし、調べた結果として、彼女にもそう伝えていました。

ですが、実際に彼女のお母さんが主治医にそう言われたと聞いたのは、自分でも何故か分かりませんが、とてもショックでした。

 

彼女のお母さんには肝臓の持病があり、トリプルネガティブのタイプの乳がんですが、抗がん剤治療は受けられませんでした。

ステージはⅠで、その他モロモロの条件を考え合わせて、某サイト内の情報などを参考にすると、転移再発率は30%を超えるくらいになるのではないかと予想されます。

全身に対して無治療だと、転移再発率は高くなってしまいます。

この予想は、お母さんには伝えていません。

治療を選択する時の基準になる情報ならば、その情報は必要ですが、選択肢がない場合には不必要な情報かもしれないです。

できるならば、術後3年をたっぷり経過した現在から5年後くらいに、「当時はこんな予想でしたよ~」と教えてあげられたらと思っています。

 

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おかげ様で、彼女のお母さんは、無事に入院で行う部分の放射線治療を終えることができました。

先日、退院しました。大学病院での入院でした。

入院中11回放射線治療をやったそうです。そしてこれに加えて、退院後に4回の放射線治療を通いで行うらしいです。それで終わりらしいです。

お母さんは乳房全体の照射に加えて、しこりらしき影が見えた場所にもブースト照射を行います。

短期照射(寡分割照射)によって、お母さんの放射線治療は通常の回数よりかなり少なくなっています。

通常、乳がんの温存手術後の局所再発予防の放射線治療では、1回2グレイの放射線の照射を25回行う場合が多いです。これに加えて、ブースト照射を行う場合はさらに5回行います。

なので、お母さんの放射線治療の回数は、通常の場合の半分の回数になっています。

 

これらの日程と回数は、彼女がお母さんから聞いたもののまた聞きです。

ただ、少し回数が合わないような気が・・・

手術後に渡された治療予定の紙の写メを見せてもらったのですが、たしかそこには、通常通り2グレイを25回行う場合(おそらくブーストの場合は、これに加えてさらに5回)と、短期照射で2.6グレイを15回で約40グレイ+ブースト2グレイを5回で合計20回の場合、の2通りの説明が書いてあったはずです。

ブーストを止めたのか、お母さんが勘違いしているかの、どちらかでしょうか。

 

まあ、いずれにせよ、お母さんは入院での放射線治療は終えました。

お母さんは足を骨折してしまったので、入院での放射線治療を受けていたのですが、現在はかなり歩けるようになったらしいです。

なので、たとえお母さんの勘違いで、あと4回+5回の放射線治療が残っていたとしても、それらを通いでこなすことは、それ程大変なことではないと思います。

 

今回、お母さんが入院での放射線治療を受けた話を逐一聞いていたのですが、非常にありがたい入院だったというお母さんの気持ちが伝ってくるものでした。

高齢者の乳がんでの放射線治療は、通院の労力が非常に大きくなります。高齢者が平日毎日を5週間も病院に通うのは、とても大変なことです。高齢者でなくとも、大きな負担になるはずです。

ましてや、彼女のお母さんの場合は、足を骨折して車いすでの生活中でした。

入院していれば、食事の準備をする必要がありませんし、身の回りのことも看護師さんに頼れます。(あまり頼り過ぎるのはマナー違反だと思いますが。)

入院費用の問題もありますが、そういった問題がクリアできるのであれば、高齢者の乳がんの放射線治療は、入院で行うことも検討してみる価値は大いにあると思います。

 

彼女のお母さんの場合は、入院で放射線治療を受けたことによるメリットが、他にもさらにありました。

彼女のお母さんは、乳がんの手術前の検査で、膀胱炎の疑いがあると診断されていました。この検査を、今回の入院中に行うことができました。

ついでというか、どうなのかは分かりませんが、膀胱がんの検査もおこなったらしいです。膀胱炎と膀胱がんの検査は同時にできるものなのでしょうか。いずれも大丈夫だったようです。

 

そして、お母さんは、入院中に整形外科にかかることにより、骨折のリハビリも行えたらしいです。

大学病院=総合病院に入院できたメリットを最大現に生かした結果です。

なんと言うか、お母さんにとっては、いいことづくめの大学病院での入院による放射線治療になりました。

 

