彼女の乳がんの手術後1年目の検査結果が出たので、聞きに行ってきました。

エコー、マンモ、視触診、血液検査の結果です。

おかげ様で、結果は、乳がんに関して問題ないというものでした。

乳がんは大丈夫だという結果でしたが、僕としては、今回の検査結果はあまり良いものだとは思えませんでした。

血液検査の結果、彼女は肝臓に関する数値がかなり悪いと出ていました。

 

彼女の乳がんのタイプはルミナールAです。

某サイトの情報だと、ルミナールAの場合に転移再発が起こりやすいのは手術後5~7年後だということです。

彼女の乳がんの状態の場合、手術の1年後に転移再発が見つかる可能性は稀です。

(というか、今回の検査では転移再発に関する検査はほとんどしていません。血液検査のみです。これが規定の検査です。)

また、転移再発ではなく、乳房の中で再発する局所再発に関しても、彼女は断端陰性だったこともあり、再発の可能性が高いのはもう少し先だと思います。

局所再発にしろ転移再発にしろ、彼女が警戒すべき時期はまだまだ先です。

 

彼女の乳がんはルミナールAの型なので、治療はとにかく長期戦になります。

ルミナール型の乳がんではタモキシフェンをはじめとする抗エストロゲン薬が効果を発揮しますが、高い効果を上げるためには本当に長期間飲み続ける必要があります。

タモキシフェンは昔は2年飲むことが推奨されていて、今は5年飲むのが一般的です。さらに10年に飲む期間を延ばすと効果が高くなるという話もあります。

なので、ルミナールA型の乳がんの治療をする場合は、タモキシフェンが体に合うか合わないかが、治療の鍵を握ってくるのです。タモキシフェンの副作用が強すぎると、長期間飲み続けるのが困難になるからです。

タモキシフェンはほとんど副作用が出ない人もいれば、重度の副作用が出てしまう場合もある薬です。

彼女は現在半年くらいタモキシフェンを飲んで、中程度の不眠などの無視できない副作用が出ています。

今回の検査の血液検査の結果で肝臓関係の数値が悪かったことの原因がタモキシフェンだとすると、長期的に見て彼女の乳がん治療がとても苦しくなると思われます。

 

彼女はお母さんも乳がんになってしまったのですが、お母さんは肝臓の持病が原因で推奨される抗がん剤治療を受けられませんでした。

彼女の母方には、肝臓が悪かった人が多いらしいです。

肝臓は、お酒や肥満などが原因で悪くなりますが、元々の遺伝的な代謝機能の強さも大きいです。

彼女はできる限り肝臓には負担をかけたくない立場なのですが、タモキシフェンは5年間飲み続けなければなりません。

タモキシフェンの肝臓への負担はさほど大きくないと言われてはいますが、稀に大きく肝機能を低下させています場合もあります。

また、タモキシフェンの服用で太りやすくなる場合があるので、脂肪肝が進んでしまい、間接的にタモキシフェンが肝臓へ影響を与える場合もあります。

 

ただ、彼女が今回の検査を受けたのは12月の中旬で、12月の上旬に彼女は風邪を引いていて、薬を何種類か飲んでいました。

検査を受けた直前まで薬を飲んでいたので、もしかするとそういうった風邪に関する薬の影響で、肝臓に関する数値が高くなっている可能性もあるとのことでした。

そこで、今回の検査の結果を聞いた直後に、もう一度血液検査をしてみることの提案を主治医から受けました。

彼女は了承して、当日すぐに2度目の血液検査を受けることができました。さらに、その結果も当日聞くことができました。

結果は、12月中旬の肝臓の数値よりは下がってはいるものの、まだ高かったです。

GPT、GOTともに3ケタでした。

このような場合に、「下がっているからよし」なのか、「1ヶ月も経っているのに、この程度しか下がっていないからまずい」なのか・・・

わかりません。

「タモキシフェンの影響で、一度上がった肝臓の数値が下がりにくくなっている」という可能性もあるのでしょうか・・・

なので、もう一度、3ヶ月後に3度目の血液検査をすることを主治医に提案されて、そうすることにしました。

(現在の病院を転院することを考えていたのですが、今回のことでいったん転院は先延ばしすることにしました。)

 

肝臓の話ばかりになってしまって、乳がんの話とはあまり関係なくなってしまいました。すみません。

ただ、ルミナールAだとタモキシフェンを飲み続けることが最大にしてほぼ唯一の治療法なので、そのタモキシフェンが飲み続けられるか、そうでないかが、乳がんの治療の行方に直結します。

 

まあ、もし肝臓の数値が危険な域になってしまって、タモキシフェンの服用を中止することになったとしても、それで終わりと決まるわけではないです。

いったん中止して、肝臓の様子をみながら再開のタイミングを探るという手もあります。

また、違う種類の抗エストロゲン剤にすると、副作用の具合も変わってくる場合があるとも聞いています。

今回の結果から先行きが不安になりましたが、対処する方策も色々あると思うので、長期戦になる乳がんの治療を粘り強く続けて行きたいと思っています。

ぼ、僕はそう思っているのですが、彼女がなんと言い出すかは未知です・・・

 

 

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今週の半ばに、彼女の術後1年目の検査の結果を聞きに行ってきます。

心配ではありますが、まだ本当に心配する時期には来ていないと思っています。

今回の検査の結果でもし何か良くないことがあるとしたら、それは彼女が温存手術をした部分での局所再発です。

 

彼女は術後の病理検査は断端陰性となっていたので、もし局所再発があるのならば、乳がんの腫瘍があった部分とは少し異なる場所になるのかもしれません。

断端陰性というのは、嫌な言葉ですが「くり抜いた」部分の外側にはがん細胞が見つからなかったということ。

断端陰性となっても一定の確率では局所再発は起こり得ます。

それがくり抜いた外側の部分以外に再発が認められるのか、それとも検査で外側にがん細胞が発見できなかっただけで、実際にはそこには取り残しがあったのか、どちらなのかは僕には分かりません。

 

もし、彼女に温存手術後の局所再発が認められてしまったら、多分僕は負い目を持つと思います。

彼女自身はそう感じなければ良いのですが・・・

彼女と僕は、術後の治療をどうするか話し合った末に、局所再発予防の放射線治療を受けないと決めました。

受けなかった理由はいくつかありますが、主に、手術で断端陰性となり局所再発の可能性が低かったことと、彼女が仕事をしていて通院しづらいという事情です。

それと、彼女が乳がんの治療を全体的にやりたがらなかったことがあります。

 

温存手術では、乳がんの状態が早期だったり、手術後に断端陰性となれば、局所再発の可能性は低くなります。

彼女が手術をした病院では、過去の彼女と同等の乳がんの状態の患者の統計により、彼女の局所再発率は9%という予想が出ていました。

温存手術後の放射線治療では、約1/3に局所再発を減らすことができます。

なので、彼女が放射線治療を受ける価値は、局所再発率の9%から1/3の3%を引いた、6%分です。

この6%という数字と、他の彼女にとっての放置療法のデメリットを天秤にかけて、彼女は放射線治療を受けないことに決めました。

僕もそれに同意しました。

 

と、いうか・・・

当時僕は、放射線治療よりも、タモキシフェンによるホルモン療法をなんとしてでも彼女に受けてもらいたかったので、正直に言うと、彼女がホルモン療法を受けるのであれば、他は無治療でもなんでもいいと思ってました。

彼女は当時、タモキシフェンを飲みたくないと言っていました。

彼女のタモキシフェンによるホルモン療法の予想される効果は、術後10年間の転移再発を10%以上下げるというものでした。15%も下げるというデータも聞きました。

直接的に命の危険のある転移再発を10%以上も下げることができる治療は、とてつもなく大きいものだと思います。

不謹慎かもしれませんが、タモキシフェンによるホルモン療法の有無の前では、局所再発を6%下げる放射線治療の有無は小さいことだったのです。

 

彼女の乳がんの手術後約1年経った今になって冷静に考えてみても、やはり、彼女がタモキシフェンを飲む決心をしてくれたことがとても大きいので、(これも不謹慎ですが)その代わりとして、放射線治療を受けなくてもいいことにした彼女と僕の判断は間違っていたとは思えません。

某がんの放置療法の著書で有名な医師は「局所再発は、もう一度くり抜けばいい」と気軽に(?)言ってくれたこともありました。極端な発言ですが、これもある意味では事実です。

いろいろありましたが、当時の判断を僕は後悔していません。

乳がんの治療は、手術以外すべて無治療すら望んだ彼女は、僕なんかよりも遥かに後悔していないはずだったのですが・・・

予想に反して、彼女は放射線治療を受けなかったことを少し後悔しているようです。

正確に言うと、放射線治療を受けなかったことを後悔しているというよりは、受けなかったことに少し罪悪感を感じているようです。

 

彼女は僕の言うことはあまり聞きません。僕の言うことも聞きませんが、基本的に周りの人の言うことは、誰の話もあまり聞きません。

ただ、多くの人が言うことは、少し不当に信じてしまうフシがあります。彼女には群集心理の影響が強いようです。

彼女は乳がんの温存手術後に、知り合いや病院の関係者と乳がんの話をするたびに「放射線治療を受けなかった」ことを驚かれたようです。

驚かれるたびに、少しずつ罪悪感がたまっていったようです。

こんなことになることを予想するのは、いくらなんでも無理ですよね・・・

 