お母さんにとって、今回の入院による乳がんの放射線治療はメリットの大きいものでしたが、おそらくこれは高齢者の乳がんの放射線治療で一般的に言えることだと思います。

高齢者の乳がんの治療では、がん細胞に対する治療以外にも気を付けなければならないことが多くなります。

まずは、手術に耐えうる体力があるのかを、慎重に確認する必要があります。

高齢者ならば、いったん手術が成功しても、その後に何等かの体の変調が出てくる場合もあるかもしれません。

また、抗がん剤治療は言うに及ばず、ホルモン療法や放射線治療でも、高齢者の場合は副作用が大きくなってしまう可能性があります。

入院して放射線治療が受けれらるのであれば、これらの体の変調を医師や看護師がすぐに察知できるかもしれません。変調が起こった時にも、入院していれば、すぐに対処ができるはずです。

 

また、高齢者ならば、通いなれない病院へ平日毎日通うことで、体力的にも精神的にもまいってしまうかもしれません。

通院時間にもよりますが、通院の労力をカットできるだけでも、高齢の乳がん患者にとっては、ありがたいものだと思います。

こういった理由から、高齢者の知り合いなどで、乳がんの手術をする予定の方がいる場合には、術後の治療を始める前に、放射線治療を入院で行う選択肢もあることを教えてあげることをおすすめします。

 

 

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彼女のお母さんの放射線治療をどうやって行うかについて、紆余曲折がありましたが、なんとか入院しての放射線治療にこぎつけることができました。

このブログのコメントでアドバイスをして下さった方々には、深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

最終的に、手術を受けたがんセンターではない、より家に近い大学病院での入院+放射線治療になりました。

 

どうせ入院するのならば、お母さんの乳がんの治療の主治医のいるがんセンターで入院するのが良いのでは?と悩んだようです。

ですが、がんセンターの主治医は、放射線治療に関して、お母さんの乳がんの心配をするよりも、お母さんの他の持病(主に肝臓の持病)の方が心配だったらしく、何かあった時には、肝臓に関してはがんセンターよりも大学病院の方が詳しく診れると思ったらしいです。

まあ、お母さんのように、手術後の化学療法やホルモン療法、分子標的治療など、薬による全身治療を一切やらない場合ならば、それらの副作用も気にしなくてもいいわけです。

それよりも、元からある肝臓の持病の方を気にしなければならないことは、当然だということになります。

 

放射線の機械は、がんセンターのものの方が新しく良い機器のようでした。

お母さんもそのことは気にしていて、主治医にもその旨を伝えましたが、それはさほど大きな差にはならない、とのことです。

僕も、このことは少し心配でしたが、こればかりは仕方ないです。

大学病院では「放射線治療室」として、放射線治療専門の部署があるようなので、技師の技術は高そうではあります。

 

前回のブログに書かせてもらいましたが、お母さんは放射線治療で短期照射(寡分割照射)を行うことになりました。

短期照射を行うデメリットはあまり無いようで、病院に通う(入院する)期間が短くなる大きなメリットがあります。

短期照射は最近行われ始めたことなので、これから少しずつ広まっていく放射線治療の方法かもしれません。

 

今のところ、お母さんは放射線治療での重い副作用は出ていないようです。

「少し体がだるいような気がする」と言っているらしいです。

お母さんは物事をかなりはっきり言う人なのですが、そのお母さんが「気がする」と言っているということは、本当に気がするだけなのかもしれません。

 

入院して放射線治療を受けることは、お母さんが強く望んだことだったので、それがかなって満足しているようです。

そのおかげで気分良く放射線治療を受けられているのならば、それに越したことはないです。

ただ、たとえ入院していても、実際に放射線の照射を受ける時間は、10分程度のはずです。

なので、1日の大部分が暇になってしまうはずで、そのことについてどう言っているのか彼女から聞いたところ、「暇だからと言って、それほ嫌ではない」とのことらしいです。

実はこれは驚くべきことです。

お母さんは、なんというか・・・少し自分勝手な部分があるらしく、自分から入院を希望して、その結果暇な時間が多くなってしまった場合でも「暇だ!」と周りに文句を言う可能性がありました。

僕はお母さんに「入院して放射線治療を受ける」ということを勧める時に、唯一、問題として、入院中お母さんが相当暇になってしまうことを考えていました。

なので、お母さんが暇だと彼女に文句を言っていなことは、僕にとってはいい意味で驚きです。余程、入院しての放射線治療を望んでいたのでしょう。よ、良かったです。

 

それと、入院中でも、土日は外泊許可をとって家に帰ることができるらしいです。

なんというか、至れり尽くせりですね。

 

放射線治療は平日毎日を5週間、合計25回病院に通うのが一般的です。ですが、短期照射(寡分割照射)ではそれが短縮できます。

また、彼女のお母さんのように、条件が合えば入院して放射線治療を受けることができる病院もあります。

もし、これから乳がんの治療を行う人が身近にいる場合は、一言耳に入れてあげると良い情報だと思います。

 

 

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