標準治療では、乳がんの温存手術後に放置療法を省略することは基本的にないです。

なので、乳がんについて知識のある人に「放置療法をやらなかった」というと驚かれます。

ただ、彼女が手術を受けた病院では、先進的な取り組みとして、乳がんの状態が悪くない場合で断端陰性の場合は放射線治療を省略する場合があります。

だからこそ、「局所再発は9%」という数字を病院側が提示してきたのです。普通は数字に関わらず放射線治療を受けるので、局所再発率の具体的な数字などは出ないです。

彼女と僕は、その「9%」という数字と、彼女の希望や放射線治療を受けた場合のデメリットなどと天秤にかけて、放射線治療の省略を決めたのです。

ですが、そんな詳しい状況をいちいち説明しない世間話の中で「私は放射線治療を受けなかった」というと、必ず驚かれたようですし、場合によっては変な目で見られたこともあったのかもしれません。

 

実は、最近になって、何度か彼女の口から「本当に放射線治療を受けなくて良かったのかな?・・・」というようなことを何度か聞いています。

悲しいですね・・・いろいろ悲しい・・・

こんな状況で局所再発が起こってしまったら、いたたまれないですよね・・・

今回の乳がんの手術後1年目の検査の結果を聞く前に、これらのことについて、もう一度彼女とよく話し合ってから、検査の結果を聞きに行こうと思ってます。

 

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乳がんの診断を受けた彼女のお母さんと、一度電話でお話した後は、僕はまだお母さんと直接話をしていません。

ですが、お母さんの話は彼女から聞いています。

やはり心配です。

彼女のお母さんは、自分の健康のことも美容的なことも大切にしている人です。ただ、彼女の話を聞く限り、乳がんについて分かっていないこともあるような感じです。

 

お母さんがかかっている病院の側は、もうお母さんの手術を決めて、その準備を進めているようです。

次回の受診でMRIと生理検査と検体検査をやるようです。これは手術のための準備の検査です。

お母さんは医師の簡単な説明で全摘+再建を決めたようです。話を聞く限りでは、温存手術と全摘+再建のそれぞれのメリットとデメリットを理解しているようには思えません。

乳がんの治療をする上で僕が一番重要だと思う、局所再発と転移再発の違いも理解していないはずです。

高齢の患者が、そういった自分の体にとって重要な情報をよく理解していない状態でも、病院は温存と全摘を患者に決めさせ、手術を準備を着実にしています。

彼女はお父さんも健在で、お母さんは今の病院で2回受診していますが、そのどちらにもお父さんが付き添っています。

なので、病院側は、例えお母さんが理解していなかったとしても、お父さんにも話をしているので、それで良しとしているのかもしれません。

ですが、残念ながらお父さんもあまり乳がんのことを理解できていないようです。

 

なんと言うか、僕は彼女の乳がんの手術の時と、同じ気持ちになっています。悲しいです。

乳がんの手術をするというのは、患者にとってみれば、その人の生涯でも最大の重大事の一つのはずです。

そこに進むためには、僕は患者自身が乳がんのことをしっかりと知り、治療を受ける心構えを作る必要があると思います。

他の病気や他のがんならば話は違うと思います。一般的な病気なら、医者が信頼できるのならば、全てを任せればいい場合も多いです。

ですが、乳がんの治療法で、特に温存か全摘のみか、全摘+再建かなどは、患者が自分の意思で決めるべきことです。

美容的な問題が大きいからです。

ただ、その術式を選ぶ場合に、病気としての乳がんの状態が考慮される必要があるのです。

そして、それが結構難しくて、理解されていない場合もあります。

温存手術と全摘手術では生存率は変わらないです。もちろん、全摘+再建でも生存率は変わらない。

このことは、患者が医師に言われても、にわかには理解できないことのはずです。

そもそも、あまり説明しない医者もいます。

「再発が恐いから、全摘にしておこう」

そう思って全摘手術を選択する乳がん患者は多いと思います。

ですが、その「恐い」は局所再発が恐いのであって、「転移して完治しなくなるのが恐い」という意味の恐いとは話が全然違うのです。

局所再発は基本的に治ります。局所再発と転移再発は関係ないです。

 

もし、僕がお母さんに局所再発と転移再発の関係をごちゃごちゃと説明したとしても、理解してもらえないかもしれません。

理解してもらったとしても、お母さんの選択は変わらないかも知れません。

でも、僕はお母さんが手術を行う前に、このことをお母さんに説明しなければならないと思っています。

もし、自分が逆の立場だったら、そういうことを後から知るのは非常に辛いです。

そのことを知っているか知らないかで取ったであろう選択が変わらなかったとしても、正しい情報を前提に、良く考えた上での決断には意味があると思います。

 

 

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